さまざまな生き物と共にいることの意味をじっくり考える
NO.57
2009/09/05〜

スズメバチの失踪というか喪失というのか、
ともかく突如いなくなった頃から
小屋ができてからの生き物たちとの出会いを思い起こす。
500ヘクタールのひとまとまりの樹林地は
その周りをさらに1000ヘクタール単位の勇払原野が
囲んでいる。
小屋に展開するさまざまな生物模様は、
恐らく、勇払原野の底力というか「生物圧」みたいなものの
発露だ。
小屋という依り代を得て突如、結集してしまったような。



橋本聖子選手が練習した
ハイランドスケートリンク


さすがに公共施設はサインが
できているから安心


広場
森の散策をはしごする
2009/10/25 sun くもり 13℃


午前中に、休日の雑務を切り上げるとなんとなく外に出たくなる。携帯の待ち受け画面は樽前山神社が気にいっていてそろそろ交換したい頃、と考えたらフィールドはもちろん家から東の方角になる。しかも、苫東は昨日行ったから、と高丘の森林公園と北大研究林に決めた。

森林公園はサイクリングターミナルから、南の崖の方へ進み時計回りにターミナルへ戻ることにした。休日だが誰とも会わずに、落ち葉の小径を独占した。オテイネの広場あたりは、人を哲学者にするような佇まいだった。帰途、ターミナルに近くなると左手に広大な墓地が見え始める。本格的な森林は、霊園か廃棄物処理施設と抱き合わせが多い。森林の付加価値をそれらの施設の風評イメージが相殺している。

研究林は人がいっぱいだった。わたしは、駐車場から山の神林道?のほうに入り、一旦人のいないあたりを歩いてみる。神社の裏から斜面を登り途中のミズナラの大木の根元でセルフの写真を3枚。神社の坂を下って、川沿いに右岸の林道を北上し、帰りは左岸を戻った。
 
セルフは結構面白い         バイカモの群生する幌別川

大分上流に行ったとき、頭上の枝にハシブトガラが来たので手を差し伸べると、乗った。次いで、ゴジュウカラが2羽やってきて、同じようにのりそうだった。掌10cmで2度ホバリングして飛び去った。恐らくゴジュウカラはまだ虫に執心しているのではないか。



落ち葉a

落ち葉b

落ち葉c
ナビでフットパスを測量実験
2009/10/24 sat 快晴 13℃
  navi stick

遠浅樹林地は、樹木も太くなった一方で故損や倒木の手入れも行われないできたために20年前に比べて大分荒れた感じに見えてきた。そこへ歩くスキーコースなどの町内の人用のサインと新設のコースができてきたので、余計、混乱ができてきた。いわば、無政府状態といえるかもしれない。そのどさくさに、ゴミの不法投棄や、あやしい構造物なども出現。先日、荒木町内会長と全域を歩いたときに、道のルートを地図に落とすなどして、土地所有者と利用者のお互いのためにしっかりとプランを立て直さないと駄目だと思うようになった。

そこで北大のY教授が簡単なナビのセットを持っていたのを思い出して借りることにして、早速試運転をしてみた。衛生からの電波を記録させてgoogleのマップに入れるのである。北大の構内を移動しながら予行演習をしてみたら、アラ不思議、一瞬にして足取りがばれる。葉っぱのない11月に町内会と合同で歩くことにして今日はあたりをつけた。

紅葉はどうやらピークを過ぎたようで、パフォーマンスは樹上ではなく、地面の落ち葉に移り始めている。しかし、かなり快適な時期である、にもかかわらず、林を楽しむために訪れる人はもういないかもしれない。それほど、落葉期以後の雑木林の魅力的雰囲気は知られていない。


小屋の訪問日誌「雑木帳」を書いていると、手の甲に赤とんぼが止まる。ペンを休めてトンボをシゲシゲと眺めるとトンボの尻尾は呼吸しているように膨らんだりしぼんだり。やがて、飛んでいった。フットパスは時々座り込みながら深呼吸をしながら歩いた。大好きなツイン・ツリー(二股に分かれたミズナラの大木)では、超ひさびさにセルフタイマーでポーズをとってみたが、ただのアホのオジサンだった。


