季節の花鳥風月とともに暮らす

NO.106
2019/09/02~


人はある時期、住む土地を選ぶ。では土地に住むということはどういうことなのだろうか。

住めば、日々、周りの人、身近な人と苦楽を共にし、知恵を絞って目の前の「今」を懸命に生きることになる。人生、それだけでも十分価値があり、地縁もやがて深まり、共感も生まれ人のつながりも広がる。

また、人はこの間に土地の神様とも言える偉大な存在、産土とつながっているという実感に出会うと、世界が変わる。この幸福は色々な幸せの上位にあるとわたしは感じているが、その産土は、季節の花鳥風月ととても仲が良いように思う。

だから産土とのつながりを確実に、かつ濃厚に実感したい人は、森や林や原野や川や山がある田園、あるいは地方に住む。大都会にはそれが決定的に欠ける。地方に住む意味の最大はそこに尽きる…。

60代も後半に差し掛かった今、自分に言い聞かせるためにあえて独断とやや偏見に満ちた言葉でこう断言してみる。こういうことは人生を肯定するために不可欠の儀式のようである。世間がしばしば高齢者をさして「頑固」というのはそのことだろうか。

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雑木林だより トップ




シカが食べなければ、
伐採の跡地の萌芽はこんなに旺盛


2019/09/18 wed 曇り 22度
solo-work



キノコ観察のために午後から林に出かけましたので、遠浅のシカ食害の試験地を見てみました。2シーズン目の成長期の真ん中にあって、驚くような変化です。

見えてくる結論は
「シカが萌芽枝を食べなければここの広葉樹林は容易に復元する」ということです。左は全景で、遠目に見れば変化は大きく見えませんが、そばに寄れば右の写真のように萌芽によるブッシュが目立ちます。

シカが今ほど多くなかった頃の伐採跡地はだいたいこのようなものでした。この差、この驚きは11/9に開催する梶光一教授を囲む勉強会で意見交換をして今後の対応策を見通してみます。

至近景をもう少し見てみましょう。先月まで気づかなかったのですが、中ほどに高さ3mを超えるようなホオノキが目立ち始め、一挙にブッシュになろうとするこれからを予想させます。

ちなみに、シカの電気牧柵を管理してくれている migirta さんによると、適宜、漏電防止のために電気牧柵線下の雑草の刈り払いをしており、過去1回だけ何者かが牧柵に引っかかった形跡があったとのこと。しかし食害による被害らしきものは見つけられませんでした。


秋の始まり、小屋掃除

2019/09/14 sat くもり 23℃
inaba ohsawa oyama kusa tomik & m = 6 persons

掃除して現れるモロモロ




10月の総会に向けて、午前一杯は、会場となるログハウス(雑木林ケアセンター)の大掃除。林はなんとなく秋の風情だ。

室内外の清掃と窓ふき、周辺の雑草刈り払い、半端材の薪割りなどなど。掃除のつど、色々なモノが見つかる。今日はヘビの抜け殻が室内に2本、外に2本、うち1本は煙突の支柱に絡んでいた(写真右下)。長い間、ヘビのフンにうんざりしたものだが、この1,2年さほどでもなかった。それが今年は何か所も見つかって、ヘラではぎとった。餌も多かったのか、鳥の羽も交じっていた、と、tomim さん。

ネズミのフンも見つかったというから、トガリネズミが復活したのか、ヘビは食べてくれないのか。このネズミのイタズラはひどくて、プラスチックからろうそくまで何でも齧る。長靴などイチコロだ。ヘビが棲むようになって長らくネズミは消えていたのだが、どういう力関係なのだろう。

ベランダには鳥の骸、ひとつ(写真左下)。例によって色々な生き物が小屋の内外には生息していることを痛感、しぶしぶ承諾、そしていやいや追認。(-_-;)

重い発電機をベランダに運び出してみると、一発で始動した。掃除機2台で絨毯のゴミをことごとく吸引してもらった。外ではohsawa さんがワイヤーで「ささみちフットパス」を途中まで刈ってくれ、小屋周りもシェープアップされた。

■もったいない丸太は循環できないのか

 

昨シーズン伐採された送電線の線下地の跡地も見て回った。萌芽はあまり旺盛ではないが、すべてシカに食べられている。皆伐でも、やはり丁寧にすべての株で食べられているが、食痕はウサギではなくシカのものだった。

