手仕事の現地から

NO.14

2002/03/23〜

間伐作業は終わった。というより、終わらざるを 得なかった。気温がプラスになったし、雪も消え たからだ。狩猟する人が生き物の気持ちをつかみ 命を慈しむ逆説のように、木を伐る人の樹木や林 への思いも深く長い。今年もちょっとばかりその 仲間入りができたと思う。独りの作業。今年もい ろいろ教えられた。木こりに病人なし、というよ うに風邪気味でも山仕事をすると治った。山仕事 は自然治癒の力をくれる。          




6月8日(土)はれ 11:00                            蒸し暑い。風はあるように聞こえるが、本当の風は林の上を通りかすめ、音だけ。本当に 蒸し暑い。力仕事をするような状況にない。テラスの上にすわり目をつむったが、セミの 声、鳥のさえずり、葉ずれの音、その他、とても瞑想できるような状況にもない。では、 何をするのか…。何もしなくっていいの。ぼーっとしてればいいの。と、誰かが言う。  6月2日(日)雨                                 ●昨日支笏湖で草苅さんのご指導のもとフライフィッシングをしましたが、ムズカシイが 楽しい。お話に聞いていた雑木林、こころが休まる思いでした。雨なので薪割りは中止し て次回の楽しみとさせていただきます。T Aoike                ●雑務のすんだ夕方、青池くんとモーラップで待ち合わせて大崎でキャスティングをレッ スンした。とてもラインを操るところには遠いけどアメマスを2匹ヒット。薄暮の頃にロ グについて12時までたき火を囲む。朝は強い雨。8時まで寝てしまった。       たき火見ながら夜は更ける。意識はもうろうとしてくる。 6月1日(土)晴れ                                 ●今日は大変楽しく、大人6名、子供1名でBBQをしました。久しぶりで日頃の疲れも 忘れてしまいました。初めての連中ですのでどんなところか相当期待していたようです。 また、来たいと言ってました。できればもっとゆっくりしたい気分ですが、今日は帰りま す(よっぱらって…)。どうもありがとうございました。お礼のしるしに粗品を置いてお きます(O)→スイマセン(^_^)v(草苅)                      ●札幌の大野さんらがやってくるのでBBQのセットだけした。ちょっとご一緒すべきと ころ、S氏メモリアルガーデンづくりの段取りが待っている。さりげなく雑草を刈って、 客人が薪割りをスルのを見越してチェンソーで玉切りしておく。イヤア、参った。こんな かんたんな作業なのに汗だくだ。これからは体を動かすのはやめて、瞑想だけにしよう。 ツツドリ、ヒヨドリ、シメの声がする。大きなコナラの根本に背中を預けて休もうと思っ ていい座り場所を探すがいずれにもツタウルシが守護神のように少しずつからんでいる。 これだもの、知らない人が林に来て無邪気に歩くとかぶれるはずだ。          5月25日(土)晴れ時々曇り am10:30                      たたみかけるように進む新緑。コナラの開葉が一番遅い。コナラの卓越する 林の春は独特だ。                           合計7人、新緑に染まって林とこころを探検する。どこか祈りの風景に見える。 が、そうでもない。                            トラツグミ、イカル、シメ、センダイムシクイ、アカゲラ、などがさえずっている。今日 は11時からここで5回目の「林とこころ」の勉強会。新緑の一番いい日だから、今回も 外でやろう。葉が出てきたので日陰を作れるし。朝、古い薪をすべて割って片づけること ができた。落ち葉や土に埋もれてカビが生え始めたものもあって並べると汚らしいのが悔 しいが、ま、一段落した。これで新しい薪づくりに入ることができるが、さて、薪をどこ に積むかが問題だ。                               