 


コシアブラの白葉はやはりいつものこれに叶わない。妖艶さがひとしおだった。




ふぉれすと鉱山

マスイチ(ウミネコノ家)展望台

つた森の入り口で山の神に参る

コシアブラの白い紅葉

間伐の際にモミジを残した効果
が出て林内は黄色と赤へ


その赤
意外な紅葉
2009/10/18 sun 曇り 14℃

17日土曜日は登別のネーチャーセンター・ふぉれすと鉱山でヒアリングをしてから、室蘭でタカを見るためにマスイチ展望台へ。一時間ほどの滞在でしたがノスリとオオタカが計30ほど。あいにく、他のタカには会えず、かつ、小鳥の群れにも遭遇はできませんでした。

渡りの準備をする鳥たちの風情を観察するのは実に興味深いもので、意外なことに、ミヤマカケスやヒヨドリなども群れ始めるのです。道内で越冬するものがいるから驚く向きもありますが、そういうことを総合すれば餌が少なくなる北海道の冬は、共存のために一部は本州に餌を求めると考えればいいのかも。

この渡りの前の結集は、安平川の河口でもしばしば見られるとのことで、小屋に行く前に寄って見ました。が、それらしい気配はありませんでした。その代わり、原野の秋色は目を見張ります。好天とはいえなかったこの夏でしたが、これだけカラフルな紅葉を見せてくれるとは誰が予想していたでしょう。
いつもよりメリハリのある紅葉だった


小屋の周辺もさすがです。
ゆったり散策して、午後のひと時をすごしました。
ノートを見ると原口さんが来訪された由。今朝、Nさんからの電話ではNさんも単身間ほろ場コースを歩いたようでした。



    
写真右は長老の「ワラヅカ」の干し物。おそらく、アイヌ
神謡集に出てくるロブチウオ、ことナガズカだと思う







苫東の雑木林。紅葉の
においがない


しかし、ところどころに

光のコントラスト。日陰の薪




上野ファームの正面の納屋

うむむ…、の小径

こっちは、丘に登る小径




鷹栖の犬ぞりルートと田園
田んぼは段々。棚田

路上でまず話は尽きず



旭川にて庭と田園を巡る
2009/10/11--12


10日の土曜日は、母校北大の造林学講座100周年の式典があり、午後から札幌へ。小屋へはその前の二時間顔を出してみた。紅葉にはまだ時間があり、それでも光線が微妙である。まぶしくもあり、陰はかそけく、弱弱しさがある。だから林の風情もちょっと違う。

10月11日(日)懸案の場所のひとつ「上野ファーム」へ。テレビ「風のガーデン」を作った上野さんのホームガーデン。コーヒーとケーキをいただいてから家内と庭を散策。枯れかかった庭は素敵だ。多年草と潅木がなんだかプロバンスのようなすこしいい加減なたたずまいであるのが和む。丘の上へフットパスがあり、数歩登るたびに眺望が変わる。丘の上からは大雪連峰が頂上を雲に包まれてあった。

その足で、低投入山地酪農の斉藤牧場を探して行って見た。雨粉(うぶん)というところ。なるほど、岩も多い斜面で、開拓酪農という名残のようなものが感じられた。まさに山際から山にかけてある。牛のひずめで耕し牧草地を広げていったという。

10月12日(月)
地域SNS「どっとねっと」のコアメンバー「きょうこワンさん」はマッシャー、そ、犬ぞり使い。パートナーのダニエルさんは、スノーシュウや犬ぞり、椅子、ドア、家、つまり何でも作る人。お邪魔記録をSNSに日記としてのせたので一部を以下にコピペ。


