気象災害という「自然」とどう付き合うか

NO.111
2020/07/04~

7月4日早朝のニュースは熊本あたりに未曽有の集中豪雨が続いていると報じていて、最も大量の雨が降っているとされる地名の中に、デコポンを作っている山仲間のマチを見つけました。1日で500ミリ近い雨。生きてるか、無事かとSMSでひとこと発信して、一方でニュース検索を続けています(7/5 朝)。

つくづく日本は気象災害が多い国だと誰しも気づかされてきましたが、近年は特に、地震、大雨、台風の被災と復旧の繰り返しで、その合間に政治と経済と娯楽や学びや観光がある、そんな感じにも見て取れます。そしてそれはこの国の離れられない宿痾、歴史なのでしょう。さらにそれは土地の生産性や多様性、さらに文化性、精神性などと表裏一体になっているのでしょう。

それに、日本各地のローカルな風土には、各々に脆弱な部分が多少なりとも含まれているのではないでしょうか。その弱みを突いてくる災害が、幸い往々にしてスポット的なのでよそは免れることができ、そのスポットを周辺地域や国がサポートしてきました。だからわたしたちは心のどこかで、明日は我が身、となる可能性を感じて今を生きているような気がします。コロナ禍はこの国の脆弱さをついて、スポットではなく全国に広まってしまいましたが。

今月初め、樽前山のふもとでまだ整理も復旧も行われていない台風被害地を見て、そしてわが勇払原野で頻発する風倒木被害を頭に思い浮かべながら、気象災害が起きるのもまぎれもない「自然で」あり、それを粛々と受け止め、サイエンスとしてみる覚悟と感性を備えて時には「諦め」をもって付き合う必要もある、と思い始めました。年月をかけてたどり着いた小さな悟りです。放置するのも選択肢である…。意義付けと解釈はいくらでもできるものです。


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シカの電気牧柵を撤去し、濃いヤブに存在感

2020/08/08 sat 晴れ 林内は20℃ 外24~26℃
abe-e kusa tomik = 3 person   ほかmigitaさんと打ち合わせ、oyama さんは育林コンペ

■小面積皆伐後の更新、シカも嫌がるヤブになる?




シカの食害が今のところ、見当たらない。下左の最も大きなナラの萌芽は電牧を外して2か月、無傷で経過し、一方、雑草の伸びで電牧に触れるために漏電が続いていた。

そこで、migitaさんの手間も考慮し、撤去と継続観察を決定、平日にmigita さんと seki ちゃんが電牧を撤去してくれた。そこには大成功の天然更新の結果が残されていた。ナラの萌芽はもちろん、あまたの稚樹のほか、キタコブシとホオノキが空に向かって伸び、その間を雑草が埋めている。わたしの目から見れば、「シカも嫌がるようなヤブ」である。

しかし、シカの梶先生は、シカの密度が増えれば一夜にしてやられることもあると警告する。きっとそのとおりなのだろう。だが、シカの密度は高くない。だから、恐らく大丈夫だろう。

伐採された広葉樹の更新のエネルギーたるや恐ろしいものがある。ワシワシと伸びている。30m四方で小面積皆伐したのが、おととし平成30年だから2シーズンを経過、得られた結論は、「小面積でも皆伐すれば萌芽更新、天然下種更新(実からの)ともまったく問題なし」である。もっと説明を加えるとすれば、「ヘクタール500本程度までの高い密度(林は暗い)なら萌芽更新は無理だが、・・・」が冒頭に必要だ。

静川小屋の周りの密度試験、おととしの柏原の受託調査、そしてこのシカ防除試験で、ようやく「雑木林コモンズ」や「コモンズ林業」の更新の要諦が、やっとわかって、体に染みついた気がする。頭でわかったのとはちょっと違う。ここまで半世紀。

■低気圧の大風の被害




7日の未明から、台風4号崩れの低気圧が北海道各地に風と雨をもたらした。胆振のこのあたりでは台風とは言えないまでも、風速は20m近いとの予報で、自宅は夜明けの頃雨具を着てハンギングバスケットを仕舞ったほど。