5月18日(土)くもり pm11:30                         先週は運び込まれた間伐材と新緑のはしり コナラの新緑で、林はうぐいす色だ。鳥のさえずりもすごい。でも、ああ、もうすぐ林が 暗くなる〜。新緑に染まりながら先週運び込んだ薪を玉切りして、それから古い薪をはや く片づけるべく割っておく。ちょっとのつもりがまた、止まらなくなった。裏の薪の積み 方がやはりまずい。簡単にくずれそうだ。それで、気持ちだけ支えをつけた。うーむ、対 症療法的で解決になっていない。                          変な支え。ちょっと恥ずかしさを覚えつつ。 縁の下が空間なので不安定なんですよ、要は。 5月14日(火)はれ 午前9時15分                       平日の来訪。苫東の会社敷地にバラを移植する植樹会の世話をすることになって、小屋に 木灰をとりにきたところ。                             5月11日(土)16:30 くもり                           ■今日は、札幌から合計10数名のお客さん。この冬に間伐した太い材の運搬を手伝って もらいました。今期、直径10cm以下の細いサイズは林の中に置いてきたので量は去年 の半分以下ですが、おかげで2トンのロングトラック2往復で完了。これからは薪割りが できます。早速、チェンソーの使い方、薪割りの仕方をちょっとレッスンしてすぐ実行! やりだしたら止まらなくなるのが傍から見ていておもしろい(^_^)v 小さな子供たちは相 変わらず小さなログがお気に入りのようです。まるでおもちゃサイズですからね。そんな ファミリーサイズだからこそアズマシイのかも。 左:トラックで現場へしゅっぱ〜つ         右:通称「クミチョー」ほか、若手フンバル ●北大大学院Okamotoです。今日はマキ割り、焼き肉、BBQに来ました。楽しくて美味 しかったです。再来します!。                          ●トラックの荷台に乗り、のんびり風に吹かれながらいい時を過ごさせてもらいました。 N                                        天気予報のとおり、昼過ぎに小雨。すかさずタープ張って続行 ●初めてきました。気持ちのよい森の間。また、寄せてもらいたいと思います。Y    ●親子4人に楽しい仲間ときました。林の楽しみをもっともっと味わいたいと思います。 今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。P.S. エノキ、クリタケ、で きたらお伝えします。辻井順、○恵(最初の字が判読不可)、セリ、カヤ        5月6日(月)晴れときどき曇り 09:15                      日の出前に札幌を出て早朝から雑木林の写真を撮って回りました。育林コンペの看板手前 の右手に入る林道わきにオオバナノエンレイソウが咲いていました。連休も終わりですが、 木々から精気をもらって少し元気が出ました。 札幌・高柳              5月3日(金)はれ 16:50                            浜厚真の海岸を散歩し、ジョロー貝を拾った帰りに妻と寄る。少し遅いアズキナをとる。
4月29日(月)快晴 
いい連休だ。ヤナギの新緑がまぶしく、カラマツやドロノキそしてシラカバが芽吹きはじ めている。ログの前にイスを出して座っているとシジューカラ、ヒヨドリ、アカゲラなど の常連のほか、ウグイス、アオジ、センダイムシクイ、キジバト、マキノセンニュウのほ かにクロツグミの声も混じった。ログから北に歩いたあたりのカラマツ林からヒーッとい うあまり聞かない落ち着いた音が聞こえた。あれは何だろう。  早起きは得する。8時前に着いた頃はにぎやかなさえずりの最中だった。五感をフル回 転して季節を味わう。林道の散歩の際に、今夜の家族分のアズキナをとった。ログに戻っ てテラスにしばし寝そべる。 4月20日(土)はれ 外17,8度                        「林とこころ」の勉強会は今日からこのログで開かれる。で、何となくピザを食べたくな って家内に6枚分の生地をつくってもらい、トッピングなどを用意してきた。そして、ま ず10時半、枕木テラスに長い布団をしいて缶ビールを空けた。