***************************
ささやかな我が家の旭川案件の最終日2日目は、鷹栖のきょうこワンさんへ。前夜9時頃、「勝手にいきますねえ」というメールを一方的に送っておいて、まさに3人勝手にお邪魔しました。3人目というのはは家内の山仲間の旭川在住のドクター。

鷹栖は素晴らしいところでした。段々畑の水田、低い山、それだけで
わたしは画像を切り取りたくなって再々車を止めました。聞けば、南の方には北大雪の連峰が見えるんですね。大雪がなくても十分誇るべき
田園風景でした。

予習が行き届いていたせいでまったく間違えることもなく、一行無事に、ワンちゃんの大歓声で迎えられました。30匹のド迫力、すごかった。

ダニエルさんもお迎えにこられて、ワンコたちのこと、犬ぞりルートのこと、
そしてそり小屋での力作の数々の紹介、そしてまた延々、オンザロードの
立ち話が続きました。

犬語をしゃべるダニエルさんに、犬たちの系統を聞いたら、DNAのスパイラル、ジェネレーションの話になり5世代くらいは軽くさかのぼるような感じでした。10mほど離れたところの黒い2匹は、アイヌ20%、それとたしかシベリアンハスキーとアラスカンハスキーが40%ずつ、というように。

いちいちすごいなあ、と拝聴。クラフトマンのダニエルさんの本物志向の
スタイルは、クラフトやログハウスなどを目指したことのある男にはヒーローのように映るのです。

とわたしは今、自宅の背中の本棚にある、「手仕事 イギリス流クラフト全科」と田渕義男の「森暮らしの家」「薪ストーブの本」を振り返りました。手ごたえのあるダウンシフターのような暮らし。ダニエルさんもお金ではない、そんな矜持をちょっと覗かせもしました。

ハーブティをご馳走になりながら、スノーシュウの材料、創り方なども
ちょっと聞きました。わたしなどはどうしても木の産地、種、特長、製法などを聞きたくなります。材はきょうこワンさんと直接材料を吟味しに製材屋さんなどに出かけるのですね。

外で、立ち話をしているとき、20年以上前、わたしが当時カナディアンログハウスのビルダーのあこがれでもあったアランマッキーに(に習った方に)ログビルディングを教わったこと=マギラワシイ(笑い)を伝えると、おお、と顔がほころび、実際の自宅はカナディアンのツーバイフォーだと告げました。実は地震はどうかと多少心配だというと、ダニエルさんはサンフランシスコ大地震で、数多の建物が倒壊したのにカナディアンツーバーフォーはなんとゼロだったと。
  
スノウシュー。編むのはなかなか大変だと。右はダニエルさんの小物クラフト。

いつしか、家内とドクターはきょうこワンさんと部屋の中で、わたしとダニエルさんは外の冷気のなかで。建築の話になったときのダニエルさんの語りは残念ながら聞き取れない言葉が一杯ありエヘラエヘラして流さざるをえませんでしたが、目を見て聞き入るうちに伝わるものは確かに手ごたえになってきます。そうしてあっというまに、ちょうど二時間。

再会を期してお別れ。次はそりの時期に。









昼飯のベランダ、午睡

斜め光線の中のしあわせ
「クリタケ」


紅葉直前のヤマモミジ









林の読書、小屋の眠り
2009/10/03 sat 17℃


9月の中ごろから、もうほとんど草が伸びなくなった。笹がフットパスに新芽を出すくらいで、それはそれでしのげる。そして下旬からは蚊が俄然少なくなった。朝、10度を切るようになったせいかもしれない。

先日は待望の、薪ストーブの火入れをしたし、ヒュッテンレーベン(小屋生活)を楽しむのはこれから。いつでも安らぐことのできるのは、ベランダやストーブ前の読書。そして、同じく、昼寝。雑木林を目の前にして多
少は蚊に刺されても、午睡のリフレッシュの前では些細なこと。薪ストーブの前の午睡も、なにか心身のこわばりみたいなものを、溶かしてくれる。

