欧州の森で心身の健康を考える
10/12 早朝の散歩、イザール川 をわたる 10/12 英国式庭園はもやだった 10/12 カエデ。これを回ってから 引き返し、朝食。 BWにて |
10/11から10/20日まで、「北の森林の健康ネットワーク」の欧州の森で心身の健康を考え ■10/12 ミュンヘン〜BW 快晴 10/12 広葉樹は紅葉している 10/12 人気のあるジョギングコース 早朝、フロントの女性に簡単な地図を書いてもらい、同室のTさんと英国式 庭園を北東側から探訪。 バートウェーリスホーヘン(BW)へ行く前に、もう一度英国式庭園によって行く。 ヌーディストの広場もあるが、まだ早い。目的はヌーディストではなく、森の幼稚園の 現場を見ること。中国式タワーのそばから入園して南下した。林層は似ている。20分ほど歩いて ツインタワーなどのある中心部に来た。 この夜、クアペンション・エメリエのルイスさんがこられて歓談。明日の夜はエメリエで夕食に決まる。 BWにて |
■10/13 終日BWにて 快晴
早朝といっても7時半にならないと明るくならないので、まさにその7時半に、フロントに希望者が集まって朝の散策に出かけた。アイヒバルトと書いてあるからヨーロッパトウヒの森である。朝もやの中だった。既に歩いている人もいた。地図を頼りに歩くとハンティングタワーがあり、登ってみた。かなり怖い。正面には餌台があり、ここに来たのを撃つ。以前来たとき、女性ハンターのリロさんは、餌台の周囲50mでは撃たない、という不文律があるんだ、といっていたが、これは怪しいことになる。 午前中は、BW市の保養課でヒアリングすることにしていたが、エージェントの手違いか、クアパルクで昨日の方がアトリウムのようなところでヒアリングすることになった。既に座学でBWの概要は知っているから、このようなことについて話して欲しいという質問書を送っていたのだが、伝わっておらず、クナイプとは、…というような話が続く。フットパスの長さは上原さんの調査で250kmとされているのを、数百kmといい、人口が1万人ちょっとのはずなのに、通訳の方は「5万人と言っている」という。ウィーンのヒアリングがこんなことにならないよう、夜、代理店にチェックしてくれるよう頼んだ。今回は必ずしも座学に重心を置いていないからいいけれど、対外的なレポートを書く人はあやふやな数字にちょっと困るだろう。 遅い昼食をゆっくりとって森林を歩きに出た。懐かしい山辺の道はたくさんの人がいた。歩きたくなる風景を、林業と農業がしっかりと支えている。恐らく、天与のシンプルな植生も寄与している。言葉すくなにただただ歩いてみた。 2時間ほどの散策でも、Hさんの奥様はあまり疲れがない、普段なら足がつったりするのに、とおっしゃる。座ってばかりのわたしなどよりひょっとして健脚かもしれない。 夕方、クナイプ療法(水療法)をオプションで頼んだ。9ユーロのところ5ユーロにしてもらった。わたしは温水と冷水に交互に足を入れるもの。他に腕を中心にするものと、上半身を対象にするものがある。 最後の写真は、ハシバミのような、小枝をドーム状に積んで塩水を流す施設。それをベンチに座って向き合う。マイナスイオンとタラソをあわせたような。やや東洋的な雰囲気を作っている。 |
■10/14 BWからヒュッセン、そしてガルミッシュ・パルテンキルヘンへ 小雨後晴れ
前夜、干草療法を頼んだところ、5時頃オーナーが、蒸気で蒸した干草を持ってきてくれた。これを疼痛がある左肩にあてがい、1時間ほど布団に包まっているのだ。気持ちよい。S先生によると、青草アルデヒドが、フィトンチッドのように作用するのではないか、という。あとで精神科のT先生に聞くと、ホイザックと呼ばれるこの干草は国内に持ち込むときには大麻と間違われることがあるというから要注意だ。 9時、ヒュッセンに向かってバスに乗る。途中、チロルを通過する。シーニックな道である。チロルはスイスだけでなく南ドイツのこの辺も含むもっと広い地域を指す概念だという。 懐かしいヒュッセンのフォイレンバッハに着く。運転手は機嫌が悪いようで通訳の方は手をもんでいる。通訳の方はフォイレンバッハに一度わたしと一緒に来たことがあるのだが思い出せないという。 フォイレンバッハを選んだのは、水と森の関係が実にうまく調和して見えるクナイプ療法地であること、それと、下火になりつつあるクナイプ療法がどう生き延びているのかを見るためだった。通訳の方はもう施設はないから無駄だと、メールをしてきたのだったが、しっかり実在し、オフではあったが、9月まで、いろいろなイベントをはって頑張っていたらしい。物悲しそうな風景がわたしには、とてもこころに滲みた。 ノイシュバンシュタイン城はかなりの人出だった。 |
