*広報誌グリーンサマアは、市立サンガーデンのガラスドアに掲示しています。

Green Thumber   
第28号 平成13年1月13日 発行 (発行者 草苅 健)

一番下に、草苅からの「クラブの代表を終えるにあたって」(ご挨拶)があります。



A Happy New Year ,2001

シンプルな花の庭ネットワークへ
グリーンサムクラブ

 新年あけましておめでとうございます。暦のうえでは「いよいよ新しい世紀に突入」ですが、そう言われてもわたしたちの庭や花づくりが別に大きく変わるわけでもありません。ただ、今シーズンも、生活の中の大事なスペースとして「なごみの庭」に精を出すだろうということだけは確かです。
 今年のクラブは、スタッフの時間のやりくりがきびしくなったことなどから、従来の催しや発行作業などの一部をやや縮小し全体として軽量化して運営していきます。苫小牧で「花と緑の庭づくり」を実践するネットワークを、今年もよろしく。

 さて、2001年はグリーンサムクラブが「花のマチづくり研究会」としてスタートしてから通算してちょうど10シーズン目となります(注:グリーンサムクラブと改名したのは93年11月)。市内の花の庭づくりの達人を選ぶ「グリーンサマア選び」はマチの中に花のネットワークを生みましたし、園芸かわら版・広報誌「グリーンサマア」は今回で28号。年4回でちょうど通算7シーズンをこなしてきた格好です。
 特に、これまで選ばれたグリーンサマアは、2000年で約80人となり、友人・知人・サポーター・家族などを含めると当初考えられないほどの大きな所帯に成長しました。また昨シーズンは、過去に選ばれた方々をも対象としたシニア・グリーンサマア選びを展開したところ、グリーンサマアのOG・OBの方々のほとんど全員が、現役としてワザを磨かれていることがめでたく判明。全員をシニアと呼ばせてもらうことになったところです。
 2001年も、広くなったネットワークを背景に新たなステージを展開していきますが、これまでの9シーズン、クラブの代表をつとめてきた草苅がスタッフ(一種の世話役)と代表をおり、進藤みや子事務局長を中心にネットワークの運営を行うことになります。どうぞ、よろしくお願いいたします。以下、進藤事務局長からの挨拶です。

新春によせて 

 1992年に発芽したGTCが8年間の種苗期間をすくすくと過ごし、今苫小牧と言う少し大きめの鉢に移されようとしています。
 『北海道は巨大な花畑』と人が言うように確かにここ10年ほどでその広大さを生かした『お花畑』が各地にお目見えしました。また恵庭や旭川、札幌に見られるような都市型の『花篭』タイプも確かな充実振りを見せています。
 苫小牧と言う乾燥気味のだだっ広い大きな鉢、さてこれからどうやって仕立てて行きましょうか。5年後、10年後ではなく例えば50年後の『花のある風景・苫小牧』を思う時、今私たちがしなくてはならないことを考えてみましょう。
 都市部のような花もりもりも良し、カントリーサイドの花畑公園も必要です。そうした役割と風土、生活を考えた時、苫小牧は『低木緑に埋もれた花・花』、そんな雰囲気の街が美しいのではないでしょうか?工業都市だからこそ十分な緑は環境保護の意味からも不可欠であり、その中で多過ぎない花の存在は人々の心をきっと癒すはずです。
 世の中21世紀の始まりですべてが新しくなるような気がしがちな今、決して新しくなるのではなく今までと少しも変わらず花を愛してゆく、してここまで枝を広げたGTCのメンバーと一緒に根を張り花を咲かせたいと考えています。
 試行錯誤している間にも土の中では球根たちはしっかりと春の準備をしています。私たち事務局は皆さんが持っている『秘めた花への思い』を開放するお手伝いが出来たら・・・と思っています。
 これからの活動の主役はGTCのメンバーそれぞれなのですから・・・。    



2000年のベスト・グリーンサマア・オブ・ザ・イヤア best green thumber of the year
の関根幸子さんが11月、ニュージーランドを旅行されました。花を中心にしたニュージーランド紀行をお願いしたところ、次のような写真とメッセージを頂戴しました。

ニュージランドの庭は美術館?

11月28日、雪のちらつく苫小牧を出発し、成田から11時間後に、ニュージーランド(以下NZ)・クライストチャーチに到着しました。

南半球のNZは今、春から夏へと衣を変えようとしていました。飛行場から中心地に向かう途中、大きな公園、住宅地を抜けます。さわやかな緑、バラに囲まれた花壇がわたしの心を浮き立たせます。ドライバーが「ここが2〜3年花壇コンクールで入賞している家ですよ」と説明してくれましたが、あっという間に通り過ぎてしまいました。


●この長いアプローチを通って左手が自宅。なんと幸せな
ご家族でしょう。私も幸せを戴きました。(クライストチャーチ)