今朝、大島山林に着いてすぐ、枝拾いがてら風倒木などがないか、歩いて見て回った。

良かった。倒れているものはない。しかし、落ち枝は多く、午前中だけでも写真のように地面に刺さった「ミラクル落ち枝」だけでも30本はみただろうか。これは、わたしが勇払原野の奇跡と勝手に呼んでいる面白い現象だ。

意外と目立ったのはクルミ。至る所に、と言っても旧住居跡近くが多いが、随分な量だ。

わたしは右下の写真のステッキを車に積んでいる。これは枝拾い用のボッコ(棒)で、もう20年近く愛用している。軽く、先端のカギ型の二股が、落ちている枝を引っ掛けるのにちょうどよく、反動をつけて林の中にポイと投げやることができる、散歩の友である。

■刈り払いは2ラウンド目の2日目



abe-e さんは薪周り、tomik さんとわたしはフットパスを刈った。来週はお盆休みで、その次の22日で全線を網羅したい。

今日も小径に生えた実生のナラの稚樹をあまた刈らざるを得なかった。フットパス上で1m四方を見当つけて稚樹を数えると、15本から20本近くある。植林はヘクタール3,000本がこの地域の標準だが、フットパス上では15万本から20万本/haの勘定になる。先週、衆議一決した通り、「林道(フットパス)は苗畑」なのである。

ちなみに広場のナラの苗畑には、ネットの中に子ジカの足跡があった。

午後、わたしは静川の小屋周りを刈りに出かけた。幸か不幸か伸びは今一つで、今日刈るにはもったいない。22日に持ち越そう。そう思ったところにoyama さんが育林コンペの作業から戻って来た。

ベランダの屋根に蜂が巣を作り始めた。一方、小屋の内部はなにか腐った匂いが立ち込めている。ヘビでも死んだかと二人で探してみたが、1階、ロフトとも確認できなかった。

小屋の内部でヘビがよく脱皮する。脱皮に失敗するときがあるというが、それであろうか。


2ラウンド目の刈り払いへ

2020/08/01 sat 晴 23℃
bae-e oyama kusa tomik & m = 5 persons

■草の伸びは驚くほど早い



10日ほど前、土地のオーナーが草地をトラクターで刈ってくれたあと、先週は薪小屋前、薪周りを少々刈った。そのあとはもうしっかり、伸びた。tomi-k さんが大きな広場のアクセスあたり、abe-e さんが薪周り、わたしはその双方をアシストがてら、ドロノキのフットパスの接続部を手掛ける。これで町内会の刈り払い跡とスーッとつながる。

ただ、フットパスの刈り払いを今やるのはちょっともったいない感じだ。光が入る入り口部分は伸びているが暗い内部は伸びが小さく、まばらだ。全員着手は8月22日が妥当か。有難いことに、蚊がゼロ。



林内苗畑の歩留まりは8割近くになったが、畝4本のうち3本はまだ草ぼうぼう。tomi-m さんが崩壊薪修復の後に、草取りを申し出てくれて一畝完了。のこり2畝は明日セキちゃんがやってくれる。

oyama さんがナラの実生の列を発見(上の写真右)。確かに植えたようなそろい方だ。oyama説では、いったん薪小屋の屋根に落ちたものがコロコロと落ちたためだろう、とのこと。なるほど。

ちなみに、林内苗畑は作ってみたけれども、フットパスでこれほど大量の実生苗が供給されるのであれば、フットパスが苗畑代わりになる、と衆議で一致。今日の刈り払いでも、おびただしい実生苗を刈った。

