中高年の山仕事、さあ、今年は何ができるか
NO.58
2009/10/31〜

年年歳歳、人も世も変わる。
しかし、2009年の世の変わりようは
個々人の記憶はもちろん、歴史に屈曲点として記憶されるはずだ。
ここで、わたしたちは何を総括して
これからの人生と社会作りにどう役立てるのか。

環境というもの、人間の幸福というもの、そして社会のさまざまなしくみ整備、
それら根幹に掛かる部分を新たな自由度と覚悟をもって
あたるべき時だと思う。
国民は税金が上がるといえばとりあえず選挙では
ブーイングを発し落とすのかもしれないが、心の中では、
今、本当にもっと安心な社会を欲していると思う。
そこに、そろそろ負担もいとわないというメッセージを
入れたい。



着手前の「苦労人」

作業後

大島山林入り口にて

手はず後、伐倒

引いて引きまくって落着。ミシミシと
動く音あり
二つの懸案整理
2009/12/30 wed くもり −5℃


今年もあと、2日。年賀状も買出しも大掃除も既に終わって今日はフリー。家人がまだ起きてくる前にそっと家を出る。つた森山林の山ノ神にお参りする。そして、まず、フットパス沿いの「苦労人カラマツ」のステージ作りに励んだ。

苦労人カラマツ、というのは、ささみちフットパスの中間にある、こじれにこじれぬいたカラマツのこと。苫小牧は、海のそばでもカラマツは育つが風衝形になり、時に風の集まる南向き沢スジなどに風衝樹形が現れる。苦労人とはまさにそれのことで、あまり多くの人がびっくりするので、「そうかあ、もっと見やすくこじれたカラマツに焦点をあてて周辺の木立とヤブを開いてステージを作ろう」と決めていたのだった。その懸案が、ついに年の瀬になってしまった。一時間ほどかかって、大分すっきりしてきた。

小屋に寄ってみると、軽自動車が一台駐車場に止まっている。どなたかがフットパスを歩いているようだ。小山さんだろうか。小屋のノートに年の瀬のメッセージを書いて大島山林へ向かう。

大島山林にはすでに安部さんと村上さんが、なにやらロープを出して算段していた。入り口の大きなナラの掛かり木を滑車で牽引して倒そうというもの。これも懸案のひとつだった。巻き上げると、ミシッときたが、安部さんがトビで地際をあおった頃から本格的にググッと動き始めた。ロープを張替え、再度牽引しようやくほぼ横倒しになった。そして、玉切り、大枝の切り落とし。村上さんは軽トラックで片づけを始める。

札幌ウッディーズ・安部さんは、今季、公園の正面と左側ルート入り口界隈の大技を決めてくれている。初回と次回はタモやキハダなどにからんだツルの大きな山だった。今回は、直径30cmを越えるナラの掛かり木。いずれも大仕事で、このちょっと面倒な仕事を片付けてもらったおかげで、大分雰囲気が変わってきたのは事実だ。だが、もとの林の有様が刻印された人でないと、具体的に気づくことは出来ない。大げさに言えば、社会や環境の改変なんて所詮そんなものかもしれない。

わたしは、池へのアプローチの両側を、いわば、これからの山林の「整備のモデル」として、風倒木処理と除伐の密度に気を配って標準地を作っている。一昨日、放置して風任せにしたトドマツは、運良く倒れてくれて、今朝、安部さんが既に玉切りしてくれていた。
玉切りされたトドマツ

2時過ぎから、天気は予報どおり細かい雪が降ってきた。ますます雪片が舞う頃、仕事をあがった。来年も良い年であることをお互いに祈りつつ、今年の仕事納めを散会。




こんなヤブと枯れ枝を…

こんな風に折りたたむ

端正なトドマツ林に近づいてくる 
みぞれ降るなか
2009/12/28 mon ミゾレ 2℃


雪はありがたい。雨なら作業環境が落ちてしまうのに雪は濡れるわけでなく、寒さをしのげば山仕事の支障は少ない。年の瀬28日は、田中林業で目立て用のヤスリを買ってお茶を一杯ご馳走になって遠浅に出かけた。

20cmほどの積雪があり、既に除雪車が入っていた。そのため駐車場にはちいさな雪だまりができていてスコップでかいだ。

駐車場から池に向かう正面アプローチは、大分、見え方が変わってきた。今日は、駐車場側の細い広葉樹をもっと抜くことにしたほか、倒れたままのトドマツの枝を払い、頭を抑えられたトドマツを思い切って抜いた。このトドマツは下枝がはっていたせいか、見え方がゴロリと変わった。林の風景を変えていく…。町の風景を変えるのは至難だが、林はなんとかできる。人生の醍醐味だといってもいい。