今日はクリタケがきれいに出揃ったていた。できるだけ小さいものをいただいた。クリタケはこれといった料理が思いつかないが、要は主体性がないわけだから、にんにくやカレーなどの風味をつけてワインの友にしよう。

大好きなミニ美瑛

帰途、千歳に行っていた家内を迎えに、ミニ美瑛の田園を通ったらとてもいい雰囲気だったので車をとめて写真を撮った。遠くで犬の吠えるのを聞いていたが、車に戻ろうとすると、いつの間にか3匹の犬が陰険そうな目でわたしをにらみ吠え、あるいは唸っている。じたばたしても仕方がない。よしよし、と自分にだか犬にだかわからない慰めの声を発して車にたどり着いた。人間、度胸だ。終いには犬のほうが少しすまないような顔をした。

*キャップに歯形をつけた動物はなにか



帰り際、駐車場にわたしのキャップを発見。先週、なにかの折に置き忘れたもののようですが、手に取って見るとなんと歯形のような穴がいくつも開いています。ナニモノが?




ここを登ったようだ 爪あとが
ある

アマガエルを撮るクルー

黄昏時のササ

スズメバチの巣を破壊したのはアライグマだった!?2009/09/26 sat 晴れ 22℃

小屋の前の、この冬に間伐したあたりにボリボリが出ている。これはしめしめ、とあたりをみるが、どうもあの一部だけのようだ。手入れをするとキノコが良く出る、ということは今回も証明された。
ボリボリとクリタケ

そこへ小山さんが歩いてやってきた。駐車場に先に止めていたのは小山さんだったのだ。北の方の「まほろば」のそばまで行ったようだ。小山さんは先週の「苫東環境コモンズ」のフォーラムにこられた苫東のファンだ。。これからの活動にも是非参加して欲しいとお願いしたら、快諾してくれた。

12時、そこへ映像クリエーターの北川さんらがやってきた。北川さんは、勇払原野の映像をここ数年撮り続けており、今年は勇払原野の関わりの深い人にインタビューして、数々の画像と共になにか作品に仕上げようと動いている。わが「B級自然」の記録者。ベランダで、一時間ほどインタビューを受けてから、フットパスを歩いてまたインタビューを再録した。越し方、35年に及ぶ勇払原野の付き合いをジ図らずも振り返ることになった。かなりいい時間であるとも言える。

小屋に戻って小山さんとスズメバチを襲うルートをシミュレーションしているうちに、小屋に向かって左側のニセアカシアの柱に、何かが登った明確な「ひっかき跡」を発見した。そこをたどってベランダの横木に至れば、巣は斜めの板沿いに到達できるのがわかった。新しく発見された爪あとと、あの時ベランダにあったフンを考慮すると、スズメバチを襲ったのはほぼ間違いなくアライグマだという線が強くなった。

斜めになった木洩れ日の中で4人、最後は釣りの話しになった。共通する趣味。アプローチは違うのだが、共有するものを真ん中に挟む会話は至福の時間である。

コナラのドングリは結構今年も落ちている



コースを歩いてみる

風倒はこんな風にある

鹿のわなのようなものを発見

うんざりするような放置

大島山林の風倒木を地図に落とす&初薪ストーブ
  2009/9/21(月)  くもり

午前、遠浅の大島山林に出かけ、この秋整理を始める予定のフットパス沿いの風倒木を調
べた。自治会の方も出てくれて一緒に蚊の猛攻に耐えつつ二時間、歩く。地図に記入して
いたわたしの手と指はもうブクブクになった。もちろん、頭も顔も。


大島山林は荒れていると思う。随所に風倒木あり、ツルにからまれたものあり、ゴミも捨てら
れ、シカ猟のわなのようなものまで、やりたい放題のような面も見える。所有者の眼差しの外
にある。これをなんとかできるだろうか。50年の食樹会の跡がこの山林を最も高配させて見
せているというのが皮肉だ。


立ったまま打ち合わせをして、近くのそばやさん「そば哲」で、野菜天ともりそばを。
庭があって、多年草がゆったりと育ててある。カントリー・ガーデン。隣はイタリア料理「ピアノ・
ピアノ」。これは次回の楽しみ。
 
