2003/July〜

木こりとフライは相性がいい。森と川と海で、人はやさしくなる。そこはレクリエーションを超えた何か、である

日常をはなれ、ちょっと遠征!!


釣り人は、より満足度の高い釣果を求めて遠征を夢見る。そこにはきっと、ここにはない、 ビッグなチャンスが手つかずで待っているはずだ。加えてそこはわたしだけを待っている‥。 まあしかし、非日常的な遠征は、興奮であり交感神経を刺激して挑戦感覚と興奮を呼び起こす が、あちこちを歩き少し落着いてくる初老の年齢に達すると、いろいろな理由から日常的なフ ィールドを求めるようになるのではないか。雑事にかまけ、遠出ができない状況が増えてくる のだ。あきらめている間に、いつのまにか妥協ということも忘れそれがパラダイスだ、理想的 なフィッシングスタイルだと正当化し言い聞かせるようにもなる。ある種のごまかし、自己刷 り込み。深層心理として遠征と日常は戦いと妥協、納得と訓化が渦巻く葛藤の様相を帯びる。  どちらも理想ではある、というのが大人のフライマンの本音ではないか、とこれまた無難に まとめて、時折、「ちょっと遠征」をしてみたい。。                  

新冠川にて                     平成16年10月17日 水温12度c 所用のかえりに、久々に新冠川にフライを浮かべる時間を作った。シーズンは終わってお り、川はササにごり、海風が強い状況だったので、長靴のままロッドを振った。どうせ駄 目かも知れない。が、水量の多い瀬の脇を流して5分、20cm弱のキレイなヤマメがヒ ットした。3番のロッドはこのヤマメをごぼう抜きにできなかった。うれしいね、こんな ときは。ファイとしてくれたヤマメに感謝しつつ、リリース。深みに泳いでいった背中も 美しかった。これでもう十分。                            まだこんなサイズが残っているとは驚きだ。たっぷり深みもあるこの川ならではかも知 れない。川石には水生昆虫がたくさんついている。ただ、今年最初で最後の新冠川は土砂 崩れのあとが痛々しかった。えぐれる湾曲部はコンクリートになっていた。遠征は刺激。 非日常は心身と記憶、感性を活性化させる。やはり。遠出などをほとんどしていない自分 には新鮮だ。少し考えさせられた。                        
尻別川にて                   平成15年7月20日(日) am10:30-pm1:00 川仙人ことTさんが去年から誘ってくれていた尻別川の上のほうへ。仙人の多忙な仕事の合間 と、わたしの雑事の隙間の都合がうまくつながって、前日夜 急遽釣行が成立。朝8時半過ぎに 家でピックアップしてもらった。                            渓相。そこでまず記念すべき小さなアメマスを釣る
 天候は支笏湖に向かうほど霧雨は濃くなり、美笛峠を越してもあまり好転はしなかった。ど んよりした曇りの入渓。すでに5,6台のRVが林道に駐車してあり、仙人が川に下りようともく ろんでいたポイントにもすでに1台が止まっていた。そこから200mほど上でウェーダーをはい た が川はすでに先行されているだろう、ザブザブ歩かれた後を行くことになるのは予想され た。地域の大河・尻別川の源流は、下流での大川ぶりを感じさせない、普通の上流部といっ ていい。まあ、どんな川でも源流部は小さなせせらぎに始まるから、当たり前ではある。河川 勾配があり斜面が迫るから川原がなく、ウェーディングしてポイントを探っていく。水温9.5℃。 緑がうっそうとした国有林で、にごりはなし。下流の喜茂別町鈴川あたりの水量よりはやや少 な目といった感じだ。温度が高ければ、瀬もたまりも魚がいつきそうな、そんな渓相。なくな った芦沢一洋氏のエッセイの中にこの尻別川釣行があり、ひとりの、しかし禁欲的とでもいえ そうな押さえ気味の姿勢が忘れられない。氏はその中で、一日5匹以上はフックオンさせない と書いていた。貪らないという意味と、集中を欠いてしまう、という2面があると思いながら 読んだ。 やがて小型のニジマスと遭遇
 さて、仙人はわたしをガイドしてくれる格好で、ポイントを譲ってくれるから、まず最初の ポイントで20cm弱のナニカを、トビウオ状態に抜き揚げ、ばらしてしまった。次のポイントで は10cmほどのイワナ。いわゆる見慣れてきた支笏湖のアメマスよりオショロコマに近いよう な黒ずんだ魚体だ。ガイドの川仙人さんが記念撮影をしてくれる。                        ストーキングして丁寧に攻める川仙人さん。川沿いは緑色のマユミがたわわだった  どうも、深めのポイントしか居ないみたいだ、と思い始めたころ二つの流れがそっと合わさ るようなポイントにでる。流心を探ると2投目あたりにガボときた。慎重にあげると18cmのニ ジマスだった。ここで昼飯をとりつつ川面を見ると時折ライズする。食後、仙人が数回試みて から上流へ。わたしはもうちょっと粘って15cmのアメマスをあげる。なかなかヒットしなかっ たのは、複雑な流れがフライに少しドラッグをかけていたのだと思う。  「ちょっと遠征」。どこにでも居るサイズであったが、そこがまたいいとこ。川仙人ガイド のおかげで楽しめた。                                 粘りがちでヒットしたアメマス

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