「フットパスは苗畑である」。



薪周りは、薪の裾部分も含めて刈り払い完了。かなりすっきりした。お昼、migita さんが大きなキャベツとミニトマトを持ってきてくれて、参加者で山分け。

■コロナ対応とシカの電牧、コモンズジャケットなど、打ち合わせについて

朝一番、まずmigita さんと町内会関係の打ち合わせ、二つ。本州で収まらないコロナ禍の対応である。

①9/19予定のキノコ食毒判別会は中止。単純にメンバーのキノコ採りの日とする。
②11/16の瀧澤ドクターの健康講話は高齢者の懸念を背景に中止とする。


さらに、

③シカの電牧のメンテナンスがmigita さんに過大なしわ寄せが行くので、電牧を外して継続観察へ。雑草の伸びで漏電が続いていることと、電牧を開放した萌芽切り株が無被害であることが背景。

昼の懇談で、今後の林の保育手法について意見交換。今季は近間のツル切り除伐が中心のため薪の丸太はあまり出てこないことを受けた補完的対応。、9/19のキノコ採りの際に、

④風倒木と根アガリ木の調査もかねてマーキングすることとし、ルーティンの除間伐のほかに、見つけた人が原則責任をもって伐倒、採材(複数人協力もOK)すること、材は2月、スノモで集材に向かう。

このほか、主たる除間伐が一段落したので、これからは散発的に風倒木処理が比重を増すが、静川を含む林道やフットパス沿いの処理材だけでも、薪ストーブ愛好家にとって、重要な燃料に目される。そのため、

⑤風倒木発見者が丸太処理を行うか、薪焚きメンバーに連絡をとって、速やか、かつ効率的にに対応。

これを外部の通行人に明示するため、


⑥背中に「雑木林保全、または美しい雑木林を!または林のパトロール隊(サブ=小さく)」「苫東コモンズ(メイン大きく)」と書いたジャンパー(ジャケット/上の写真右))を苫東ウッディーズ分、オーダーする。胸には個人名を書く。必要によっては協定により土地所有者に委任されていることを告知する。色はヘッドギアと同じ系統に。





以上の①~③は即、対応、④~⑥は素案のたたき台段階。

7/26の日曜日、育林コンペのあたりで大きなヒグマの足跡が発見されたので、tomik さん、ouama さんと行ってみた。水たまりはすでに消え、通行者のタイヤの跡ばかりで確認できなかった。

森林の所有と管理について

2020/07/27 mon 雨

送られてきた同窓会誌の中に、若い同窓生(林野庁勤務)による森林の所有に関する投稿があり、現在担当する森林経営管理制度にふれながら、制度を作る側の視点を述べているのを実に興味深く読みました。

その中で、所有者不明土地問題(現在九州の面積ほどあるらしい)について国交省は低未利用や所有者不明土地の利用管理に、地域コミュニティや公的主体の参画を検討していること、また、「現在の潮流は森林を所有したくないという所有者に対して、行政側が管理を促す、あるいは管理を代替するという潮目を作っているところ」と述べています。

これはまさに苫東コモンズの問題意識とも大いに重なる視点であり、苫東の所有者が肩代わりしてほしい(たとえば会社が森林公園として管理しているつた森山林)願望にも沿っています。「森林については資産価値以外の価値についてもしっかりと評価されるべき」としており、まさに同感。

もう不動産バブルは来ないから、地域コミュニティの環境質の向上とか、ミニ森林公園として開放することを社会貢献として評価を与え、誇りが生れるような流れが必要ですが、このあたりが実はさっぱりです。住民のほとんども無関心、という背景もみのがせないでしょう。

制度を作る人、地域に住む人、上からと下からのニーズがかみ合いそうでかみ合わない現状では、自ら価値観を育て固めて鼓舞しながら満喫するという、本当の自己満足の道が正解でしょう。
それも大事な潮目づくりです。


霧雨のソロワーク

2020/07/25 sat 18℃ 霧雨
solo-work 打ち合わせ with abe-e

■林内苗畑、意外な健在




朝から濃い霧雨、雨雲レーダーには雨雲の表示なし。こういう時は出かけるに限る、と向かった遠浅には誰も来ず、所用で作業はできない、と連絡のあったabe-e さんだけが頼んでいた記念誌の校正原稿を持ってきてくれた。3回も見てくれたようで、さすがに丁寧な書き込みの跡があった。感謝。そこでしばらく少しアヤシイ世界などをテーマに歓談し、散会。