イタ飯屋さんの前の庭        こんな風になっている

雑木林の小屋は室内が12度だった。喜び勇んで薪をたいたら途端に眠くなって小一時間を
熟睡。とても疲れが取れたような気がする。

今季初の記念すべき薪の暖



マスイチの展望台から

車の列とmidoさん

撮影写真を見せてもらう

同じく

帰りに寄ったわたしの好きな
場所「トッカリショ」

ハチクマの渡りを見に行く  2009/9/20  快晴

9/19(土)13:00〜16:00までは、わがNPO苫東環境コモンズの地元お広めにあたるフ
ォーラム。そのあと17:30からはその苫東で、長い間プロジェクトの番頭さんとして関
わってこられたTさんが、ほぼ40年ぶりに故郷の関東へ帰ることになったために急遽、
送別会兼壮行会。こちらの幹事と司会だったから終了後の雑事を済ませて会場に滑
り込み、旧交を温めているうちに、タップリ、飲むことになった。

で、あくる日曜は久々の二日酔い。室蘭のmidoさんに誘ってもらったマスイチ展望台
に向かう。頃合は7時発。悠々到着のはずが、高速降り口を間違って伊達まで行って
しまってロス。携帯でことの顛末を話してバックする。それでも約束の8時半に、予定
のコンビニ駐車場に到着。

マスイチ展望台は、すでに何台もの車が並んでいて、タカの集結をみる鳥類愛好家が
集まっていた。midoさんにそのうちの何人かを紹介してもらう。わたしは時代がかった
ニコンの双眼鏡とフィールドスコープを用意し、さらに安物のソニーのデジカメを首に
下げた。

タカ類は、探鳥のうちでもすこし厄介な代物。動くものであり、かつ遠い。わたしも苫東
のフィールドで幾度となく見てはきたがどれがどの種か、ということとなると全く自信が
ない。

「ボーズ山の右上!」
と突然Mさんの声。双眼鏡をのぞくと、なにやらノスリのような飛行が見えた。こんな風
にして各々が発見したタカを教えあう。こうして昼までの数時間、オオタカ、ハイタカ、
ハヤブサ、チゴハヤブサ、ツミなどをとらえることができた。midoさんは、ネットで話し
てきた「ハチクマ」
を見せてあげれないことを残念がられる。でも、このゲット感覚は、
フライフィッシングでいえばかなりの収穫に当たる。釣れない釣りからみたら天国だ。

朝から北よりの風が強く、わたしは程なくしてウィンドヤッケの下にフリースを着、赤い
カッパをはいた。話を聞くうちに、室蘭のこのあたりは、全道から渡りのために鳥たちが
集まってきて、かつ、春に本州から鳥たちが上陸するらしい。だから、色々な種類が目撃
されており、渡る蝶「アサギマダラ」もごく普通に観察されている。

T子さんに、展望台横のテーブルとベンチで「おでん」をご馳走になる。ノンアルコールの
ビールも。タカの渡り観察がこんなに楽しいものとは知らなかった。いろいろな未知の
世界を知ることができたこと、そもそもmidoさんにご紹介いただいたこともとてもラッキー
だった。この出会いに感謝、合掌。









小磯先生の報告

会場

パネリスト

苫東環境コモンズのフォーラム  2009/9/19  晴れ

会場のサンガーデンがある中央公園

9/19(土)13:30から、わがNPO苫東環境コモンズの地元お広めにあたるフォーラムが開催。
80部用意した資料が全く足りなかったところをみると、突如欠席したした人の数を、急遽、
当日申し込みで来場された方が25人以上いる計算でした。で、100人ほど用意した席は、パ
イプ椅子を増加。基調報告の小磯先生(釧路公立大学長)は、コモンズの意味、これからの
苫東におけるコモンズの位置づけなどを実にわかりやすく解説。

