身近な緑を考えるとき、思い出すのがこのシーン。 ヨーロッパの人たちの緑とのつき合い方をよく表 しているような気がします。大木がある小さな公 園わきにあったカフェ。左手前の初老の男性は一 人でゆうゆうとお茶を飲んでいました。ゆったり と時間が流れ、静かで、快適な一日。それを深い 緑が支え、象徴しているように見えます。 ■ベルギー:ブルージュにて 町の中央を川が流れていることは、なんだか、いい 町の条件ではないかとさえ思えます。水はきれいで、 岸辺に寄れるようにできていて、かつ、芝の管理も 申し分なく……。この川はそんな条件をすべて満た してくれます。100年ほど前に植えたという河畔 の樹木は直径1mに近い大木でした。できればこん な町に住みたい……。自然にそんな思いが湧いてき ます。こんな町にしたい、という願いも実は、わた したち市民の願いではないでしょうか。往々にして あきらめてしまっていた、ということがありますね。 ■ニュージーランド:クライストチャーチにて (川はエーボン川) 1992年の9月、オランダで行われた花の博覧会フロリ アードを見に行きました。10年に一回の催しで花飾りの 粋を満喫したあと、オランダ、ベルギー、フランスの花の マチづくりコンクールのグランプリなどを受賞した町と村 を巡ったのでした。 最初のオランダで、わたしが最も訪れてみたかったのが、 ここ、キューケンホフ。残念ながらチューリップの時期だ け開園するところなので、涙をのんで、スライドを買って きました。「緑と花のあるくらし」。この公園の花と緑は、 花と緑がつくる快適さとあこがれをよく表現してくれます。 かくありたし!!■オランダ:キュウケンホフ ハンギングであれ露地であれ、花を飾るべきステージが用意 されていることが、ヨーロッパの花のマチに共通する点では ないでしょうか。飾りすぎず、バックは地味に。この玄関の飾 りも思わずカメラを構えたひとつ。ブロックもプレートも年 輪を感じさせ、ゼラニウムだけがカラフルに自己主張してい ます。 ■ベルギー:ワーンロード村 ベージュ色の壁にたわわにかけたハンギングバスケット。 フランスはサンフランボー村のレストランです。人口 1000人足らずの小さな村ですが、1989年、国際 花のマチづくりコンクールの村部門で最優秀賞を獲得。 プロのガーデナーなしで培ったこの村の花飾りを、今では、 農業高校の生徒やその他が研修に訪れるようになっている ようです。花はアイビーゼラニウム。 ■フランス:サンフランボー村 上と同じ、サンフランボー村。村部門のグランプリだけ あって、農家の納屋で見つけたのがこんな花飾り。レンガ のような薪。暗がりとのコントラスト。 花はアイビーゼラニウム。苫小牧でもゼラニウムはよく育 ちますが、雨にうたれた花びらが葉にこびりつくと葉がく されてきます。そのため、アイビーゼラならこびりつかな いデルフィゼラニウムにしてみたら楽でした。欧州の町で 圧倒的に多いゼラニウムは、前年から冬を越してますから、 経費はゼロに近いはず。でも、このシンプルさがいいのだ と思います。 ■フランス:サンフランボー村 |