フライフィッシングで自然創造の不思議を体感する


■支笏湖の春夏秋
2004/april〜

このページだけは試しに春から秋へ時系列順になっています。


雪景色の湖にて  4月4日(日)うす曇                      シーズン初めての支笏湖は猛烈に寒い。雪景色であり、湖面を吹く風も強い。セミダブル ハンドのロッドをデビューさせたが、アゲンストの風には#7はチョッと頼りなかった。 先客は3人。ひだりの大岩の下で黙々とフライのロッドを振っている。わたしは手が凍え て最後はティペット(フライを結ぶ先糸)を結ぶのも難儀するようになって、午後2時に あがった。 魚はいる    4月11日(日)くもり                      安達さんグループが来ていた。坊主と嘆く。左脇のフライマンは見事なプレゼンで4本を ものにしていた。魚は来ている。                          久々の邂逅 旧交を暖める  4月29日木曜日 はれ 午前べた・午後風あり     黒田さんと国道で会う。昨年、手術したらしく随分年を感じさせた。安達さんはばらした ばかりだと言っていた。そおあと2時間、水温は6度、たちこんだ途端風が出てきてヒッ トはなかった。ボートが出始めた。2時間いたがヒットなし。フライが払底。      またホーミーばかり  5月9日(日)くもり 11時から1時まで           先客はひとり、ほぼないでいる。昨日は好天だったから絶好のフライ日和だ。正面で20分 、後左の岩に移動して回遊を待つ。キンクロハジロがおきに着水してもぐっている。プレ ゼンテーションがうまくいくときでないとつれないことを思い出して丁寧に、ターンオー バーさせてフライを落とす。よし、これならいける。12時半ころに回遊が来ると踏んで集 中したがなしのつぶてだった。湖岸を伝って帰る折、そして沢の上り道、ハシブトガラ、 コガラ、シジュウウカラが寄って来るのでついホーミーをうなる。釣りに来ていつも鳥と ホーミーでは笑われる。もう一人の釣り人も移動を始めた。あちらもヒットの気配なし。 魚が見える   5月30日(日)はれ 6時半から8時半まで            時間がとれたので久々の早朝FFである。4時におきて所要を済まし6時ころ家を出た。 今日は何か魚に出あえそうな予感がする。思えば、連続バラシから釣り魚に見放されたよ うだ。湖畔は水かさが一段と増し、山の縁ぎりぎりまで水がある。大岩に上ってみると、 10数センチのアメマスがあわてて逃げるところだった。                いつもの黒いモンタナ、黄色と黒のまだらのモンタナ、アレクサンドラ、と続いたがア タリらしい物がない。折から左側から風が来るから、岩の上ではアゲインストになる。し かし、丁寧にキャスティングを繰り返す。丁寧なプレゼンをしていると、釣れると言う自 信が湧いてくる。だからキャスティングのひとつひとつに思いを込める。         8時、やはりこの時刻にライズがあった。タイプUのラインをフローティングに変えて 残り時間を待つ。フライの3m向こうにライズが起きたとき、いけた、と思ったがぬか喜 びだった。5回連続で魚の顔を見れなかった。が、いい兆候が出てきた。コゴミは終わっ て、湖岸はウルシが元気だ。水辺の石をはいで見たが、カゲロウなどの姿はない。新緑は まぶしい。                                    ニジマスが出ない           平成16年6月13日 はれ 12:15--14:00    たちこんだ水辺で後ろから白い大型のカゲロウが頼りなげに舞い上がった。エゾハルゼミ が鳴いており水辺のあちこちに落ちている。べたなぎなので、#4という軽いラインと細い ティペットでかつ小さなドライフライをキャストする。ややして、15cmほどのアメマスが ヒットした。今年初の支笏湖での釣果だ。さみしい!今年、アメマスの数がめっきり少な いのはなぜか?                                   先客3人グループは、ヒットはないと言っていた。キャスティングのうまい人たちだが 大声で話を交わしながらキャストするので、静寂とは程遠い。水上スキーもやってくる。 ニジマスの気配はがないがセミが周りに落ちて羽をばたつかせるのでロッドで拾い帽子に 載せる。こうして2匹を、陸にあげた。                        右手で羽虫が水辺から沖へ大量に飛び出しているのが見える。何だろう。そばに行って みると、8mmほどの羽虫が水面すれすれに回転しており、沖に出るところだけが太陽光 線を浴びている。暗がりで戻るから、沖へ大量に飛散しているように見えたのだ。つれな いときはこんなことにも気がいく。  帰りがけに年配のフライマンと会う。やはりウグイが4年ほど前から増えたという。湖 畔あたりには前からいたが、だんだんこっちにも来た、と語った。わたしより年上風のフ ライマンがいるというのはうれしい。                        真打のアメマス登場は遅い                   2004/06/19くもり  このシーズン、しっかりと支笏湖にはつきあいたい。もう1年以上、支笏湖のニジマスを 手にしていないが、ここのところ、荒れていたプレゼンテーションが基礎に忠実に戻りつ つあるので、これからヒットの可能性が高まる。それにしても、ヒメマス橋はこのところ ウグイが増え一方のアメマスもとても少ないので、当面ほかの場所に移ることにした。今 日は大崎。道路からもっとも短い距離で湖岸に降りることができる。           夕方6時、珍しいことに男女のペアが2組いて仲睦まじいFF風景が展開。先生らしい すこし上手な人がいて、5,6人は釣ったアメマスをバケツに入れていた。        いつもの定位置にすでに一人。中間に入ったわたしはまず4番の軽いロッドでアメマス を釣ってみる。軽くて快調。15から20cmのアメマスがヒットする。もっと小さいの もいる。そのときふと、無益な殺生にならないようにと祈りの気持ちがわく。7時半、湖 畔よりの沖合い50mで、これまであまり見たことのないアメマスの猛烈なライズが起き た。数10m程度のエリアだけなのだが、20cmオーバーの大き目のアメマスが空中に ジャンプする。ひっきりなしに。カゲロウか何かがハッチしているのだろうか。      ロッドを変えて手製のセミフライにした。7時50分、もう暗闇直前である。いきなり シビアなあたりがあり強い引きがあった。尺にやや足りないアメマスが立て続けに2本き た。このサイズは出方がとてもシビアになり、明るいうちにはほとんどでない。ロッドを 振りながら、わたしはここで何をしているのだろうと自問した。そうだ、FFを通じてこ の支笏湖の自然と交わっているだけだったんだ。そう、釣果を気にしている自分は、ゲー ム性にのみのめりこみそうになる。そういう意味では、支笏湖のまずめ時、暗闇までの時 間は自然を体感するひとときだ。支笏湖の時間は神々との出会い。特に、まずめ時、そう 思う。                                      スピナーフォール                      7月3日(土)はれ  水温16℃。大崎は先客が一人だけ。多くのFFマンは川に繰り出していったようだ。夕方 6時過ぎに着いた支笏湖は初夏のまっただ中にもかかわらず、アメマスのライズも少なく 湖面に飛び交う虫も少なめ。#4ロッドで始めたが、食いが鈍い。そのうち、メイフライ が出始めた。突然急降下して着水するスピナーフォールをし始める。数は増えてきたが、 ライズは相変わらずない。7時半過ぎ、赤いカディスにもじりが見えたのであわせると、 引きが弱く、なんと25cmほどのウグイだった。ニジマスのライズはゼロ。彼らは今、 どの辺にいるのか。オニヤンマのヤゴ、カワニナなどはまだ見えない。        
 