放置された材の山を見て複雑な気分になる。放置された材をバイオ発電に利用する、などと大手事業者と行政が言っているが、こういう無駄は連携してうまく回収できないものか。ずさんな施策だと思う反面、搬出経費がかさむものは限界があるのもわかる。

大量生産には向かないロットだとしても、薪としてなら莫大な量である。ゲリラ的に、ポータブルウインチや重機のレンタルなどで薪など小規模利用に道筋をつけられないものか。今日も、切り株に立って、なかば呆然としながら考えてしまった。

■久々にボリボリの顔をみる




昼前、ささみちフットパスを歩いてみたが、ボリボリはかつて大豊作だったところにも全く姿を見せていない。2時近くになってから、掃除や刈り払いが一段落したので、キノコ調査にいくことになった。tomik & m さん、inaba さんは大島山林へ、わたしは育林コンペへ。

やはり見つからない。
と、木の根の付近に小さなボリボリを発見。よく見ると、群生ではないが根元にだけ固いボリボリがポツンポツンと生えている。それも、隣のabe-b & e さんのところにも、oyamaさんのところにもなく、馬搬の厚真のエリアにもない。どうやら、生きた根元に生えているのはわたしのエリアだけのようだ。どういう影響だろう。

oyama さんによると、味は地面に生えるボリボリの方が上のようだけど、わたしは切り株や根元に生える固いボリボリも結構好きだ。まさにナラタケ(ボリボリ)というキノコがナラに生える、ということを地でいっていることになるが、若いカラマツの敵でもあり大打撃を与えるとして林業界では警戒されている。

カラマツはともかく、生木・枯れ木を問わず発生する木材腐朽菌だ。わたしのエリアのナラのいくつかに根から「ならたけ菌」が侵入しているとすると、遅からず葉がしおれ、枯れていくことが考えられる。これは一大事であり、枯れる前に薪にせねば。キノコ(子実体)の直近に黒いぶくぶくのものがある。胞子の塊だろうか。

樹木の勢いに変化や枯死の兆候がみえたら改めて報告しよう。


森林科学科の学生・院生の苫東コモンズ視察

2019/09/10 晴れ 27℃ 林の中は蚊多し
学生・院生 10名、教職員・柿澤宏昭教授ら4名 案内・NPO事務局・草苅

《視察ルート》  
大島山林(看板~ドロノキ~5差路~薪ヤード)➡ 柏原試験地 ➡ 道道のtomatohマークのアカエゾマツ移植 ➡ ㈱苫東 ➡ 柏原展望台 ➡ ハスカップ・サンクチュアリ(車窓から) ➡ 厚真緩衝緑地 ➡大島山林へ戻る





9/10は朝9時から北大の学生さんらを苫東コモンズのフィールドに案内しました。

あわただしい2,3時間で問題意識を共有できるとは思えませんが、何のために苫東というプロジェクトが生れ、コモンズの地域活動は今、何を問題にしているか、あたりを感じ取ってもらえたなら十分です。

林学を出た私がここ勇払原野で歩んだ道筋もできるだけ前に出しました。緑地というとらえ方も変化して、あるいは風化しており、「なぜ緩衝緑地は必要なのか」「何と何を緩衝し、何から何を守っているのか」、という質問も出ました。時代が変わって、ここがもうピンと来なかったようです。

実にもっともなことです。公害垂れ流しだから工業開発は反対だ、と反対運動は起きましたが、もう公害とは何だったのか、という共感すら難しいかもしれません。お昼は、始点の遠浅に戻ってお弁当の食事。コモンズ林業の成果の薪を見ながら、そしてうるさかった蚊を避けながら、コモンズのフィールドの面白さ、手応えを感じ取ってもらえたのだったら幸い。一行はそれから厚真に向かいました。


  *この日、配布した視察個所の要点メモ

   ①大島山林
   ・苫東の骨格緑地のひとつ、70ha、買収前の私有地時代も町民共有の慣習(コモンズ)
   ・コモンズは人口減少社会の課題解決のひとつ、私有独占から共有へ
   ・身近な林はしばしば放置されている。ここで地域の人によるコモンズ林業が可能
   ・フューチャー間伐を目指したが、風倒木処理による小面積皆伐に移行
   ・個々の林の扱いは、特殊解。NPOは実践しながらレポート
   ・冬季間、毎週、約10名で雑木林の間伐を行い、層籍100?、15~20軒分の薪生産
   ・スノモで搬出 搬出路は刈り払い機のみで創り、フットパスにして地域の人の散策路
   ・コナラが中心の美しい雑木林に育て、森林セラピーの場へ
   ・シカ食害の深刻化、萌芽枝の保トンが食べられ更新不能 11月9日梶光一氏勉強会