ミゾレが雨に近くなってきた頃、直径30cmのトドマツの傾斜木に手がけたところ、フィニッシュで幹が動きチェンソーのブレードが採られてしまった。テコを使っていろいろ試したがラチが明かず途方にくれてしまった。繰り返し動かしてようやく脱したのち、危険な中断切りで掛かり木部分をかわしてみた。が、幹がどちらに動くか、判断がとても難しく感じる。そして風も出てきた。ツルの部分を残して、一晩風に任せてみることにした。あるいは、この暴風で倒れるかもしれない。
無念、係り木のまま

今日も、腰に重い加重をかけてしまった。帰る頃から股関節が静かに悲鳴をあげ始めた。



ネズミの窮乏結果。軍手を
食べ始めた


雪の山林を歩くと、風倒木は
随所でますます痛々しい


木材標本を手に解説するI青年

会長の挨拶で本格的に開宴。
「今年一年、お疲れ様」


特に入魂にしていただいている
左から安部さん、高川さん


広くアズマシイ小屋。電気、沢水の
設備アリ


ていねいに作られた階段。
最近、左手に真新しいてすりが
しつらえられていた


山関係者の山小屋らしく、二階の
奥はクライミングウォール
山小屋の忘年会など
2009/12/19 sat〜 曇り


師走は一年のしわ寄せみたいに何かとあわただしくなる。今週も、瞬く間に過ぎてしまったけれども、ともかくガサガサ動いた一週間だった。さて、山仕事が少しずつ本格化して、のんびりなどしていられない週末になっている。その土曜日は、歯科医に歯のメンテに出かけてから、チェンソーの混合油補給のため先ず小屋に寄って混合油用18リットル缶などを車に詰めることにした。

と、小屋の駐車場に始めてみる車がポツンと一台。混合油の詰め替えなどしていると車の主が送電線の方から歩いてやってきた。…こちらから来る人は珍しい、タダモノではない!…。聞けば、オリエンテーリング協会の恵庭の宮川さんだった。9月のフォーラムにもおいでになった、いわばオリエンテーリングの専門家だ。さすが、フットパスから「まほろば」はすでに踏破済みで、今日はそれにくわえて送電線コースを行って見たとのこと。コース表示に関するアドバイスなどをいただく。上厚真のJAで、25対1の比率の混合油を丁度一斗缶ひとつ購入して大島山林へ。

山林では、自治会長の荒木さんにお会いした。市民菜園前のプレハブの小屋に、購入したばかりの混合油と持参したチェーンオイル缶18リットルを預かってもらうことになった。3時ころまではナビ測量の最後の箇所を歩いた。これがうまくデータが記録されれば、目的にしたフットパス関係の測量はこれで終わる。



そのまま、雪面の農道を伝い千歳に向かい、高速で銭箱ICへ。札幌ウッディーズの忘年会が行われる春香の山荘に行く。こぼれダネの「苫東ウッディーズ」のことや、週内に3回連載された山林の記事の重要な位置に札幌ウッディーズが描かれたことなどから、声をかけてもらったようだ。

なんとなくここかなあ、とたどり着いた坂の上で声をかけてくれた会重鎮に携帯をすると、そこから左手後ろに見えるはずだよ、とのアドバイス。はは、なるほど、木立の間にメープルカラーの建物は見えた。うちでもしばしば購入することがある、小樽のある有名な蒲鉾屋さんの、冷蔵用氷製造池だった跡地にこの小屋が立っていた。

小屋はアプローチが丁寧に除雪がしてあり、小屋のベランダ周辺では、太田さんが除雪中だった。後で知ったのだが太田さんは小屋守の要人のひとりで、小屋は太田さんや高川さんはじめ関係者が時間をかけて手作りしてきた歴史が匂うものだった。

宴は乾杯などを後回しにしてビールをちびちび始めて、5時前から高川さんの名司会で始まったが、冒頭で、約束どおりわたしと会のメンバーの北大院生が、約30分ずつスピーチした。わたしは林の手入れと心に関すること、院生のI君は木材工学の専攻であることから参会者が関心の高い年輪の組織的な見方などを解説。これがなかなか新鮮で、みんなの興味とぴったり重なって、講師が話したい会というより質問攻めの「聞きたい事を質す会」になった。わたしもいくつか質問した。さすが、ウッディーズの面目躍如。