寝ころびながら、パトリ ス・ブーシャルドンの「木のヒーリング」を開く。ふむふむ。これは楽しめそうだ。   薪のピザは焼きむらがあって楽しめる。  11時半、ピザ釜に火を入れる前に類焼を防ぐため、ピザ釜のまわりの落ち葉を集める。 気をつけながら火を入れる。乾燥しているので火事が怖い。緊張する。火の粉が飛ぶよう ならすぐフタをしよう。やがて札幌の孫田さん、苫小牧の入谷さん、白老の白井さん、そ して瀧沢さんがやってくる。入谷さんはキノコの生えたログに殺菌剤を塗ってくれた。5 枚目のピザができる頃、岩見沢から佐藤さんが到着。                 雑木林の日だまりはもうすぐなくなる。葉っぱが出ると林はうんと暗くなるのだ。  ピザを平らげて30分遅いスタート。4時過ぎ一旦閉会して、ストーブを囲む。瀧澤先 生が今レッスンを受けているイングリッシュハープなるものを見せてもらいみんなで手に 右手側の弦はピアノの白鍵、左側は黒鍵にあたる。だから、すぐ弾けそうな気にさせる。 する。なかなか、シンプルでアコースティックな音色にヒーリングを感じる。いずれわた しのリコーダーとで合奏の予定。5時半まで生成りの語り。気を使わない会話で半日を過 ごすのはいい保養だ。                               4月13日(土) くもり 外12度                         昼前、椿さん父子が来訪し、歓談しながら昼食。のち、「林とこころ」のテーマにから んで白井さんからメモをもらったのでプリントしたものに目を通す。昨夜はKさんの送別 会があり、その席で苫東のTさんと苫東緑地の扱いなどについて若干話し合った。行き違 いのないようにログで思い出しながらメモする。なんか今日のログは仕事部屋みたいだ。 で、わたしの方の要点は次のようなものだった。                   @放置している状態の苫東緑地を今後、どう取り扱って行くべきか、将来を見据えたボー ド(委員会、懇話会など)を会社内に設けてはどうか。                Aそこで検討された全体像の中で、地域ごとに緑地のタイプと利用形態を明確にして「保 育」「林業」「グリーンツーリズム」「家庭菜園」「長期療養」など想定される利用・保 存のタイプ別ゾーニングを行う。このようにして、苫東緑地を意味と可能性のあるものと して認識し、将来的な取り扱い指針をもってはどうか。                ログに行く前に、展望台のそばの柏原によった。柏原はむかし、カシワの多い 原野だったのだろうが今は多くない。萌芽力がミズナラやコナラほどないから か。薪炭の伐採で減ってきたのだろう。でも、雑木林と林道の美しさは柏原な らではだ。                               B苫東の雑木林を、苫東の付加価値のひとつとして広報を展開するための戦略を立て直し てはどうか。                                   C当方のカバーする範囲は、ケアハウスの周辺および育林コンペのエリアであり、このエ リアをとりあえず苫東の緑地環境を象徴するモデルにしたい。十分の手入れと人の往来で 里山的な「フンイキ」が生まれるようなところまでもっていく。モデルの利用方法につい ては健康とリフレッシュをキーワードとして検討してはどうか。            緑地にまで手が回らない、という現状だと思うけれどどのくらい林が荒れていて、何がで きて何ができないかを誰かがしっかりと見ておく必要があると痛感する。それをしないと 地域開発の本来的な理想の部分がごっそりと抜け落ちてしまうからだ。いろいろな意味で この勇払原野はいいところだから上手につきあわねば。                4月6日(土) 快晴 外12度                          いい感じの道。ほっとする ナニワズ。夏は葉を落とすことから別名は「ナツボウズ」。苫小牧の春一番 「サラ」は字がうまいね。さすが、しつけがよろしい。                 キノコ、さっき、斧でこそげ落としましたが、さて、どんな殺菌剤がいいかな。透明な 何かを刷毛で塗るべきでしょうか。                          蔓の間引きは理論的にありえますが、実際はインベーダーのように隣へ隣へと拡大しま す。下手すると一帯が蔓にとられて、大きな穴ができてしまいます。