身近な林は美しく心地よくしなければ意味がない

NO.114
2021/04/03~


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なぜか、雑木林コモンズの原点を振り返る機会が多くなりました。筋道を忘れることなく、ぶれないでそこに戻って考える、そのもととなる一言は、「勇払原野の風土を共有する」という、パンフレットの冒頭で宣言してきた文言です。

もう一つは、美しい雑木林を創ること、再現すること。
そもそも、わたしたち市民が緑との接点を失ってしまったのは、身近な林が、汚く荒れて、見通しの効かない、ちょっと不安な、不快昆虫の巣窟になってしまったからでした。

もっといえば、そこへ行けば癒され、新しいアイデアも湧き、芸術の芽も生れるような、胸も膨らむイヤシロチではなく、真逆のケガレチになってしまっていることでした。

ケガレチをイヤシロチに変えていく林のガーデニングが進めば、必ず人々は林を見直す・・・。そして癒される場を求めて人は林を友にできる・・・。森林(の)美学(を求め)、森林(で)健康(になり)、森林(で)感性(を豊かにする)、これらの宝の要素を目の前の雑木林に発掘する必要がある・・・。

長い時間をかけてそんな実験をしていると思うのですが、さて今、それはどの辺まで実現できているのでしょうか。



行くべきか、行かざるべきか、My 里山的逡巡

2021/04/17 sat 曇りのち雨  8℃
abe-aki oyama kawai kusa tomik migita seki = 7 persons

■出かけるのを戸惑う天気だった


数日前から雨の予報で、雑木林に出かけるのは半ばあきらめていたのが、雨雲レーダを見ると昼頃までは持ちそうな様子。わたしの携帯には「今日の作業はありますか?」という主旨の照会が6つあった。

ほとんどが新しい会員だった。古い人はもう慣れたもので、エイヤと割り切り、やめたり、あるいは出てきたり。どうも最近はとりあえず出てくる人の方が多い。それほど、各地(苫小牧の白老寄り、マチなか、札幌方面、江別、厚真、そして地元遠浅)の天気が結構バラバラで、かつ、雨雲が消えることが多いために、判断することが難しいのだった。

だから、ルールは作られていないままである。つまり、「今日の作業はあるのか、ないのか」の判断を事務局はしないことにしてきた。唯一、ネットの掲示板に、仕事の段取りや天気概況などをアップするが、どっちみち、足並みは乱れるのだ。だから、各自テキトーに判断し、天気が納まるころに出てきたり、逆に早く帰ったり。テキトーは結構面倒である。

(ちなみに、山仕事する古老に「出戻り3分、〇〇8分」とか聞いたことがある。出面取りの日銭計算の不文律であり、〇〇の中は「雨」だったような気がする。雨で途中で帰ることになっても日当の80%は払ってあげよう、というものか。)

古いメンバーたちは恐らくそこを自己判断、自己責任にしている。わかりやすく言えば、自分の裏山のような里山に出かけるのと同様、山周りや山菜偵察も愉しいし、もし雨が降っても傘をさしてフットパスを歩くのも有りだから、基本、無駄足ということがない、ということだろう。

当然、独りで作業をすることも厭わない。独りの作業はわたしもかなり好きだから、平日の勤めをリタイヤしている当方はなおさら平日もくることが少なくないが、危ない掛かり木の処理などはしないように心がけてきただけである。

という訳で、行くべきか、行かざるべきか、これは、「My 里山的逡巡」と割り切りたい。豪雨でもなければやってくる人の方が多いこと、そして何か手仕事を見つけて片づけていく方も多い、ということだけは言えそう。里山はやることが実に多いのだ。換言すると、その細かい気遣いが、あたりを「里山化=イヤシロチ化」する。

■山持ち感覚の山案内

10時過ぎまで待ってから、育林コンペのゾーンや雑木林の小屋を見ていない新人のkawai さんを平木沼緑地に案内した。彼は大面積の社有林を持つ山持の、将来を嘱望された社員で、森林を所有者側の立場で考えることの多い、コモンズ内の稀有なひとりで、多分、コモンズの意味と危険さを一番肌感覚で理解してくれているはずだ。

