草木染め傍観記!?
夏の雑木林 ほおばの調理
さて、ログの雑木帳で、富永さんが場所が解らず帰られたことを知ったわたしは、申し訳なく思いながら北大のブロックへ。北大は育林コンペの一番奥のところ。なんとそこでは、この暑いのにたき火をしていました。(注:本当は煙を立てるときは届けがいるのですよ。消防が山火事と間違うといけないから。これまでも10月以降の保育時は半年分役所に届けてきてるのです。)
で、このたき火ではまずホオノキの葉っぱで、「ほおばみそ」と「ほおばご飯」を作っていました。「みそ」はすでに調理してきたものを、乾燥済みの葉と生の葉とふたとおりの葉に包んで比較。ご飯もそうですが、乾燥した方が香りがよく生の葉はちょっと違うほんのりした香りがしました。飛騨高山でわたしが経験した「ほおばみそ」は小さな七輪にのって出てきて、どうも旅館のメインディッシュだったような記憶が残っています。これはもちろん、乾燥した葉で、残念ながらどれがホオの香りかさっぱりわかりませんでした。
話はもどって、生の葉の利用では「ほおば鮨」があるところを考えると、生は殺菌、枯れ葉は香り、という使い分けがあるのかも。
いよいよ草木染め
以上は草木染めのプロローグ。昼過ぎに今日の草木染めのリーダー、好田さんが到着して作業開始。好田さんが用意してくれたメモでは、草木染めとは「自然の色素と媒染剤を用いて布に自然の色を取り込むこと」とあります。以下、メモにしたがって作業を紹介します。そしてところどころ、画像を参照。
●布に色が付きやすいように、布に前処理。水に浸したあと、今回は牛乳に30分ほど浸しました。タンパク質が布にしみこんでいる必要があるようです。これをしばらく干したのですが、このシーンはどこかで見たことあるなあ、と思ったら「難民キャンプ」。数日前、わたしはジャングルにこもっていた横井庄一さんの記事を読んでいたために一瞬、横井さんを連想してしまいました。(余談ばっかり)
●しばらく干している間に、染料となる材料採取。最も今、供給されているもの……ということになると、アワダチソウとヨモギ。アワダチソウは花序の着き方からオオアワダチソウのようでした。セイタカは、枝が頂上にのみコチャコチャと着きますね。これらを別々に煮込みます。そのためにたき火は必要だったのですねえ。ガスコンロ2台、大鍋ふたつ、ポリタンクいくつか……だから、やっぱり難民キャンプ風です。水と材料、ほぼ同量にして煮込みます。
←これがオオアワダチソウ
●煮込んでいくといずれも黄緑色の煮汁に変わっていきました。アワダチソウの方は、花粉の粒が混じっています。また余談ですが、養蜂家の斉藤一彦さんによると、アワダチソウの花粉はミツバチ達が今、ハチの子の食料として小さな団子にしてせっせと巣に運んでいるようです。エネルギーは蜜から、必須タンパク質は花粉からとるのだそうです。
さて、この煮汁にTシャツやハンカチなどをつけ込みました。
●色を染着(固着と発色も)させるために媒染剤と言うのがいるようですが、これはたき火の灰を使用。ここでもたき火の必要理由がみえます。なるほど、雑木林での作業にはそれなりに理由があったわけだ。煮込んだあと、木灰の上澄み液の媒染剤につける。
●仕上げして完成!!
と、わたしが作業を傍観したのはこの辺まで。完成したTシャツの写真が届いたら、画像を貼り付けたいと思います。
以下は吉次さんの写真。上、左は制作中、上、右は一応完成後の記念写真。下は染めた直後。
10月7日に吉次幸江さんからプリントを送っていただき、スキャナーで読み込んでみました。4kbiteくらいの軽いやつにしたらさすがに画像が優れず。ま、いいでしょう。
好田さんがきていたTシャツを見せてもらったところ、色があるかないかの淡い状態でした。色を固定させる技術が求められているようでした。