河崎会長は、そのあとようやく挨拶、そして新事務局長の石田さんが乾杯の音頭をとって、いよいよ忘年会の本番となる。中高年が中心の成熟した関係が読み取れる会ならでは、河崎会長はじめ、何人かの方と翌朝にかけて歓談できた。既に始まっている、苫東環境コモンズの動きとどこかで連動した支援もしていただけそうな、そんな状況になっている。ありがたい話だ。河崎さんはそのあたりを堅実な事務と活動の方向を明示され、わたしはこころから感謝の意を伝えた。



日曜の朝、おいしい朝食をいただいた後、小雪の小屋を後にして大島山林へ向かった。自治会長らが風倒木などの整理をやっていた。わたしは林道右のツルマサキまでの雑木林を再度整理したあと、林道右のトドマツ林へ移り、除伐を始めた。ここを完璧に終えれば、苫東環境コモンズの「林の手入れ」がまずどのようなレベルを目指しているかが一目瞭然にわかるはず。わたしのすぐ後から手伝いに来てくれた安倍さんと、2時半頃、林を後にした。

町内の方と入り口の手入れを段取り@大島山林

ていねいな作業を始める安部さん(同上)













笛木さん、ツルを目測する

石川さんと

午後、もう決着か

わたしの方の除伐から
札幌ウッディーズ、大島山林へ
2009/12/13 sun 晴れ 4℃くらいか

山には行かない12月12日、さてその翌日の今日は、江別から間伐ボランティア・札幌ウッディーズの笛木さん(山仕事のニックネーム)が、大島山林の風倒木・ツル切りなどの応援にきてくれた。笛木さんは先週、U病院で3日も風倒木を片付けてくれたらしい。恐らく、いつでも片付けられるように、でしゃばらず、かといって結構難しそうな部分を歩く人の安全を思ってうまくし段取りしてくれたのではないか。そんなデリカシーを感じさせる方だ。

今日は、笛木さんにとっては、初の大島山林。先般、札幌ウッディーズのこぼれダネとして誕生した「林の手入れボランティア・苫東ウッディーズ」とは初の合同作業になる。駐車場で、簡単に山林の故事来歴をお話した後、ナビのスイッチを入れてメインの小径と歩くスキーの最北ルートをトレースした。

道新の石川さんもみえて、林の向かいの村上さんも顔を見せ笛木さんを紹介、ついで先生の薪作り作業もお邪魔した。先生は電動チェンソーで薪作り中だった。

その後、笛木さんは、ツルのタップリからむ本丸に果敢にアタック、わたしは先週までの続きに入る。午前の部は昼までわずかな時間だったが、そこそこ進んだ。午後は、1時前から入って、1時半過ぎに自治会長が見えてちょこちょこ話しているうちに予定の時間が来た。笛木さんはあのツルの大場所を淡々と仕上げていた。シコロとコナラの太いものが枯損状態で倒さざるを得なかったが、腐れがないままツルに絡めとられていたのがわかった。どう活用できるだろう。薪には惜しい。


先日から、今だに緑の気が気になっていた。見ると、ツル。
それも相手と共存しようというタイプだ。見たことのない木に
見えるが、わたしの推測ではツルアリドオシの樹木型か。
チョウセンゴミシも木に絡むと違う性格になるというし、
林床にツルアリドオシが散見された。



会社の方が午前に参拝を済ま
せたようだ


午後2時半の陽射しはもう
こんなにか弱い


小屋のそばの大木にも
手を合わせた


この冬の薪は十分
山ノ神の参拝
2009/12/11 fri 曇り 4℃

11日は午後年休をとって、雑木林の寒いベランダで道庁の方と簡単な打ち合わせをしたあと、恒例の山ノ神をひとりで参拝。今日のお供えは、玄米少々、日本酒、それとりんご。

山仕事をする人たちは、本人や家族の無病息災を願って、12月11日に林に祀ってある山の神を参拝し、仕事はやめて宴を開き、翌日12日は山に入らないようにするのが常ですが、わたしは、ほぼこの35年ほど、苫東のつた森山林にある「山ノ神」の参拝を欠かさないできました。

