リタイヤ後は晴林雨読へまっしぐら

NO.10
2020/01/04~

待ちに待った退職後の生活は予想にたがわず極楽でした。まさにお陰様で、と申し上げたく、折に触れてそう書き、述べてきましたが、どこか自分だけズルをして良い思いをしてないか、という自問と後ろめたさを感じて振り返ることもしばしばでした。

それもやがて慣れてきて、バガボンの父ではないが「これでいいのだ」と納得できつつあります。自己否定のトラウマみたいなものでしょうが、「これでいいのだ」というメッセージは「今の自分のままでいい」という、森林セラピーの試みが盛んなころにエピソードとして聞いた自己受容のそれと似て、実は大切な魔法の言葉。(赤塚不二夫はいいこと言います。)

そしてやってきた待望の晴林雨読の生活。農にしろ林にしろ、身体力がいる訳なので動ける健康が前提なのですが、そこに釣りも加えて元気にやっておられる先輩もいらっしゃるから参ってしまいます。そこはもう、人それぞれ、天与の身体、因果応報、と割り切って、林と読の比率を変えて楽しむしかありません。

それでもやっぱり極楽に変わりありません。

home

雑木林だより トップ



雪が降らないうちに

2020/01/18 sat 朝は−10℃
oyama ohsawa kusa tomik migita seki = 6 persons

■今週も雪がない


考えてみると雪がなくて作業上困るのは、林内から材を運ぶスノモぐらいで、間伐作業はありがたいほど仕事はしやすい。

migita さん、seki ちゃんコンビは電気牧柵の脇の風倒木を片づけ、まとまった材積が積まれた。
oyamaさんはエリアの西側先端部で間もなく林道に近づく。今日は最後にアズキナシを一本伐倒。密生したシウリザクラの幼木をどうするか。スノモのルートの支障にならなければ放置か。
tomik さんも傾斜していたアズキナシの伐倒を美しく終える(切り株参照)。大きなギャップができた。さてどう更新がすすむか。
ohsawa さんはアカエゾマツの倒木整理を終え間伐へ。migitaさんがお昼に「かかり木をトラクターで引っ張ったら早いよ」と提案し試験的にやってみたら3本があっと言う間に片付いたようだ。






アカエゾマツが最後の写真のようにまとまると、これは薪利用者への分配の中に混ぜ込むしかないな、と肚がきまった。テントの中の衆議である。ただ、マサカリでは割りにくい上に焚き付けにすると火の粉がはぜて、フロントガラスの隙間から飛び出てフローリングの床やじゅうたんを焦がす。薪に使えばすぐ燃えてしまう。

発想の転換だ。アカエゾマツを楽しもう。薪会員のお客さんはアカエゾマツに造詣の深い人ばかりで何らかの感慨をもって受け止めてくれるはずだ。わたしたちは薪屋ではなく、間伐材を有効利用するのが本務であったのだから。

■全山を走ってみる

わたしは相変わらず腰が不調。できるだけ歩かず、かつ股関節に重量の負荷をかけず、と心がけてスノモで全山を見て回った。林道のどこに風倒木がありどう片づけるかの段取りもある。それでも万歩計は3.9kmを示していた。道理で痛むはず、と思った。

午前の一番はまず今年の作業エリアの運搬ルートを試走。枝や切り株が雪に隠れておらず、ぶつかる振動がもろにハンドルに伝わる。ひょっとしてスマホの万歩計にカウントされていたかも、と思ったほどだ。今年のエリアは小さく、広場からも超近く楽ができそうだ。だが、このままでは材積がない。



林の縁の斜面は雪がない。遠浅川に沿った林道は5,6本の手ごろな倒木があって、2月、整理がてら回収の予定。



さらに進むと送電線の線下地のナラの切り株が赤い。最初はシカの角磨きかと思った。ただ日の当たる方だけで、よく見るとミズナラのガサガサがはがされた感じで、ブツブツ穴も開いている。強靭なくちばしで剥されたような。しかし、何のために?虫?oyamaさんにも画像を見てもらったが、今のところ不明。



あまり行かない方面を歩いてみれば、やはり台風前後以降の枝折れが目立つ。ツルに絡まれたところも多いが、ツルはやはりハンノキに多い。ハンノキの根粒細菌が、ツルの成長を促してしまうのだろうか。

林を見ていると大局的な気づきがやってくる。
この林の保育が直面している現状と課題を整理すれば、

①薪炭林で皆伐された跡地が、4,50年で伐採されず(炭が不要になったから)に伸び放題になった
②それが80年近くの高齢林になって、火山灰という場所柄、強風で耐えきれず倒れるようになった
③このままどんどん倒れるだろう。これは皆伐してしまう以外止めようがない
④保育の前に風倒木整理に追われ、天然更新のギャップづくり(植林の替わり)をしているのが現状。
それはそれで良しと受けとめよう
⑤風倒木をなくすためには、50年程度で更新し、林を常に若くしておくことだが、それは今得策でない
⑥それでは美しい雑木林とはちょっと違う風景になってしまうから


そのための方策は、フットパス=搬出路をもっと増やし(あるいはどこでも入れるようにし)、モザイク状に皆伐して常に収穫体制と更新態勢を用意しておくこと。現状がそうならそれに合わせるしかない。それが適地適木適作業だ。これは林業の大系にはないローカルな特殊事例だと思う。

GDPに反映されないコミュニティ林業、コモンズ林業の面白い側面だと確信するに至った。


植生が物語る土地利用と履歴

2020/1/11 sat 雪のち曇り -4℃~+2℃
oyama ohsawa kai kuri kusa migita tomik & m wada seki = 10 persons