案内の目的は、この秋以降、「自分の山」「My 雑木林(forest)」を受け持つか、現場を見せて打診することだった。彼の返事によっては、あらたに伐採届を出して11月から除間伐が可能なように準備するのだ。

「是非」、彼は即、そう返事した。後にもう一人の新人abe-aki さんにもメールで打診すると、こちらも即決のゴーサイン。kawamura さんはabe-e さんのゾーン、nakamura さん、urabe さんはわたしのところに合流する。

これで決まった。「苫東コモンズ」の派手なビブスを着て、一斉に山仕事をする風景がこの秋から見られる。



写真左=雨の中、残り少ない薪割りの小回りを掛け頑張る、migita-seki コンビ。
写真右=静川の小屋の階段にあったタヌキ?のフサフサの毛皮。棒でひっくり返すと、内臓など本体はなかった。正体は不明。

 


サクラマスのお昼

2021/04/10 sat 晴れ 8℃
abe-aki abe-e urabe oyama kai kusa nakam-f&s tomi-k&m migita seki = 12 persons

■薪割りにサクラの小宴





雑木林のフクジュソウが終わり、ナニワズが咲き始めた。サクラにはあとひと月近くあるが、一足先に家の中で開花した大島山林のサクラの切り枝とともに、サクラマスが届いた。サケ・マスの専門家 urabe さんのご子息(学生さん)が春休みを利用して日本海に大遠征してキャッチしたサクラマスだ。「蟹工船ならぬ鱒工船で送り出した独航船」からの冷凍便が届いた模様。素晴らしい親子のコンビネーションだ。

サクラを配して1枚、浅い酢飯に盛りつけて1枚、これを nakamura さん差し入れの「伊勢海苔」で手巻きずしにしたり、生チラシ風にして頂いた。アニサキスは−15℃以下で2日冷凍すれば死滅するなど、安全な食べ方のミニ講義が、いつしか食当たり自慢となって完食。鱒の筋子の醤油漬け、アラ汁も。早朝からの仕込みにも感謝しつついただいた。

■遅ればせながら、ユニフォームのビブス着る



今日から、懸案だったユニフォームのビブスを着用した。フリーサイズで1着1,500円。web で注文してデザインと決済のやり取りをして3日で山梨県は甲府市の会社から届いた。

これは苫東コモンズのフィールドの作業時に、わたしたちが土地のオーナーである「苫東」から信託を受けて活動していることを証明するものとして、計画していたもの。特に、育林コンペゾーンのように、一般市民も往来するところで効用を発揮する。日頃の活動においても、安全作業喚起の一環にに役立てたい。当然ながら、オーナーや地域からの信託を受けている自覚がついて来る。ビブスそのものは軽いが、責任はやや重たい。


延々と続く薪割りと風土共生の展望

2021/04/03 sat 曇り 7℃
abe-aki abe-e urabe oyama kai kawai kusa kuri nakamu-f&s tomi-k&m migita wada seki = 15 persons


■薪割りは行動的冥想


山仕事は、除間伐の伐採作業から薪割りに移行した。玉切りをする人、機械で割る人、マサカリで割る人のほかに、奥の林に置いてきた丸太を軽トラックで運ぶ人などなど。メンバー15人で昼のテントは過密状態に近くなった。

それにしても、単調な薪割り、玉切りは、傍から見ると、つらい「苦役」に見えることがあるが、その実、本人はどうかといえば、一つ一つの丸太の割れ具合、割り具合に工夫と力加減、安全の気配りが欠かせず、結果、「無心」状態になる。わたしはこれを行動的冥想と呼んできたが、岩登りなどの集中する行為のあと、心身がリフレッシュされることと似ている。だから、延々とマイペースで持続できるのである。ブッシュカッターの刈り払いも同じだ。心を病んだと思う人は是非、薪割りや、これから始まる薪積みに来たらよい。