一番身近な神様といえます。おごそかな気持ちでご神木を仰ぎ、越し方を振り返る…。家族や支えてくれた大勢の方々、仕事や世間、コミュニティ、、、とイメージできる限りを思い描いていると、あ、祈りすぎかと思うほど時間が経っていたり(笑い 

自分が、こんなにこころをこめてお祈りをすることになろうとは、若いときにはまったく考えもしないことでした。こうしてお祈りをすると、明日からの山仕事が安全でスムーズにいくような気がします。山仕事で危険な目にあうたびに、段々と祈りは深くなってきたようです。

この禁じ手をやぶり山に入って事故にあい、亡くなったというニュースをよく聞きます。また東大演習林のドロガメさんの兄さん、高橋喜平さんのエッセーには、「見るな」といわれてきた山の神のご神体を覗き見して病気になったり死亡した人の話が集められていました。

祈ることは、意思をそちらにむけること。何事も念じなければ成就しない…、そこにいくのかもしれません。















苫東ウッディーズの誕生の経過
2009/12/06 sun


苫東環境コモンズを現場でサポートするNPOの認証を控えて、活動を担う実働部隊の設立宣言を
しました。その名は「苫東ウッディーズ」。札幌ウッディーズを先輩として仰ぐ、こぼれダネ。以下、
その設立までの経過。
  

11/15 札幌ウッディーズの安部さんほか、高川さん、那須川さんのご協力で、チェンソー講習会開催。
     受講者は瀧澤先生、小山さん、nokoさん。
11/17 高川さんから講習会の感想が掲示板に。
11/21 掲示板にてメンバー一人だけの「苫東ウッディーズ誕生」宣言。(草苅)
     「今回、お手伝いいただいた札幌ウッディーズの志は、実は道内の各地域の希望
     でもあります。このたび、わたしは、単身、勇払原野で雑木林の手入れをして
     きた軌跡と今後を「苫東ウッディーズ」と命名しようかと考えています。…」
11/24 札幌ウッディーズ河崎盟会長にメール。ウッディーズの名称使用お願い。
11/25 河崎会長からメールで快諾の返信。
     高川さんから誕生お祝いメッセージ。
    大島山林の入林と作業受理通知。
11/29 苫東ウッディーズ(草苅)が大島山林の保育に着手。
12/02 河崎会長から協力の正式メッセージを受ける(面談)
12/10 苫東ウッディーズの枕詞を 〜林の手入れボランティア〜 に
    (除間伐だけでなく小径や林道などいろいろをカバーできるように)

緩やかな契約、いわゆる善意の申し合わせという形で、いろいろな場所・林の手入れをすることが
できれば素晴らしい。なにせ、苫東の人の手を離れた雑木林は、山の手入れを学び習得する格好
場ですから。


まぶしい光浴びて。

少しずつ、薪の材料も出る
大島山林の2日目
2009/12/06 sun 8℃ 曇り


作業を開始して2日目。昨夜の忘年会の余韻が少しまだあるなか、9時過ぎに着く。団地の村上さんが来られて、手入れの翌日に、早速軽トラで風倒木を運搬された由。2往復ちょっと終わったとか。朝、別の軽トラが林に入っていったらしいのですが、きっと歩くスキーの同好会だろうか。

作業を開始して1時間あまりで、土地所有者のTさんが植樹会跡地と風倒木、林道の様子などを見るために顔をだし、わたしは現場に案内。風倒木の多さ、ツルのからまり、植樹会跡地をみていって、さてどんな印象ももたれたか。一応、会社がやれるものはやって欲しいとしたうえで、これらの手入れを会社の直営部隊が無理ならわたしたちでやるから結構ですと申し上げた。林道も無理なら、自分らが刈り払う、とも伝えた。別れた後、再び、一人の山仕事に没頭。

昼過ぎ、一仕事終えて国道に出ようとすると、I先生の奥さんと目があった。先生と道路脇に車をとめて、久々の歓談。これから瀧澤先生のチェンソー購入に付き合うのだとお伝えするとびっくりしていた。田中林業機械で、14時からスチールのカタログを元に注文、そして山の話、木の話、薪ストーブの話など。



威勢良く煙は出るが小屋は
なかなか温まらない


小屋と林と人のまとまりがいい
バランス


小学生も上手に自己紹介した

霧島出身のFさん。わたしがこの
夏霧島に行ってきたと言ったら
びっくりされた
やぶやまのカムイミンタラ
2009/12/5 sat 晴れのち曇り(夜は強風)
 外4℃、中マイナス10℃