■10/15 ガルミッシュにて 快晴
ガルミッシュでは、気候療法を体験する。9時に、ガイドのスザンナさんに迎えに来てもらった。バスでダウンタウンを通過してロープウェー乗り場へ。そこから標高1800m近くの頂上に2本乗り継いで到着する。窓から見る、植生は新しい見ものである。枯れているものや標高によtる植生の変化、風倒木などの間の道など、新鮮な光景だ。 頂上で血圧や脈拍を測る。ハイランドのフットパスを歩く感じである。8の字にぐるっと回るだけで2時間ほど掛かる。負荷も適度に掛かる。Hさんご夫妻は後半、駅で待つ。眺めは抜群、晴れ晴れしい気分になる。俯瞰する風景も素晴らしい。スザンナさんによれば、お客さんの多くはメンタルヘルスのために来るという。ハイランドには、前向きに人生を捉えるような、喜びのような、そんな雰囲気が確かにある。 駅でスザンナさんと別れ、バスでダウンタウンのクアパルクに行ってみる。ブナの大木と落ち葉が素敵で、誰が言い訳でもなく、かなり長い時間そこのベンチで日向ぼっこして過ごした。夜は、スザンナさんがおすすめのババリア地方の居酒屋でタップリのビールを飲んだ。 |
■10/16 ガルミッシュからウィーンへ 晴時々曇りのち雨
7時にガルミッシュのホテルを発ってミュンヘン空港に向かった。行く先はウィーン。 一時間あまりのフライトでウィーンに到着。通訳の方は、都市計画が専門なのか、ウィーンの街づくりを丁寧に開設してくれた。特に、ドナウ川に作った中州がウィーンっ子には欠かせないものらしく、そこで休日、日がな、寝そべっているのが好きだという。日本で言う家庭菜園、ドイツ語のクライン・ガルテンを、オーストリアではシュレーバーガルテンと呼ぶが、これもいわば貧しい人々のための社会政策で、それを進めた博士の名前を使っている。 カーレンベルクの展望台に案内してもらう。ウィーンの森の北の方で、ドナウの川やウィーンの町が一望。 郊外のホテルからは、教会がライトアップされていた。 |
■10/17 ウィーンの森(森林管理局)からヘレーネ渓谷 晴れ時々曇り
いよいよ、ウィーンの森。バスの中で、通訳の方は、わたしが管理局にお伝えしたいメッセージを校正してくれ、発音のチェックまでしてくれた。 市森林管理局のシュワッブさんは40m近いタワーにまず案内してくれてから、講義に入った。洗練された画像で、とてもわかりやすい説明だった。やはり、森林を伐採する側の役所は悪魔のように言われてきたというが、そのリカバーがうまく進んでいるという印象だった。おりしも、子供たちが大勢やってきて、引率の先生に「バルト・キンダーガルテンですか?」と聞くと、「バルト・シューレ」といわれた。森の小学校である。 それから、長い長い昼食をとっているうちに、もうひとつの訪問地、ベートーベンが歩いたバーデンやヘレーネ渓谷に行く時間がとてもタイトになった。折も折、ウィーンっ子は金曜日の午後から休む人が多く、道路は渋滞が始まっていた。結局、ヘレーネ渓谷は10分あまりでバックした。残念、無念。…(歯軋り) 夜はオペラ座の近くの日本料理店で、お寿司などをいただくことにした。やはり、単調なご当地料理の中では、元気の元になる。 |
■10/18 ウィーンの森(ティア・ガルテン) 快晴
どうも、不完全燃焼だ。観光スポットの宝庫ウィーンで、それらを横目に森に向かうのはちょっと異例かもしれないが、それにしてもバランスが今ひとつ。そう思っていると、今日は、昼ごはんなどはいいから、森を歩きたい、という力強い声が出た。 シューンブルン宮殿は市電など乗り継いで予定通り到着、早いスピードで庭もめぐり、一路、ティエル・ガルテンへ。2000ヘクタールの王侯の狩猟場で、今は市が管理している。 行楽日和で折からの紅葉の始まり。美しい時期に訪問できてラッキーだった。2時間ほど自由に歩くことにした。家族連れも、高齢者も多い。サインはしっかり着いており、案内所のマップで軽く一周ができそうだ。広い薪の集積場があり、表土も積まれていた。 快適な広葉樹林。舗装路と土の道があったが、断然、自然路に人気があって、大勢の往来が観察された。つかの間、一人の時間を持ったが、このわずかな時間、わたしはこの森がこころをニュートラルにする、ということがわかった。 旅の目的の大事な部分がウィーンの森で満たされた。夜、郊外のホテルのレストランでささやかなパーティを開いた。 |
■10/19 中央墓地など〜ウィーン空港〜シャルルドゴール 快晴→成田→千歳空港