■新年度「コモンズ休暇」の最初の試行「川エビ漁」はハズレ


昨年から、勇払原野の風土にもっと付き合おうとの趣旨で、「コモンズ休暇」なる息抜きを再開したが、今シーズンの手始めは「川エビ漁」だ。

2日前、試験的に遠浅川と柏原幹線排水路(いずれも安平川支流)に仕掛けたトリカルネット製のドウは、いずれも川エビを採取できなかった。

代わりに採れたのはウキごりとヨコエビ少々。魚類に超詳しいurabe氏によると、ウキゴリは産卵直前だとのこと。

大体様子はわかったので、試験に使ったふたつのドウは、本命にあたる勇払川の本流に移動してかけ直した。専門家urabe氏によれば、やはりまだ時期が早いらしい。これから時々見に行って、掛かり始めたら、別途製作するドウ8本を持って掛ける予定。早く、川エビのから煎りやかき揚げを食べたい。

これからフキノトウや浜ボーフー、スドキ、ウド、ワラビなど、勇払原野の春の恵みを、ひとつずつ丁寧にいただく愉しみは、格別だ。

■思いがけないところから届いた声

二つのオファーがあって、対応している。それを昼食事にミーティングととらえ、相談、意見交換した。ひとつは勇払川右岸の開発行為で発生した丸太の受け入れ、もう一つは苫東コモンズの活動に共感する支援。

《ドロノキ等の丸太》

先日来、大量に届いてしまった丸太の扱いを思案しているが、3/24の記事に書いたユニットをどう自賄いし、余る材をどう処分するか、昼休みにメンバーに問うた。

なんとなく、相場感覚として、一山のユニット0.5立法を2,000円あたりでどうだろうと相なった。ざっくり1立方mあたり、4,000円、1棚相当の丸太ユニット(丸太と割り薪では違うが)2.7立方mでは、10,800円だが、約5ユニットとしてちょうど10,000円ポッキリと端数処理か。

これをまず会員の薪ユーザーが最低1棚、焚き付け用などとして購入する方向を提案した。ソロ・キャンプファンなどへの分譲の呼び水である。このためには、玉切りのソーチェーンを摩耗の少ないものに付け替え、その準備も必要だ。6月の頭前後の着手にあわせ、段取りを進めていく。

(参考)

近傍でもっとも入手しやすい薪屋さんは白老の大西林業ですが、大西さんの丸太状態の薪材(長さ30cm)は、1立方mあたり、ナラ薪は、18,500円(税込み20,350円)、広葉樹ミックス17,500円(税込み19,250円)
。だから、これに比べると、はたして現在の予想価格は妥当か、一考の余地あり、か。

《大手会社からの自然共生活動支援のオファー》

数日前、世界的に取り組みが進むSDGs (susutainable development goals 「持続可能な開発のための目標」)をここ胆振で実現するために、この企業が取り組む地域活動の一つとして「苫東コモンズ」の取り組みにフォーカスを当てたとの話が舞い込んだ。打診の段階であるが、これに対して、前向きに検討しようというおおよその合意も昼のミーティングで得た。

詳細の企画はこれからだが、考えられるキャッチは「〇〇〇は勇払原野の雑木林保全活動を支援しています」「コミュニティ・フォレスト『大島山林』の森づくりを応援」的なもの。このようなコンセプトをゴールにすれば、様々なことが可能性として挙げられてくる。ここはひとつ、若い人のアイデアも聞きながら、うまく進めたいもの。

振り返ってみれば、苫東コモンズは、地域の片隅でコツコツと風土に向き合って良かれと思う雑木林の保全に取り組んでいたので、世間の関心があるのかどうか、マスコミが取り上げるかどうかなど、あまり気にしてこなかった。

このたび先方は、ホームページをみて「なかなか芯のある活動をされている」と評価してくれたようだ。加えて、担当の方は、特に薪ストーブに関心が高いようなことも、親近感が持てる。苫東コモンズのパンフレットのタイトルは、「勇払原野の風土を共有する」としてあるが、この軸がいよいよ生き、膨らむ時が来るかもしれない。