雑木林は完全に冬の佇まいになって、林道の水溜りが凍った。そんな師走の林に「手稲さと川探検隊」の一行12名が来訪。わたしは早めに来て、外の焚き火と小屋のストーブを点火した。隊は年2、3回来訪してもらっている格好だけど、感性豊かな方々が、上手に雑木林を楽しんで行かれる。いつも、子供がいるので、にぎやかである上に、貝類を調査で入手する方がおられて、鍋はいつもホッキ等が入っている。

事務局の後藤さん(女性)は、この林のことを「癒やし系」と紹介され、わたしは例によってウェルカムの挨拶と林の履歴などを語った後、各自が自己紹介。こころと体の感性を開くために気功をしてからフットパスへ入った。

 
(左)分岐のいつもの集合写真  (右)ピザ窯でおやつを食べる子ら
 
 落ち葉でもぐるあそび

わたしは「まほろば」コースの測量のために単身ロングコースに入った。ピンクのテープがいいピッチで入っているので、安心感が強い。そして今回の感動は、混んで倒れた木がいっぱいのやぶの憩い。やぶやまをヤブを漕いで歩くことの幸せ。ヤブのところどころに、わたしはカムイミンタラを感じる。静かな、一人だけの時間、しかも恐怖も悲しみも華やいだ気分もないニュートラルなひとりの場。

みんなと分岐で別れるまでの所要時間は30分、それから「まほろば〜送電線コース」に早足で45分掛かった。なかなかのコースと言える。これでもう、ササを刈って新設する必要はないことがわかった。むしろ、この方が楽しい。(翌日、ナビをデータにしてみると、4.2kmだった)

日が傾き始めた3時半頃、歓談を終えて散会。




左がスチール社のチャップス。
両者とも2万円前後する。


今日の現況。

まず目時

先生のネコ。モミジの木で遊ぶ。
現場はこうしてつながる
2009/11/29 sun 晴れ 3℃


先週、遠浅樹林地の手入れの承諾書が土地所有者の苫東の会社から送られてきたのを受けて、正式に山仕事を開始。山仕事というのは、先ずかつて使われてきた小径について、ナビを使った測量みたいなものをして幹線になるルートを確定し、将来的な保全計画を立てること。ついで、町民に使われている小径沿いにある風倒木を、利用者の安全のために片付けること。そして、その周辺の枯損木や混みすぎたものをすかしていく除伐、これらのこと。。

昼前に、アイリスの看板そばのつるに絡まれたものにテーピング。「ツルこそ残すべし」という方が時にいるから、わたしが切ったほうが良いと思うそれらに黄色のテープをつけて、自治会長に打診することにしておいたもの。

今回の山仕事は安全防止の前掛け「チャップス」と「ヘルメット」がデビューでいずれもドイツのスチール社製。これまでは、ハスクバーナ(スエーデン)の安全ズボンとヘルメットを使っていたのが、機動性などを評価してリニューアルすることにしたもの。前掛けタイプはズボンよりも機動性は高いのは事実の様で、夏などは蒸れなくて楽。

3時間ほど作業してから、自治会長に、薪になりそうなものも少しあるよ、と携帯で連絡。発生材を捨てておけば、それはただのゴミでしかないが、それを集めて燃料にリサイクルすれば灯油削減になり、結果的にCO2分解の過程で熱を自然物で利活用したことになる。現代は、このリサイクルする手間を投げ捨ててきた。材の恵みはもちろん、作業奉仕そのものにも得ることは甚大なのに、それをただ、輸入の石油を利用することで回避してきた。

一作業追えた頃に、会長と駐車場で歓談していると、町民が集まってきた。この環境に好意を持って3年前に移住した先生などの移住組み、もともとの住民である年配者、その配偶者、その飼い犬、ネコなど。いつの間にか、駐車場は図らずもコミュニティの懇談の広場に変身。こういうのって、子供たちに見せてあげたい、感じさせてあげたもの。
 
「今度は手伝うよ」
「いろんな人がつながってきたよね」
「年明けには札幌から腕に覚えのある手伝いたい方々がやってくるかも」
「○○なんかもきれいにしたいね」…

人と人のつながりはこんな風に誕生するという、見本のような夕方は、実はブルブル震えながらの1時間でした。外はプラス3℃。




瀧澤さんらが作った小径を詰め
て昨年の最終地あたりへ


こうした画像には見えないが、
この中に枯損も多く
ひと冬の
山仕事としては十分


空はこうなる
山仕事は至福だ
2009/11/22 晴れ 6℃


今朝は割りといい冥想が出来て清清しかった。もう休日の朝昼の食事には執着しないから、勤めの後はそのままパソコンに向かう。昼前から、山仕事の段取りをして正午前には植苗病院の駐車場でチェンソーの目立てをしていた。