   ②柏原試験地
   ・苫東は北海道開発庁のプロジェクトで47年スタート、3分の1を緑地に計画
   ・緩衝緑地を3400ha、そのうち200haを備蓄基地に交付される補助金で道庁が実施
   ・その前段で木が枯れる勇払原野にいかにして木植えるか、開発局が苫東kkに試験委託
   ・10年で10mの樹木帯目指す、ドロノキ、バンクスなど?アカエゾ、ヤチダモ、イタヤ
   ・土地改良の効果見えず、制限因子を発見?火山灰による土壌水分?マルチングで解消
   ・「秋植えは枯れる危険性が高い」「絶えず海岸から塩風が運ばれる」「ストレス」

   ③試験地からアカエゾマツの移植(平坦な苫東の造林地は苗畑?)
   ・平坦な植栽地は苗畑になる?間伐の代わりに移植して緑化材 H=3m @2~3万円/本
   ・道路建設予定地などにおける樹木を「根回し」「移植」「切り株も移植」
   ・広大な苫東の景観形成は「草地管理」がポイント?トラクターで刈れる法面5:1

   ④ハスカップ
   ・勇払原野から世界へ?世界のHaskap ? ポスト・ブルーベリーの機能性食品
   ・市民が自由に採取できるコモンズ コモンプール資源 
   ・「勇払原野はその遺伝子プール」(北大農・花卉造園)
   ・開発の悲劇のヒロイン? スイーツの取り組みの歴史 アイヌの長寿の妙薬?
   ・ハスカップのふるさとはアムール川? 流氷と千島海流に乗って釧路経由勇払原野へ

   ⑤緩衝緑地約200ha
   ・②の台地、湿地、海岸計7.2haの試験結果と備蓄交付金をもとに北海道庁が設計、実施
   ・昭和50年半ばから60年代初め、約10億円、ha500万円程度の造林
   ・グイマツf1、アカエゾマツ、ヤチダモ、ドロノキ、ハンノキ、ミズナラ、など
   ・樹木は良く育ち、緩衝する公害は特になし


ボリボリの初日、薪のシートをかけ終える
2019年28棚=過去最多

2019/09/08 曇り時々霧雨 24℃
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               *9/7 tomik & m さん = 2 persons

■ボリボリ採りの「第一村人、発見」



前日の雨を避けて日曜の参上。

9/10に北大の森林科学科の院生の視察研修を受け入れるので、そのルートなどを事前にチェックするために歩いてみました。大島山林の予定時間は確か30分。この間に、コモンズ林業のすべてを歩きながら語り切るのは不可能ですから、まあ、速足で歩いて最初のガイダンスを終えるつもりでいます。

さて、入口看板から池に降りると、普段は見かけない人影。お話を聞くと町内会の方でした。ボリボリです。「蚊が多くてね。昨日も来たのだけど、もったいなくて」とおっしゃる。服装は完全装備、顔だけは出しておいででした。若い人なら蒸し風呂状態のはず。

池の周りのせいなのか、今年一番の蚊の攻勢で、わたしはタイトなスポーツジャージの上から、刺され放題の状況でしたので、そそくさとルートに戻ってしまいました。もう逃げるような格好になります。ですからボリボリが視野に入っても、採るのを諦めました。
もう一度ピークが来るだろうと楽観して。

■片付けのステージへ



昨日はtomikさんが単身、山仕事をしてくれた模様で、薪小屋前の半端な材がきれいになくなっており、焚き付けになるクズ材や端材が、薪小屋の右から7番目に丁寧に積まれていました。ゴミの利用です。この感性はもう若者の間では枯渇したかも。でも、田舎生活を始めるとすぐ戻るはず。木のゴミは貴重な燃料なのです。

雑木林の「きれいごと」も数年前からやめました。林は新緑、紅葉時は特に美しい芸術ですが、それ以外の季節は、何でも受け入れるお釈迦様のような存在で、腐れるものは林に捨てる、という習慣も復活しました。町内会のゴミステーションに出して、油を使って自治体の施設で生ごみを燃やす、などというのはいかがなものか、考えればわかるミスルートです。林の活動で出た植物性のゴミは、なんでも受け入れる「林で腐らす」。

