一人の林から共有する林へ
NO.61
2010/05/02〜

先日、自分の数年前の講演についての評価を仄聞しました。
森づくりの手法を中心とした実践を語るという時期を過ぎて次第に
山仕事を通じて気づいたメンタルな部分を語るようになったのですが、
5,6年前に自然科学の研究者たちの前で語ったときの話です。
終了後、特別の質疑応答もなく、わたしは内心研究者らにほとんど
受け入れられなかったと感じ、その思いはうっすらと持ち続けていました。
そして、あまりこの手の話は不特定多数の人前でするのは控えようと
少しブレーキをかけるようにしました。
しかし、
漏れ聞こえてきたのは「えらく面白かった」という話。
データで勝負する研究者らが、わたしの与太話に人前で賛辞を述べるのは
半ばタブーだったろうとその方はおっしゃいます。
了解、少し気が楽になりました。




講師のいない探鳥会

作業の前にまず、タープを張った

abeプロからチェンソーの点検を
学ぶ


午後、勇払原野の原始の姿を
垣間見る
薪仕事とハスカップのサンクチュアリ
2010/06/27 sun 曇りのち晴れ 恐らく28℃くらいか


■am08:00
月例遠足は今月、大島山林の探鳥会に振り替え、講師のoyamaさんをabe、noko、takeの3人で待つが来ず。08:20に3人で歩き始めた。良く出来たもので、鳥の声は少なく、「次回に延期」の声。
■am09:00
薪仕事を完結したい日。荒木夫妻、菊地、上村、村上、abe、oyama、noko、増沢、take、昼過ぎ間山さんの各氏。前日ほどの猛暑ではないが、すごい。早速、タープを張って日陰をつくり、作業中は、先生が何度も麦茶などを持ってきてくれた。00:30、薪にすべき丸太はなくなった。そして、しばらくして、すべてが割られた。ふー!完了。そのまま、薪組合の荒木会長と奥さんが作っておいてくれた山海のBQ「山賊焼き」、おにぎり、そして先生お手製のパンをご馳走になる。先生のパンは、毎朝いただきたい素朴な、しかも舌触りもバランスの取れた味だ。
丸太の山、消える
■pm02:00
ハスカップのサンクチュアリをふたつ巡る。ひとつは、実生のハスカップが生まれている湿原。もうひとつは、乾燥化しているハスカップ群落。北大の鈴木卓先生が関心を寄せている。

 
ミズゴケの上にハスカップやツルコケモモの実生が。右は、ヒメワタスゲなど



まず朝一番に打ち合わせをして
いるときにカナヘビが出てきた

ベランダのそばではアカガエル
を見た












今のところ、サインは明快
第1回目のフットパス刈り払い
2010/06/20 sun 霧のち雨

アタフタと出かけて予定の9時に小屋到着。すでにnokoさんは小屋から鉄塔に行く道を刈り進んでいた。早い!早速、フットパス一周と林道を分担してスタート。11時前、ガス欠になって小屋へ戻るとnokoさんも終了して一服中。さらに30分、わたしは「奥のササミチ」を、nokoさんに「からまつコース」をお願いして終了。

刈り払いながら、コケイランの群落に何度か出会った。そこは写真のように刈り残し、周りの笹だけ刈るようにした。しかしコケイラン1本を刈ってしまった。ササバギンランは一本だけ出ていたが、これは刈ってしまった。コウライテンナンショウは今年も無事刈り残すことが出来た。

単調な刈り払いをしながら、思い出したことと気づいたこと。思い出したのは以前、幌延の「おていさん」と、刈り払いは行動的冥想ではないか、と語り合ったこと。決して苦痛ではなく、むしろ喜びであること。住職は、奥さんのおていさんにいたわりのために刈り払いをさせてくれない、とばかり思っていたが、快感もあったのか、と笑った話。

気づいたことは、刈り払い特有の眼球移動、右左右左が、実はPTSDの治療に用いられる手法にそっくりな単調な時間であること。無心になって、眼球と身体だけ規則正しく左右に振る。頭の中は空っぽである。何かに集中しつつ身体を動かす、いわゆる手仕事というのは、やはり「とらわれ」を閉じ込めてしまう妙案かもしれない。