札幌ウッディーズの面々がフィールドを羨ましがったように、植苗のこことか、苫東の多くの手入れの現場は、ササのない植生、起伏、雪の少ない環境など、道内の他地域からみると羨望の地のひとつである。
庭の前の整然とした林(2年前終了)

手入れでは、ただただ、至福の時間が過ぎる。林の手入れは風土との交信であるからだろうか。今年の山仕事の初日に、いつものように、林の神々に手を合わせて、手入れという名目の伐採に入ることを伝える。森林法の許可など、この祈りに比べたら、ほとんど重みを失うようなもので、本来の土地の主はたまさか100年ほど前にこの土地を手に入れた個人所有者などではない。むろん国など公共でもない。土地の、神々であろう、と極めて自然に認識する。

肉体をきしむくらいに使ってみる快感。樹木と4つに組む喜び。結局、昼ごはんは食べないで、休み休み、山仕事を終えた。林は着実に、雰囲気を変えている。




分解掃除は事始の感あり

少し暗い初雪の林

雪は落ち葉の上にうっすら積もっただけだから間もなく消える
雪景色の中で
2009/11/21 sat 曇りのち晴れ 0℃

山林所有者との手続きに若干時間が必要になって、風倒木を処理する本格的な山仕事は見合わせ。11月という雪のない落葉時期は仕事には願ってもない時期だから、実のところとても残念。これはわかっていただけるのは無理かもしれない。しかしそこは、いま流行の一種、コンプライアンス的に一服だ。承認前の着工はたしかに世間の約束事にあっては違反になる。ここはひとつ…。

で、今朝は先ず、じっ魂にしてもらっている田中林業さんに、山仕事の開始の挨拶をこめて、ツールの相談。図らずも健康寿命のハナシに。奥様も一緒に、実に胸の膨らむ話しを聞かせてもらった。同時に、スチールのチェンソー、ツールの注文、その他段取りもすんだ。

ついで、遠浅アイリス公園の駐車場で、作業開始に備えチェンソーの分解掃除だけした。キャブレターの目もしっかりゴミをチェック。思えば久々の点検だ。

1時に待ち合わせた道新のIさんと樹林地を一周。ナビを動かし、黄色いテープを結んで小一時間がかかった。歩きながらの歓談は実に楽しい。終了後、続いていつもの雑木林の小屋まで案内し、高速の下でお別れ。

わたしは再び遠浅にもどり、日の傾いた夕方、自治会長のお宅で往時の遠浅、柏原、静川などの、人と土地の回顧談。実に実りある話しを聞けた。土地には人の歴史がある。それが、土地の神々につながっている。

いろいろなことが、ますます着実に繋がりをうんでいく。 
                                      合掌

 初冬と晩秋の狭間の光景



8時半、苫東は晴れ始めモヤ

実に美しい林と小径だった

病院会議室での座学

そして外へ
チェンソーの講習会
2009/11/15 sun
雨、時々きり、時々晴れ 7度

札幌ウッディーズの協力を得て、チェンソーの講習会を開催。場所は植苗病院。講師はAさん。メンバーのTさんとNさんが同行され側面からエピソード紹介。精神科医のT先生が技を覚えたいと申し出てきたことと、NPOの関係者に一人でもチャンソーを使える方が居て欲しいという願望が発端。T先生は、病院の周りのフットパスを自力開拓に向かう勢いにあり、3年前から当研究室が手伝ってきた道をさらに延長することになる。

一方、NPOにとっては、広大なテーマが待っている。Oさんは既に伐木講習を経験済みで終了証を持っている方。一般参加のIさんは、エンジンチェンソーをもって庭木も扱う女性のガーデナー。総勢7名、まずは10時前から自己紹介と座学。わたしは、ログスクールでみっちりチェンソーを学んでから林の手入れをしてきたが、伐採をメインにしたチェンソーの勉強は初めて。基本を、うまくまとめられた資料を基に聞く。

午後、ヘルメット、怪我防止用のチャップスのいでたちで林に集結して実践を学ぶ。わたしは、快い手入れを待つ雑木林だと思って手入れしてきたが、ウッディーズの面々も、こんなフィールドはうらやましいとおっしゃる。