基調講演の元北大教授・辻井先生は美々川流域の保全計画を含めて、勇払原野全体と
いかに総合的に遊ぶか、という視点を紹介。

パネルディスカッションの冒頭、コーディネーターの小磯先生は、NPO準備事務局のわたし
(パネリスト)に時間をくれたので、何をしようとしているのかというおもいっきり現場的なこと、
NPOの考えられる課題などをかいつまんでお話しました。

観客の方々からは、前向きな、胸膨らむ内容だった、という言葉を聞きました。






裏山のススキのリース  2009/9/13  曇り

夕方、自転車で町内のウラヤマに出かけ、ススキを探してみた。ちょうど山の縁に開く直前
群落があった。折りしも、エゾヤマハギやハンゴンソウもあったがちょっと散在しているので
ススキで初志貫徹。藪に入るためすこし蚊に刺されたが、先週の雑木林ほどでない。

刈り取ってからまとめてリースに刺す。しかし、蚊が追ってくるので、ママチャリの籠に、スス
キの穂とハハコグサをごそっと入れて家に持ち帰った。そしてできたのがこれ。家を出てから
完成まで故一時間。これで数日は楽しめる。

夏の終わりの祭りだ。長老から、ボリボリが出始めたと連絡。長老はなにしてるの、と聞いたら
サケの燻製をつくっているところだ、と。
「そのうち、御馳走するからね」
「よっしゃ、待ってますよ。長老のはやわらくて塩加減もいいから絶品だモノ」


秋の祭りもしなくてはならない。


翌日はこんな風にフンワリと。どうやら乾燥すると開くようだ








駐車場から手稲山頂

小屋へのアクセス

ヒュッテ 地上2階地下1階



秋刀魚の押し寿司を朝に

手稲山のシラカバ 2009/09/12-13 小雨

昔の山の仲間が集まるというので、手稲山山頂直下にあるパラダイスヒュッテに夕方家内と出かけた。ウラヤマニストに徹してから新しい小屋ができたので、わたしは初の訪問。総勢20名あまり。クラブのOB/OG本人、あるいは配偶者同伴、海外留学生も混じってにぎやかである。にわか通訳はSさん。シェフの料理は、いつも「雑木林の小屋」と違って調理器具が揃っているので、品数も豊富で盛り付けもずっといい。メニューは下記。

前菜:クリームチーズ バジル風味(フランスパンを用意)
    トマトのブルスケッタ   
    オレンジサラダ
主菜:ポークソテー バルサミコソース カボチャサラダ添え   
    ホタテの香草いため パスタ添え
スープ:ブイヤベース
<夜食>おでん
<朝食>さんま寿司(パラダイスの周りの熊笹を使って)

 
同期のO教授の所の留学生 左は中国からのヤオ君

ドイツはライプチヒから来た身長2mのアンドレア君はブイヤベースの白子を箸でつまんで「これなに?」という顔をした。すかさずだれかが「卵の一種」。また、ホタテははじめて食べたようでその美味加減を絶賛。スキャロップという英語を知らなかった。香草入りのソースにフランスパンをつけてみんなできれいにいただいた。ピクルス入りのカボチャのサラダもお気に入りのようだった。

食後は地下で懐かしい山行のスライドショー、12時からは山の歌を少々。あっと気づくと1時半だった。

小屋の周りのシラカバが枯れ始めているのが気になる。伐採された跡のやぶ山で、所詮、森の風情はほとんど感じられない雑然とした林だが、幹は真っ白なのに枝の多くが枯れ始めている。石狩湾からまともに吹き上げる風の影響が大きいと思うが、何らかのストレスを受けているような感じに見える。そのストレスが寿命を縮めているのだろう。大きな枯死木をみるのは楽しくない。直感的に、この小屋の場所は良くないのではないか、と思ったほどだ。いわゆる、ケガレチ(気枯れ地)なのか。二日酔いも手伝って気分が重かった。