ドングリの山取り苗の苗圃は、枯れた葉っぱの脇から新芽が出ているものも多く、結果、活着率は80%以上かも知れない。それでもシカ試験地を囲む林道で40株ほどのナラ苗を抜いて、4本ある畝のひとつに、スイバなどの雑草を抜いてから植え込んだ。

北大の松田彊名誉教授にアドバイス受けた林内苗畑の実践であるが、これほどの実生苗が現地にあるということは、もし上木がなくなってギャップが出来たら、林床の地拵えをして裸地を作り天然下種更新を促す、というのがベストかもしれない。


■里の山仕事はいつも盛り沢山




シカの試験地はそろそろ電牧を撤去してもいい頃かなと思案している。春、電牧を外した一角のナラの萌芽枝は無被害で3m近くに達していて(上左)、最も大きなものは予想に反してホオノキ(下右、最高約4m)群である。電牧の外の萌芽枝で食べられていたのはイタヤかえでで、食痕はウサギのものだった。この撤去の件はmigita さんにあえたら相談しよう。東京農工大の梶先生は、シカの密度が問題であり、「来るときはどっと来る」と言っている。

電気牧柵の南側に、枝が積まれてフットパスが閉塞している箇所があり、スノモや軽トラが通れないので、必要最小限の離隔を撮るために、大とびで腐った大小の枝を移動させた。付近にはチェンソーで切らねばならない倒木や切り株があるので、もう一度出直さなければならない。

■霧雨に濡れた雑草は刈りやすい



予定した小さな手間仕事が片付いたので、刈り払い機を出して、薪小屋前とテーブル周りなどをワイヤーで刈った。できるだけワイヤーを伸ばしてバリバリと刈るのは気持ちがいい。雨に濡れて頭が重いことも若干刈りやすさにつながる。

今週、苫東さんが広場をトラクターでかってくれたが、薪棚や苗圃など施設周りまだ放置されたままなので、刈るべきところはたくさんある。フットパスも伸びている。行動的冥想のつもりで来週も刈り払いだ。

ちなみに、国内のコロナ禍の鎮静化は期待できない。この秋に予定していた、町内会とのキノコの研修会、健康講話は、高齢者が中心になることを考慮し、中止を庭園の予定。


林を見る感性と表現

2020/07/24 THU スポーツの日




「林の入口あたりの雰囲気がとてもいいですね」。こんな風に林を表現する珍しい人に、先日久々に出会いました。

再び思い出して、道新野生生物基金モーリーNO.19(2008)を本棚から探し出してみました。原稿の依頼と同時に里山風の画像も、と編集者に所望されたのでつた森山林と静川小屋のものを出したところ、それらが表紙とグラビアに選ばれたことはすでに紹介済みですが、ざっと100年の間、民間がコツコツと手入れして育てた雑木林が評価されるのは、関係者の一人として、人知れずうれしいものです。

昨年もドイツの女性に「ドイツみたい」と評されて励まされました。感性のアンテナがピピピと反応して言葉にされる方が時々いらっしゃるようです。

この山林の、シイタケ小屋が撤去されたあたりのハルニレ林も、明暗の対比がよく深みがあり、しばしば画像に収める風景です。(注:モーリーのわたしの原稿のタイトルは「里山とフラジリティ」)


ハスカップに引き回され明日のコモンズ再考

2020/07/18 sat 曇り時々晴れ 19℃
inaba oyama kusa kuri nakamura(p) nakatsu tomik & m migita sasaki(p) seki okada(p) takahashi(f) kisida kodama satoh-kimi(p) hamanaka(p) etc, = 30 persons