そうでなければ、「間 伐代行ツル」として、林の保育の担い手になるのですが、今のところ、いや、未来永劫に、 林の敵かもね。                                    今日はこの前すでに倒れていた薪の棚を積み直し。土台がいい加減でかつ不安定ないち れつだったからか。その点、戦前生まれの先輩オジサンのワザはしっかりしてた。     小屋の後ろのコナラの大木たちに触って回る。びくともしない存在感はすごい。と、8 年前に調査のために巻いたスズランテープがたくさん残っているのに気が付いた。「苦し かったろうに」。小屋に戻ってナタを腰にさげ、一本ずつ切って歩く。特にモミジたち には気の毒だった。                                 枕木テラスに長い座布団を敷き、裸足で横になる。体から余分な力が抜けていく。地面 地続きのところで素肌に触れる快感。おすすめだ。                 テラスに寝て、空を仰ぐ。この程度の枝の開きがいい テラス=大地=ガイア 3月24日(日)はれのち雪                            ●昨日の散策から始まってバーベキュー、ワイン、ストーブ、おしゃべり。楽しくてあっ というまでした。やっぱり炎はいいな…。林の散策の時、草苅さんの解説も勉強になりま した。ふと思ったんですけど、ログに生えたキノコ、取り除いた後、応急措置として殺菌 剤を塗るというのはどうでしょう?  Motas                    ●昨日、今日とありがとうございました。雪もすっかり解け、春祭りにふさわしい日でし た。草苅さんの解説の中で、木を絞め殺すツル(蔓)の話がありましたが、「自然の間引 き」としてとらえることはできるのでしょうか?                    今朝は遠くから、キツツキのドラミングが聞こえていました。草苅さんの言っていたク マゲラだったらいいナと思います。NUKE                      ●ゆうべはおさわがせしました。 サラ                       3月23日(土)黄砂の曇り                             春まつり、または春分祭。                            長い冬が終わって春が来るのに祝わない手はない。Motas & NUKE さんとそう約束した のは12月の冬まつりだった。夕方、そのふたりとログで待ち合わせ。夕食のセットの準 備と薪割りをする。4時頃、到着したふたりを、すぐ、クマゲラの食痕に案内して、山の 辺の散策に出発。雑木林の500mほど東は水田地帯になっていて、マガン・ヒシクイが 落ち穂を拾っているかもしれないからだ。それに山の辺の風景はいい。ぜひ見て欲しいし 3月の雑木林のいい雰囲気も感じて欲しい…。                    林をぬけると、ぽかり、こんな風景にでくわす。 振り返ると、わが雑木林の山はこんな風につながっている。 手前の線は、シカ予防の電気柵。  だが、残念ながら、マガン・ヒシクイはいなかった。ガスの空砲もオフだった。でも、 雑木林のへりと田圃の境界のなごみはいつものとおりだった。田圃と畑の混じる農免道路 を北に向かって歩いて、鶴の沼から雑木林に戻った。沼のはずれで偶然シカのヌタ場を発 見。やや混んだ林の道のないアップダウンをゆっくりくぐって平木沼の林道に出た。平木 沼のよって育林コンペのエリアを見ながら南下。送電線の下までくる。         motasさん「これって、切り過ぎじゃないですか」                  わたし「木が伸びすぎて送電線にふれるから」「それにどんどん更新するから林はすぐ復 活するんだ。ほら…。」                              と、萌芽更新した切り株をひとつずつ案内した。シラカバもモミジも、コナラも、元気な シュートを出している。そして、そのうちのいくつかはウサギに鋭くかみ切られていた。  春まつり。枕木のテラスで晩餐。背中で小屋のまわりの枝整理をかねたたき火。9時ま での3時間は外、12時までの3時間はストーブを囲んで。                 晴れた朝の6時。うっすらと雪が積もっていた。               


宴のあと…。


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雑木林だより13