講習の内容はまるっきり省略することにして、いつも和んでしまうのが山仕事をする方に共通するある種の謙虚さだ。今回、Aさんは興味深いことをおっしゃっていた。わたしたちは、しばしば伐採をする際に木々に対して何がしかの言い訳をして拝んだり祈ったりしているが、Aさんは、もっと進んで、切腹の介錯のようにまごまごせずスパッと伐採するように心がけるのだと。これはひとえに技術の向上と裏表だ。
女性用には4kgほどのチェンソーを使用

わたしは最近、山仕事が宗教に近い導きがあると発言する方と意見交換したが、その伝で行くと、林は散策や風景を眺めたりの森林浴というものより、山仕事・手仕事の方がさらに、はるかに実り多い。来訪されたウッディーズメンバーとわたしにはそこにとても共感がある。これは同胞という感覚で、だからこそ、今日の講習会は、和みの場だった。



雨のために自動でストロボ光る

高山ではもっともっと焦がして
いたかもしれない
ホオノキの葉を拾う
2009/11/14 sat


季節の味を楽しむ際に山菜ばかりでなくホオノキは魅力だ。なんとなく30年ほど前に飛騨高山の宿で食した「ほおばミソ」を思い出して、雨の中、小屋の前で数枚のホオノキの葉を拾った。

それを一晩ほして、もう一度きれいなふきんで拭き、厚真(あつま)の農協で買った、農協婦人部のかなり高い味噌でねぎミソを作った。これはフライパンであぶったところ、ミソが沸騰し始めた。また手作りなんばんミソも販売していたので、それも載せてホオ葉の上にのせて、オーブンに入れた。おでんで使った赤味噌もワインでもう一度絡めて見た。


オーブンの二品は10分足らずで、ホオバの焦げるようなにおい。ミソもグジュグジュしている。高山の宿では七輪を使っており、やはりグジュグジュ葉っぱの下から焼いていた。もう忘れてしまったが、「メシドロボウ」というお味噌か漬物を連想した。ナンバンミソ、ねぎミソ、赤みそのたまり風の3つができたが、残念、これだあ!という味にはいたらなかった。春のホオバ寿司のほうがずっと達成感がある。

それにしても、季節を味わってみる節目のまかないとしては、やりがいは一応あったということにしよう。結局、イキのいいキュウリがあったので、つけてみたら、これはいけた。

もうすぐ、ホオバに雪が降り積む。。



10時半、広場に向かう

樹林気功も霧の中

講師を内輪の参加者・スタッフが
囲んで


こころの森フォーラム 第3弾(報告)
2009/11/08 sun 13℃ 

霧の錦大沼公園で開催。参加者は約45人。札幌からの参加者は20人近くで、地元苫小牧からの参加者を少し上回る格好。開会の冒頭、実行委員会の当方から、晴れではなく霧の中となったプラスマイナスを披露。その後の色々な評価を総合すると、「光線がやさしい」「タラソセラピーみたい」「マイナスイオンだ」「喉の調子がよくなった」「ミネラルがいっぱい」…。青空のもと、樽前山をみながらパワースポットを味わってもらいたかった当方としてはうれし、つらし。でも、この視点は実感から出ている。大事にしたい風土評価だと思う。

午前は小山内和子さんの樹林気功。小山内さんは今回、パワースポット錦大沼にふさわしく脊髄に気をまわし込む作法にタッチ。前回までとはまた一味違うメソッドを披露した。結局、樽前山は終始みえなかったが、まさにパワーが見え隠れする感じだったかもしれない。

午後1時半から、写真家・小寺卓也さんの講演。小寺さんの画像と朗読は、一種の「気功」のようにリラックスする。後半、テーブルでエムルカのようにべたっとしたFさんに、「どうしたの?寝てたの?」と聞くと、「いえ、あんまりリラックスしたので」と正直な返事。


 
小寺さんの講演            混んでいたロッジ

樹林気功と小寺さんのコラボは正解だったと思う。小山内さんも小寺さんもとても喜んでもらえたようだ。特に小寺さんとは昼と終了後、いろいろな話に華が咲いたが、どこか、感性の共通したものの共有がわたしには感じられ、楽しかった。共通の知人が数人いたのも面白い。