「おい、コラ」「立ち入り禁止だぞ~」の普通の世界へ


NPO苫東コモンズの恒例の夏のイベントとなっているつたもり山林のハスカップ摘み。いつもどおり、内輪の関係者に 6/22 にメールで案内し、参加を楽しみしている旨の返信も、多々早々に頂戴しました。

ゲートを開ける30分前に入口に行くとすでに見たことのない車が一台止まっていて、ハスカップ畑に行くとさらに一台があり、奥で何か声が聞こえます。

やがてこれまでにいなかった監視人と名乗る人が来て、もう一人の方は苫東ウッディーズWさんの知り合いの方。監視の人によれば、「ここは一般の人は立ち入り禁止である。今般、無断で採りに来る人がいるので監視している」「あなた方のことは何も聞かされていないので注意していたところ」とのことでした。

で、怪しまれ聞かれた方は、事情もよく知らず、NPOのWさんのことしか言えないので、疑問はあまり消えぬままやりとりはストップ。監視員は当然わたしをWさんと勘違いし、「Wさん、、、、」と呼びます。わたしはていねいに自己紹介して事情を説明し、故事来歴やわたしがこのハスカップの移植事業の担当者だった(40年ほど前)ことなど、余計なことまで語りました。会社の偉い人の名前も出して、こういう時によくある常套手段、精いっぱいの見栄を張って見せるわけです。こういうのって、結構疲れるのです(-_-;)

一応、これで事なきを得たのですが、そんな事情があったせいでしょうか、入口のカギが番号キーに変わっていて、カギは必ず閉めること、番号は口外しないでほしい、などと言われた後に彼は現場を離れましたが、作業担当の上司に連絡したと見え、一時間後に現場責任者のKさんが休日なのにもかかわらず軽トラで飛んできました。

再びことの次第をお話し確認しましたが、当方の予定は全員に徹底されていないようでした。時は経ち、土地所有者の職員がかなり入れ替わり、わたしの薄くなっていた人脈もほぼ途切れそうであることを痛感しました。

ハスカップ摘みに参加する関係者は、いつものことと恒例イベントを楽しんでいる間に、環境は大分変化し、これまでのやや特権的な排他的利用の恩恵は、そろそろ終わりかねない・・・。そんなことも覚悟しなければならない、いわば「普通の状況」に戻ってきたようです。

今般、コモンズの閉鎖的あるいは開放的利用を、ひとり比較検討していた時だけに、ちょっとズシリと感じる現実です。

■実のなり



ところで肝心の実はどうだったか。

わたしはカギの開け閉めで、入口と現場を何往復かし、入口で待っていたりしたために、採る時間はほとんどありませんでしたが、ざっと見るところ、まだ誰にも採られていない大豊作状態でした。

残念ながら、実が小さいのですが、糖度は抜群に良く、これは先日お邪魔した厚真の農家も同じ。シーズン初めの日照不足と低温が効いたといい、実の大きさは半分、収穫見込みもほぼ半分、との話をしていました。

ただ、味は抜群で、プロの栽培物もつた森山林のものも、これまでのベストの味でしょう。白老のMさんも、こんなおいしいハスカップは初めて食べた、と言っていました。

ちなみに写真右は、摘み始めて2時間弱、会員Hさんのトランクにあったストック。午前11時ころのこの写真は直径40cmの大鍋。氏は昔から、毛虫もクモも葉っぱも枝も、とにかくがむしゃらに採ってきた方で、言わば粗製乱造型。奥さんは同じ大きさの鍋に同量をきれいな状態でストックしています。

このように頑張る方のほとんどは、娘家族、息子家族、友人知人、親への分配を口にしています。この場所のこのイベント日の独占は、だから大変な魅力なのです。

■来年春で薪分譲をやめる衝撃的話もさりげなく

薪会員のNさんは昼過ぎまで採って広場に戻ってきました。毎年採りに行く長沼の農園がコロナで閉鎖になったために渡りに舟と初めて申し込みやってきたのですが、思いがけない大収穫に驚いた様子です。収穫量も少なからず、いやかなりあります。