で、広場のへりは、刈草の捨て場になりました。ササの中は腐った材の墓場ですが、よく見ると、ヘリにはクルミやクワなどの若木が生えていて、これは間違いなくゆっくり効く肥料になるでしょう。従ってヨモギなどの雑草も負けずに伸びるはず。

わたしは、ほぼ積み終わった薪棚のへりのすべての裾刈りをワイヤーカッターで終えました。ヘリを刈るとナントなく薪の乾燥が促されるような気がするのです。それに薪棚がシャキッと映える。へり=エッジ、というのは風景を創るうえで結構大事なことをここでも応用。そんなわけで薪ヤードは一応すっきりしました。

■前シーズンは合計28棚、過去最多



あと1.5棚を外の野積みから薪小屋に運ばなければ、というのが tomik さんのみたてです。それを考慮したうえで、今年の生産量と在庫を総合すると、

《今年の薪生産》

薪小屋 2棚/ユニット×6=12棚
外(今年分)         16棚
  計28棚

外(昨期分) 6.6棚   ストック合計34.6棚

になるようです。 前期は風倒木処理でてんてこ舞いでしたが、薪生産量はこれまででもっとも多い量になりました。



午後から、積まれた最後の2棚にブルーシートを懸けました。これで今季の薪にはすべてカバーを付けたことになります。折しも、ご褒美ではないですが、araki先生から枝豆と小さなスイカを頂きました。薪割り機もどうぞ、と伝えるのも今日のわたしの用務だったのですが、どうも3年分くらいはストックしてあるようで、立派な薪長者でした。


北大研究林という都市林を歩く

2019/09/02 mon 晴れ 24℃

■盛夏の森

針葉樹の暗がりは少し荘厳な趣がある       せせらぎや、よし

気を発するヤマグワの前で記念撮影      アワダチソウが芝地の縁まで押し寄せている

月曜の昼下がり、池のほとりに車を止めて、幌別川の対面の林道を北上し、川沿いの小路にそれたり戻ったり。夏の緑のオーラのようなものを感じます。家内は落ち葉を見つけて「もう秋?」と聞く。「ドロノキはちょっと落葉が早いんだ」とわたし。葉が色づいた広葉樹はさすがにまだ見つからない。

カメラを持った人3,4人、ジョギング1名、ペアのウォーキング3カップル。なじみの径を3kmほど巡って池に戻ると、うしろから「草苅さ~ん」と声がかかった。振り向けばなつかしい市役所のOBがお二人、ベンチでカモとやり取りしていました。その後の消息や鳥の話などでしばし歓談後、帰宅。身近に広く整備された都市林を持つ幸せ、というのも間違いなくあります。


■気になるゴジュウカラ
 9/7 気になって見にいくと跡形なし。無事なら良いが、

この頃、というのはここ4,5年のことですが、色々な小鳥が自宅周りに来ているような気がします。一時、スズメがいないと騒がれましたが昨今は朝一番に聞こえる声の主。ちょっと目立つのはシジュウカラやセキレイ。ややうるさいけれどもうれしいのはカササギ。ヒヨドリも来ます。先日はヤマガラも見かけました。オンコとレンギョウしかない庭なのです。やがて晩秋にかけて、レンジャクとツグミなどもくるでしょう。

話は変わりますが、先日の研究林の帰り道の林道でゴジュウカラを見つけてズームで撮ったのが上の写真です。が、パソコンで見ていてどうも足がネットに絡まっているように見えます。思い出せば妙に動かない感じがしました。現地ではよく見ると首は動いているので、ま、いいか、とこの場を去りました。直近まで寄って、飛んで行かれた記憶もあるからです。

気になることというのは、この日も餌付けが全く普通になっていること。シマリスをとっていたカメラマンはヒマワリで餌付けしており、掌のヒマワリにもヤマガラがきていました。そういえば林道のあちこちにヒマワリの殻が落ちています。普通、8月は鳥も虫に夢中と思いきや、どんどん寄ってきていたのは驚きです。先のゴジュウカラも、心なしか標準タイプよりずっとメタボ状態に見えました。

白状すると、冬の手載せはわたしも密かな楽しみで来苫した人の接客に案内したこともありますが、ここへきて罪悪感を感じてしまいます。池でカモにパンをやる人も絶えません。養老孟子氏はペットは自然の代償と言いますが、野鳥の餌付けは、一見、自然への過剰侵入かもしれないなあ、と自戒の念が湧いてきます。