ギンヤンマの終わり         8月28日(土)晴れ、強風、水温20℃  14:00-16:00 久々の支笏湖。もうギンヤンマの乱舞が終わり、湖面を飛ぶトンボの影は少ない。アキア カネも多くない。花アブ、チョウ数種、キセキレイ、ウミウ。浅瀬の石にはカワニナが残 っている。昆虫や水棲動物が岸辺に繰り広げる夏の渚の大競演は終わったようだ。水温は まだ20℃ある。                                  かつてよく通ったAポイントにきた。ライトタックルとヘビーと。 ギンヤンマは寒そう。イタドリの花が満開。  風が強くて湖面が波立つ。ウインドブレーカー越しでもちょっと寒い。ライズなし。ス トリーマーで水面下を引くがあたりなし。                      台風のあと、見知らぬ生き物と出会う          9月20日 曇り 午後2時半から4時 台風の爪あとを支笏湖道路=国道 276号沿線に延々と見ながら、少し、フライどころでな いな、と懸念しつつヒメマス橋のポイントに着いた。見える先客 2名。わたしは降り口で ゆったりセミダブルにドライをつけて振る。アタリはもちろんライズもない。目当ての3 時半にも事件はおきなかった。静穏。隣のアングラーは岩陰で寝ていて,わたしが帰るこ ろ起き上がり大岩に乗ってきた。ササの変わった茎と、湖面に落ちた変わった顔のガガン ボもどきが神秘的で印象的。支笏湖は知らない生き物と出会う。 ササは白い葉と黒いヒル状の若い茎が特徴。ガガンボのようなそれは 顔が宮崎監督の「耳を澄ませば」の彫り物に似ていた

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