バナナで昼食をとるご夫婦に、丁度良い機会と薪分譲の終了を告げました(3人目)ところ、予想通り素直にびっくりされました。やっと安定的供給元がみつかりここ3、4年ほど順調にやってきただけに、当然と言えます。ただ、わたしたちの高齢化を理由に述べると、すぐ同情の表情に変わりました。

で、衝撃的な話から早速頭を切り替え、次善の策探しへと話題が移ります。NPOの薪ストーブ利用者が、間伐作業に最低ある日数稼働し、そのほかNPO財源用に何日か稼働している状況を話すと、「実は分譲してもらうだけでは申し訳ないので、自分でも作業を手伝いたかった」とおっしゃる。

それでは、といくつかの可能性ある方法を話しました。Nさんは環境保全に関する日本を代表する専門家の一人で、「コラ」でヒグマを追い払う、あのNHKドキュメントの際にもユネスコの専門家に日本側代表として随行していましたから、気づいた方もいるはず。

しかも、森林科学と森林経営、環境経営にも精通しています。森林の保育を考え、薪生産に関わって、かつ薪ストーブを利用している方は今のところわたししかいませんから、力強い同胞になり得ます。ご夫婦とは薪ストーブライフの交歓もしていたので、事情の理解はスムーズでした。

で、今季の秋以降、先生の余暇時間と相談しながら、チェンソー研修やわたしの育林コンペ・フィールドなどを手始めに、前向きに様子を見ようということにしました。

■これからのハスカップを担う新しい世代現る

夕方、『ハスカップとわたし』で協力してくれたKさんが一日の締めくくりにあわただしくやってきたので、静川の小屋のテラスで4時過ぎまで、彼女が関わる昨今のハスカップの話を聴きました。

行政がらみで入手したハスカップの苗木が実は十勝産だったことから、できれば地元苫小牧ものを、と一部で動き出したことは複数の方から聴いていましたが、挿し木苗作りが不調で、企業などが移植したハスカップの衰退も問題になっているようでした。

わたしは直観的に、この小さなプロジェクトは今のやり方では求心性がなく死に体にあると思いました。それに、ハスカップの挿し木や元気にする技術は40年前にすでに出来上がっており、関係者にとって言ってみれば終わった話です。知らないのは「大変だ」と危機感を持った方々だけだと思いますが、必要な人は、勉強し体験し、その域までまず達する必要があります。

こんな話をしながら、目の前のKさんらが、これからのハスカップを担う新世代だとしてきたわたしの予想と期待は大体は当たっていたなと思います。ただ、かつて緑化が盛んだった造園バブル期に比べて、いかにもスピード感がありません。

「ハスカップは地味だから、だれかエネルギーのある人が引っ張らないと仕方ないんですよ」。
地味なあまりか、いつの間にか熱が冷め、とかく空騒ぎみたいに終わるようなこともあった過去のシーンを思い出して、変な慰め方をしてから、畑に戻りハスカップ資料採取に付き合って、ようやく散会。

朝から晩まで歩き、語り、すこしコモンズの行く末を心配したり展望したりして、なんだかすっかり疲れた一日でした。歳かな、と少し気づいて9時過ぎに寝て、一気に9時間近く眠りました。久々の快挙です。


北欧の名著「薪を焚く」との対話Ⅲ

2020/07/14 tue 曇り 21度




やはり本書が名著であると思わせるのは、次々と北欧の薪焚き人でないと生まれないだろう薪の名言がでてくるからです。薪割りにたっぷりページを割いた後、次には薪棚について好みや経験知が披露されていきます。

『ウォールデン 森の生活』のソローの引用は次のとおり。
「人はみななんらかの愛情をもって自分の薪棚を見つめます。わたしも窓のすぐ外に薪を積み上げておくのが好きで、薪割り台は周りに木くずが多いほど好ましく思いました。この薪づくりがいかに満足のいく作業であったかを思い出させたからです」。