 今回のNZの旅は、11月下旬から12月にかけて咲く高山植物マウントクックリリー(写真)を見に行こうとになり実現したものです。リリーと名はつきますがユリではなくキンポウゲ科で、大きさはエゾリュウキンカをもう少し大きくしたくらい、花は白です。移動中にこの花にあうことができ、目的に達成できてとても感動しました。
 あらためての庭めぐりをしませんでしたが、協会、事務所、一般住宅は必ずといってよいほど花壇があり、満開のバラ、蕾がたっぷり付いたバラと、バラを中心に作られているようでした。花のある暮らしが生活にとけ込んでいる雰囲気です。そして家並み、家屋の高さ、樹木、芝生、花のバランスがみな程良く調和していますので空間の美しさも感じました。


●「マウント・クック・リリー」・・・・NZで最も有名な花。葉の形がスイレン(ウォーターリリー)に似ているので'りりー'と呼ばれていますが、キンポウゲの一種です。これは世界でも一番大きく高さ1.5m、花の直径8cm、葉は20cmにもなります。南島の海抜700〜1500mの湿った場所に生息しています。(マウント・クック3764mに向う途中で)
 



 クライストチャーチは庭園都市と言われるのもうなずけます。まるで自然という美術館で豊かな気持ちにさせてくれる大きな展示物を見ているような心地よさもありました。
 雪をいただいたサザンアルプスの雄大な景色、体が緑に染まりそうな大きな木、芳しいバラの香り、美味しい空気をいっぱい吸収した自然志向の私の体は大いにリフレッシュできましたし、バラの魅力にも取りつかれた旅でもありました。
(2000年12月20日 関根幸子)

●この配色、バランス、この感性はなんと若いことか!一人暮らしの70代半ばの男性のお庭に脱帽。 (クライストチャーチ)



「ドイツに見る農村風景と森の散策U」は、別に作成したレポートと内容が重複するので省略します。是非、そちらをご覧ください。 



花便り

■屋内に取り入れられた花達は涼しい部屋の中で半冬眠状態です。時折呼吸していることを知らせるかの様に貧弱な花をつけては散って行きます。早く思いっきり外で咲かせてあげたいものです。2月1日は毎年種蒔日にしています。シートに一杯の発芽を見ると今年の勇気が湧いて来ます。(進藤)

■あけおめ〜!関根さんからNZ紀行を快諾していただいたので紙面はずいぶんインターナショナルになりました。今、NZ観光局は8つの(あれっ、7つかな?)観光街道を売り出し、コピーは「人生観が変わる国」。NZはほんと、人生観を替えかねないですね。わたしたちはなにを目指してきたのか…とつい反省もしてしまいます。
 さて、ご愛顧いただきました本誌もわたし・草苅がスタッフをおりるために一旦中断となります。7シーズン、ご愛読ありがとうございました。(草苅)




クラブの代表を終えるにあたって

 降雪、寒暖、いずれももう春というサインはまだみつけにくいこの頃ですが、唯一、日の出の明るさがが少しだけ早めに訪れるようになった気がします。皆様方におかれましては、来るべきシーズンのお庭をどう見せていくか色々青写真を描かれたり、ストーブ園芸がピークを迎えて本番を待つばかりになっているのではないかと推察申し上げます。

 グリーンサムクラブは、1992年に「花のマチづくり研究会」として誕生してから数えて2001年に10シーズン目を迎えることができました。これも、グリーンサマアの方々やクラブの活動をあたたかく見守ってくださった皆様のご厚情のおかげと、心から感謝申し上げる次第です。

 さて、わたし・草苅は、このような皆様方のご支援のもとでネットワークの世話係の代表として、対外的な広報やスタッフ活動をして参りましたが、勤務の都合等によりスタッフ活動の継続が不可能になったと判断し、勝手ではございますがこのたびスタッフと代表の役割を降りることといたしました。
 わたしが受け持ってきた役割や作業自体はクラブのスケールやエネルギーから見ると、ささやかな意に満たないものばかりでしたが、絶えず身に余る好意的なエールを頂戴し励まされることが多かったことを思い起こします。あらためてお礼を申し上げたいと思います。

 スタッフと代表をおりましたあとも、もともとわたしがベースとしていました豊川町の小さな庭のオーナーとして、小さな庭が持つ可能性を引き出せる実験園芸は続けていくつもりでおります。また、グリーンサムクラブのネットワークは、この地に花咲いた財産だと考えますので、ネットワークの一員として引き続いておつきあいをいただければ身に余る光栄であります。

 なお、ネットワークの運営につきましては、従来どおり事務局長の進藤みや子さんがあたってくれることとなっております。ゆるやかなネットワークがどんな形がもっとも効果的なのかなど、2,3試みていく部分も残っておりますが、実際上のながれなどこれまでと同じ形態で進行されるのではないかと考えております。

 皆様方からいただいた長い間のご支援に対しここに心から感謝申し上げ、お礼のご挨拶といたします。

                             2001年1月  草 苅  健   


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