*今週初め(9/14ころ)、H教授からコメントをいただきました。今の林の光景は数年前の台風のもたらしたもので、それまではトドマツの生い茂る様相だったと。それで、納得しました。辛うじて残っているシラカバたちは、台風の揺さぶりで、倒れはしなかったものの、重要な根の細根部分がほとんど切断されている可能性があります。水分の供給と蒸散のアンバランスで急激に元気をなくして行くことはよくあります。

ひとつ上の先輩H教授が朝早くから洗面所を掃除していた。こういう光景にわたしはとても感動し、弱い。
「いつもこうして手入れするんですか」
「人がいっぱい来たときには、みんなに手伝ってもらうんだ」


なるほど。外回りのサビの修理の話も出ていた。わたしは今回は完全な客人に徹してただただ、食べて飲んで拝見するばかり。大勢で片付け掃除をして(わたしはまたもや客人然として先日のカヌーの動画を拝見(^_^;))、9時に集合写真を撮って三々五々散会。



今日の落ち枝は斜めもあった

これは初めて。直径5mmの枝
も一丁前に刺さっている

霧雨のような林。いかにも蚊が
いそう


野の花の群落

仕上がり

野の花のリース作り   2009/09/05 sat  曇り 20℃

もう20年以上も前のこと、カナダやアラスカを数ヶ月がかりで旅をしてきたばかりのHさんと、ある小さな追悼集会の準備をしたときに、Hさんは北米仕込みのリースを手がけた。わたしはそれを手伝った。場所は空沼岳の万計沼のほとりだった。そこで、遺影が真ん中に収まるような大きな野の花リースができた。秋の祭りのようだった。

それからずっと経って、ウラヤマニストになってから季節ごとの区切りには夏祭り、秋祭りだけでなく、冬の到来に気持ちを引き締める冬祭り、待ちわびた春の兆しを讃える春祭りをこじんまりと始めた。秋祭りはキノコの時期だったり紅葉の時だったりするが、野の花のリースを作るこのモードをすっかり忘れていた。この春、北大研究林で西川直子さんのアートセラピーを楽しんでいたときに、今年は是非大きな野の花リースを作ろうと決めていた。

先週小屋に来た折に、小屋の東のカラマツ林のすき間に、小さなアワダチソウ群落が見えたので、これだ、と決めておいて今日は園芸バサミをもって勇躍やってきた。が、何と言うことだろう。先ず、フットパスを一周してみたところ蚊の猛襲に遭ってしまった。ハッカのオイルを塗らなかった顔はボコボコにさされて、手で触るとでこぼこがわかる。こんなことなら、生き物と共に生きる自然のある生活なんてまっぴらゴメンだ!と叫びたくなる気持ちもわかる。そう時々思いつつ、自分はこの雑木林と四季を歩いてきた。

縁の下にしまっておいたリースを出してニオイヒバの枯れた葉をドラム缶におこした焚き火で燃やし、アワダチソウの群落に入ったところ、そこはまた蚊の巣窟でワンワンと蚊が湧きたった。蚊の猛攻に応戦しながらリースの片側3分の一もしないうちに気力が萎えて、小屋に戻り、防虫用のネットをかぶり園芸用のゴム手袋をし、ヤッケを羽織って再挑戦した。はさみで材料を大量に束にしてベランダに持ち帰ったあとは、焚き火の煙の中で花房をゆっくりとリースに差し込んでいった。

野の花リースは、ほんの一時しか鑑賞できないいわば瞬間アート。できたときが完成度満点、あとは劣化するのみ。花のピークは過ぎて花房の先端が枯れ始めていたのもあったから、ミツバチたちの蜜採集の妨害にはならなかっただろうと思う。

   
   ベランダはまさに花が咲いたように明るくなった

ちっとも夏らしくなかった今年の夏。初夏には「今年は蚊が少ない」と喜んでいたのを見事に覆した8月からの蚊の猛攻。今年の夏の終わりの祭りは、こうして一人静かに終わった。蚊取り線香を足元で焚いて、ベランダで本を読みながらしばしうとうとした。


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