これは確かにソローの言う通りです。静川の小屋は窓を開けると、乾燥した薪が取り込めるよう窓の下に積んできました。

また、次のページにはこのようなくだりも出てきます。


「薪棚は眺めているのも愉しいが、ここではなによりもまず、できる限り薪を乾燥させるという現実的な目的がある。含水率にしろ、見た目にしろ、薪の最終的な質を決定するのは薪積みだからだ。そのため薪人の多くは、ここでの作業を二段階に分けている。まず屋外で乾燥させ、秋に薪小屋に移すのである」。

さらに、「お年寄りの守る古い掟がある。生の薪はネズミがその隙間を通れるほど緩く積むべし、ただしネコがネズミを追えるほど、大きな隙間はつくらぬように!」。

先日運んだ風倒木は、直接自宅に運び込んで割ったので軒下では本当の乾燥にならないだろうから、もっと隙間を開けねばならない(右上)のですが、二度積みする暇がないので、今年はもう仕方がありません。

本書との最初の対話履歴は、「2020 日々の迷走3/26」、そして2回目は雑木林だよりの 6/22 に書きました。自宅の薪割りは実はまだ続いていて、そろそろ乾燥に適した置く場所が無くなってきたので、異形の薪(最初の右上)をすこし移動してスペースを作りました。

この異形の薪などは、北欧の薪焚き人は非効率で排除すべきものの極みとしてきっと敬遠するのではないかと思います。なぜなら彼らは美しく積むことにことのほか美学を感じているからです。一方、わたしはこれら異形の薪を見ているうちに樹木の凝縮を見つけて、そこにスピリットを感じるのです。

しかし、薪を作るわたしたちも少し賢くなって、割りにくい二股とか、節のある厄介な丸太は山に置いてくるようになってきました。ですから、こんな無駄な材はこれからは生産されないはずなので、今季は大事に燃やすことになります。

ともあれ、リタイヤ1年目の晴林雨読の日々に、この名著に出会えたことの幸運には感謝してもしつくすことがなさそうです。


植生と景観のコントロール

2020/07/04 sat 霧雨のち曇り 17℃
abe-e oyama kusa tomik = 4 persons

静川のフットパスなど


先週からフットパスなどの刈り払いの現場が、大島山林から静川に移りました。今日は4人で、ささみちのフットパスと奥のささみちを刈りました。この外、小屋周辺の里山景観モデルの2つのブロックも。これで静川は一段落し、来週は休み、再来週はハスカップ摘みとなります。




oyamaさんは落ち葉のトイレ「leaf-let」までの50m余りを、小さな路肩を刈り残してアクセントをつけていました(上2枚)。オシダとフタリシズカも浮き立たせています。

わたしは、予想以上に拡散したスドキの小群落を、刈り払い機を寸止めしながら刈り残しました(右下)。雑木林あるいは里山は、このような植生のコントロールを試すことのできる場。そして結果として景観がついてくる…。

恐らくこのような積み重ねのうちに、眠った埋土種子が新たに顔を出す可能性もありますし、知らず知らずのうちに、正体不明(いや、不明でなく自明か・笑い)の里山景観もできてくるでしょう。

■里山は生き物たちの環境コモンズ



奥のささみちルートではシラカバの枯れ木に、巨大な穴がありました。クマゲラのしわざでしょうか。tomikさんは、ささみちにつながる林道わきで、オオタカのヒナ2羽を見つけたと言っていました。abe さんはテラスわきで、本体5cmほどのネズミの子を発見。テラスの下は相変わらずタヌキがいるようで、一方、この低温でヘビたちは小屋ではまだみていません。

里山は生き物多様社会を肌で感じる空間でもあります。色々な生き物とシェアする空間はつまり、ヒトを含む「色々な生き物のコモンズ」でもあったわけです。

作業が終わってからテラスで、この広大な環境コモンズをわたしたち高齢者がどこまで何が出来るかなど、意見交換。この余裕とトータル環境がたまらない。