町内会長と測量開始

風倒木は多い

戻ると、新住民とばったり。
林のある環境に惚れて
ここを選んだと



久々の焚き火だ

小屋日誌を書く

ヒメネズミの狼藉に食物の連鎖思う
2009/11/07 快晴 14℃


朝10時、遠浅で荒木自治会長と会って、2回目のフットパス測量に入る。かつて15年ほど前に木本建設さんに発注した小径を先ずたどりたかったのだが、意外や意外、思ったよりはるかに長いモノがようやく見つかった。荒木さんは付き合わされてちょっとお疲れ気味だった。

ナビ測量の成果を反映させると…

昼過ぎに、雑木林の小屋へ廻って、ひとりで昼ごはん。
このところ、わたしが憂鬱に思うこと、それは雑木林の小屋にいくと、必ずなにかが、ヒメネズミにかじられて、ゴミが散乱していること。もちろん、フンも。

これまでは、カップ麺とか蜜蝋のろうそくとか、限られていたのが、ティッシュペーパーや座布団などに移り、やがて、シュラフやザイルも被害を受けるでしょう。そして長靴や金属以外のすべてのものが。

アオダイショウの「みどりちゃん」が居た今年の春までは、こんなことはなかった。春、床下で「みどりちゃん」の抜け殻をみつけたあと、事態は変わりました。夏、「みどりちゃん」に会えないのです。昨年までなら、天気の良い日は薪に寝そべり、ベランダで読書の折は、わたしのすぐ後ろの丸太(ログ)に並んで陽を浴びたものでした。

どうも、「みどりちゃん」はあの、アライグマに捕獲されてしまったのではないかというのが、わたしの悲しい推測です。その結果、小屋はヒメネズミの狼藉し放題になってしまった…。ヒメネズミを捕獲するのは簡単です。しかし、そうしてどうする…。殺生はしたくありません。そこでわたしはジレンマにはまり、小屋に行く前の日当たりに、ちょっと憂鬱になってしまうのでした。(-_-;)

そして今日。案の定、事変が。ドアの前のスリッパが穿り出されていました。脇においてあった新品の長靴が被害を受けるのは近いと思って、きょうはトランクに入れました。
ネズミの食欲

日が傾くまで、小屋の前で焚き火をして過ごしました。

 

 その脇でウトウトしながら読書する


今年の紅葉の変遷
2009/11/3



10/10              10/18             10/24             11/3

この秋を寂しいと見るか、勇気とみるか…


芦ノ湖と鳥居

表参道とスギの大木

フットパスのマップは3部作
箱根神社と多摩丘陵フットパス
2009/10/31〜11/2

私用で上京したのを機会に、11/1は家内と娘と3人で箱根神社に駆け足でお参りしました。折りしも、わたしの58歳の誕生日という節目で、力のこもる神社にお参りできた幸運にこころから感謝しました。芦ノ湖の遊覧船が欠航する大荒れでしたが、神社はとてもいい雰囲気。エネルギーの通る場所は、やはり人が集まるのでしょう。ちらほら七五三の家族もいる。なにか清清しい気分で日常に帰れそう。箱根神社では、気が満ちてくる感じがするから、まさにわたしにとってはエネルギーセンターなのだろうと思います。
 
階段をぬける              本殿は50mほどの列だった

今年は3月に伊勢神宮、7月に霧島神社、いずれも森林関係の個人的な用事で出かけたもので、そして今回。こうして神社をめぐってみると、北海道は、本州の神々とはやや違う、森羅万象のレアな自然の神々がいらっしゃるような気がします。そしてその接近するプログラムがまだない、とわたしは密かに感じています。思えば先週は樽前山神社と北大の研究林の神社を参拝しました。なんとまあ、しょっちゅう、お参りばかりしているしているみたいです。

2日は以前から是非訪問してみたかった多摩丘陵のフットパスを歩いて見ました。「NPOみどりのゆび」が発行しているフットパスマップを予め購入して、ちょっと予習しましたところ、もっとも公共交通機関を使って便利そうなのが、玉川学園前から鶴川駅にかけてのルート。
 
大学構内を通る             畑、家庭菜園も

田園はオアシスのように見えます。同行してくれた娘も、日ごろは全く田園風景など目もくれないのにしきりに携帯で素敵な光景を写していました。驚いたのは地図の出来。精緻な淡彩画もすごいのですが、あの細かい道を実にツボつかんだ描写で、5時間15kmほどの間で大きく道を間違ったのはありませんでした。
 
斜面の畑                多い柿畑


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