99年のミニチュアガーデン



わたしの庭は、1辺が4〜6mの3角形の露地と、一坪の畑からできています。花飾りのステージは、この小さな露地と木製のベランダと白く安物のカーポートの軒。実にこじんまりした、というよりも極小の、お見せするのもはばかられるほどのそれはそれはツマシイ庭、それがマイガーデンなのです。

60坪の敷地から、建築のスペースをとり、駐車スペースを確保するとこれしか残らないのでありますが、ま、こんな小さなスペースで庭を楽しんでいるお仲間は、きっと少なくありませんね。そして、このようなミニチュアガーデンの「美しく正しい飾り方」?を正しく指導してくれる人もそうそう見あたりません。イギリスのスモールガーデンなんか、日本の豪邸の庭に相当するくらいです。

そこでわたしは数年前、この小さな我が庭を、ミニチュアガーデンでがんばる同志の実験場にしようと勝手に思い立ったのであります。毎年少しずつ趣向を替えますが、バラエティーの幅はとても小さいというあたりがこの手の庭の泣きどころですが、考えようによってはいとも簡単にリフォームできるというメリットもあります。

99年の実験結果を映像で紹介してみましょう。

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これが公道からみたわたしの庭。ちょっと芝の空間を入れてみると、意外に広く見えます。手前は、イベリスとアリッサムの実生。左の白はタネから育てたクリサンセマム。芝の先にインパのフォーカスゾーンをもくろんだのですが、これは失敗。左の緑はレンギョウ、アジサイ、グスベリの茂み。

どうしても使っている花がケバイので、手前だけでもホワイトに近づけてみたものです。
芝は週1回刈り込みます。

小さい庭を広く見せる、この辺にミニチュアガーデンのコツが潜むのかも。

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正面に丸いイチイを置いたのははたして正解だったかわかりません。ただ、歩行者にとってこのイチイの手前とあとでは、見え方がころっと変わるのがちょっとしたミソ。






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家の方ににすこし入ったところ。木製の物置は、格好のハンギングの壁であり、かつ、今の所はつるばらにもいいステージになっています。右下にギボウシ、ヒメケマンなど。








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つるばらが咲くと、どうしても主役はとられてしまいます。アスチルベモ引き立て役に回ってしまいました。もちろん、芝とクリサン・イベリス・アリッサムはおとなしく周りのために生きていこうと割り切っているようです。わたしはそんな生き方もいいなと思います。






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タネからつくったインパは、結局、6月に玄関前にごちゃごちゃと並べました。子供達から狭苦しくなったとちょっぴり不評でした。でも、同じ種類をふんだんに使ってみる楽しさはあります。花飾りは量ではない、と思うときもあれば、やっぱり量には圧倒されると感じるときがあるように、ときにうんざりという時もシーズン中にはあります。







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手前の淡いグリーンはコキア、右はしの紫はクレオメ。右中央の背の高い花は、西欧貝細工。今年は、いつものイエローデージー、キンケイギクといっしょに露地花壇の背景をつとめました。






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ベランダのハンギングなど。手前の右側は、ついうっかり肥料をきらしてしまった失敗作。それでも横幅は60cmくらいあります。ベランダはうらに板をはって壁をつくります。そうすると、シンプルな「地」ができあがり、花飾りのステージとしてはベターなようです。





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手前のコンクリートの電柱を板で囲い、ハンギングを飾って4年。わずかの予算ですぐすてきな飾り場所が生まれます。
ミニチュアガーデンはその辺のスペース利用は、ちょっとゲリラ的であります。






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今年のあたらしい挑戦はこれ。大型のワイヤーハンギング。トラカン、ボクシャ、インパ、コリウス、ビオラ、クリサンセマム、ヘリクリサムなど適当にいっぱい詰め込んで、遊んでいたら、直径が80cm以上になりました。重すぎて動かすのが面倒なので、一度とりつけてからは、台風くずれがやってきてもずっとここで頑張ってもらいました。丸形のハンギングは大きいほどおもしろいみたい。問題はこの重さ。たっぷり水をあげると30kgはゆうに越えるのではないでしょうか?


●さて、以上が99年の実験場のプロフィールです。遠隔地勤務でも、まあ、この程度はできる、とからいばりしても、実のところ、ちょっとつらかったなと反省もしています。楽しい園芸のために、もっと楽をしてみようと思案中です。