早速ホイッスル装着



もっと安全管理に踏み出すこととしたので、技術向上実習の自覚と自己責任を明確にするため、まだ取り交わしていなかったメンバーに先週から確認書を書いてもらっている。古いメンバーには、すでに2014年に書いてもらっており、そのまま更新されている。この確認と同時に、各々がチェンソー作業も補償対象に含む傷害保険に加入することにしている。

これに合わせ、伐倒周知用のホイッスルを用意して配った。すでに持っている人もいるが、このNPOではほとんど習慣化していなかった。なにか気恥ずかしい点もあるようであるが、先週のようにヒヤリとする場面が見受けられるようであれば早々に改善するに如くはない。

ついでに、伐倒時以外に、「お昼ですよ」「もしもし」「わかったよ」「時間ですよ」なども笛でやろうとアイデアが出されて、一応、その方向になりそうである。イアマフを使用しているので、結構役に立つはず。

安全管理にはもう一つ当NPOならではの秘密の策がある。代表理事が担ってくれるヨグマタによる安全祈願である。このようにハードソフトの両面からの対策は大事だと個人的には考えている。

■ナラが少ない今年のエリア



今年、保育するエリアは森林法の地域森林計画のアミをかぶっていない、変わったところである。わたしの古い記憶によれば、送電線が走っていたところではないかと思う。いわゆる線下地である。

従って、ナラなどの萌芽更新によって成立したところではなく(かつて伐根した可能性あり)、線下地をやめて以降に実生で生えてきたものが多いと推測する。ヤナギやハンノキ、コブシ、サクラ、そしてシラカバが適度に交じって、ほとんどナラがない。そしてどういうわけか、根アガリを起こし始めているものがずいぶん多い。それらも伐倒の対象にマーキングしたが、空がガランと空いてしまうのでケースバイケースで残すようにしている。

さらにアカエゾマツの造林地の間伐もしているので、薪の材料としては、これまでナラが半分を占める「雑木薪」を1級材とすれば、今年は2級材になるだろう。それでも市販のものよりいつも2,3割安く分譲しているので、来年は事情をお伝えしナラの棚と混在させる必要があるかもしれない。

■スノモ、稼働


ohsawaさんにスノーモービルのVベルトとバッテリーを交換してもらったので、試運転の日となった。バッテリーを充電する時間がなかったので、フットパスを巡って充電する必要もあった。朝、一発でセルモーターが動くというのはさすがに気持ちがいいもので久々の感覚だ。毎回、ウンウン唸ってダイナモのスターターコードを引いていた時に比べれば天国である。

メインの間伐作業から引退したわたしは、フットパスをふさいでいる風倒木を、小型のチェンソーで整理して回った。また、今年の作業エリアのメインとなる運搬路の支障木を伐ってルートを確保した。ここから枝線に入れるので今年の搬出作業は意外と楽そうである。

しかし雪が5cmほどだったので、昼頃にはところどころ落ち葉が見えて、スノモ日和には程遠かった。テント内は24℃近くになった。


雪のない初山仕事

2020/01/04 sat 曇り マイナス6℃
abe-e oyama kusa migita wada seki = 6 persons

雪がない正月の雑木林


意外や意外、雪がない。「どうせいずれ帳尻はあいますよ」とwada さんは達観。どんとくれば災害になりかねないし、雪が少なければスノーモービルを使った運材は制約される。願わくんば、ほどほどを希望。せめて今のうちに仕事を進めておくのが得策だ。

■山仕事風景


NPOの正式の山仕事初日は1月11日としてあるものの、6人の精鋭が集合し、テントで新年の挨拶を交わしてから、思い思いの持ち場についた。アカエゾマツの風倒木の玉切りのほか、根上りの多い広葉樹(ナラが少ない)をもう一度値踏みしながら伐倒など。倒すには惜しいかな、という大木が混じり、いずれも一筋縄では倒れないものばかりだ。

migitaさんらはシカの電牧そばの斜面の風倒木を処理し、トラクターでフットパスまで引き出した。わたしは昨年来のohsawaさん、年の瀬のkaiさんが手がけていたアカエゾマツ造林地の枝打ちを完了させ、外周の若い広葉樹を整理して、造林地全体の見栄えをあげるよう修景に従事。終わってスノモ・ルートの支障木を除いていたころに早々と股関節の限界が来てテントに戻った。

■作業の安全と効率向上に向けて



作業安全に向けて、昼休み、中断していた確認書を書いてもらった。自動更新で継続されるため、このたびの該当は3名。自己責任をうたったもので、傷害保険加入と伐倒研修が前提となっている。

NPOの作業も通算10年になるので、「ここはひとつ気を引き締めていこうね」、が目下の合言葉だ。今日のわたしのヒヤリハット反省は、細めのサワシバを伐倒した折、声掛けを省略したため oyama さんに枝先が振りかかってしまった。安全予防としては、念のため一声かけるべきだった。

また、午後一番のwada さんの伐倒でも、バキバキと音がしたので顔をあげると、枝先あたりに abe-e さんが玉切りしていた。距離感がわからなかったが、これも念のために声掛けが必要だった。

さらにスノモが縦横に走り、雪に埋もれた切り株に突然の追突をしないために、切り株はやはり基本通り切り戻してほしい(写真・右上)。結構面倒だが、守りたいところ。

3面窓付きのストーブは実に調子が良い。その原因は、長い煙突によって吸い込みがよいこと、そしてストーブに隙間が多く通気が抜群のこと。したがって、常に良く燃えて「微燃焼」という選択肢がない。今日も外は−5,6℃だったにもかかわらず、ブルーテント内は20℃近くあった。