当ホームページの「こころの森探検」の第6回にこんな記述があるので挿入しておこうと思う。

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当日のもう一つの話題はドクター・TのPTSD(post traumatic stress disorder:外傷後ストレス障害)である。阪神淡路の災害などでクローズアップされたが、ドクターの病院では毎月の新患の一割がPTSDだというから、かなりポピュラーになっていると考えていいようだ。必ずしも災害に限らず、交通事故や男女関係なども原因になるそうで、再体験への恐怖、回避症状、不眠などが特徴とされる。                 さて、そのPTSDの治療に効果的だと注目されているのがEMDR(eye movement desensitaization and reprocessing)である。1989年、アメリカでFrnsine Shapiroという臨床心理学者が発表して以来、アメリカを中心に注目を集め、今日まで世界の 20,000人以上の心の専門家がこの方法のトレーニングを受けているという。この方法は眼球運動が脳を直接的に刺激し、脳が本来もっている情報処理のプロセスを活性化できることを利用している。この話は以前から少しずつ聞いており、林に入ってキョロキョロと葉っぱや鳥や花やその他何でも、とにかく目を動かしながら散策することで、ものすごい気晴らしになる、という風に話題として提供されてきた。 
(以下略)
========================
 
コケイランを刈り出す(左)  (右)作業するわたし

午後の大島山林の薪作りのために昼前に小屋から移動。大島山林でoyamaさん、abeさんと合流して「そば哲」で昼食。予定より遅れて、薪組合の面々と合流して雨が降り始める4時前まで。はかどったあ、と12人の全員がおっしゃる。











薪まつり
2010/06/13 sun 霧のち晴れ


春先ちょっと寒いという呟きが多かったが、急転直下その後の成長は早い。雑草の伸びも早く、その自覚が今朝の出発を早めた。雑事あり、3時に起床、6時半発。いつもの通勤時刻の出発となった。7時過ぎ小屋に着いて周辺とささみちフットパスの一部を刈ってから、大島山林に向かう。

山林は今日、積んだ丸太を、関係者みんなで、薪にする「薪祭り」。NPOメンバーと関係者が9時に集合した。荒木夫妻、菊地、間山、前田、増沢、上村、小山、稲葉、瀧澤、安部そしてわたしの12人になった。

薪を伐る人、それを割る人、割ったものを運ぶ人
それを積む人、…。そこにやがて昼食の準備をする人、日よけのタープを張る人、など、多様な仕事が発生して、さらに、昼食を提供する人など、多面的な分担が始まっていた。

作業はこうして進められた

平均年齢は恐らくわたし58歳よりずっと上だと思う。それが昼過ぎまで、実にうまい連携で薪の一列をほぼ整理し、2時半ごろまでで完全にその列は終えた。長老たちは「さすが頭数」と謙遜する。いやいや、長老クラスの知恵の結集である。そして次回6月20日以降、もう一列を制覇することを誓った。

  
若手は午後山林を一周。右は積まれた薪の一列。年配者の丁寧な仕事。









刈り終えたばかりの広場

荒木会長と会う

いつ見ても緑の量に驚く
(苫東展望台)

林の縁を歩く

いい干草ができますように













柏原フットパスのお披露目
2010/06/12 sat 快晴 18℃くらいか


NPOふらっと南幌のご一行が、苫東のフットパス見学にこられ、10時から案内しました。ふらっと南幌は地域資源と歴史をつなぐフットパスづくりの優等生で、発信力も地域ビジネスへの模索もチャレンジャブルな注目のNPO。

今回の案内の本命は、対外的には始めてのお披露目になる柏原フットパス。土地の所有者は、万が一有名になって一般の人が大勢やってくるのは避けたい意向があり、そこは駐車のルール化など当NPOの懸案とも重なって「試行」段階にとどめていくつもりですが、ふらっと南幌の全国のフットパスを歩き研究している面々にまず歩いてもらうことになったのは、そういう意味でとてもエポックメーキング的なものといえます。

大島山林では、刈り払いとサイン設置、幹線林道整備の各々が終えた道の一部を歩いてもらってから、広場の草を刈り払いしていた自治会長に挨拶、しばし話を聞きました。次に柏原の展望台、フットパスと巡りました。草地はもうロータリーモアが入って一番草を刈っており、草はもうからからの干草になっています。

柏原を歩いているうちに遠くで正午のサイレンが鳴るのを聞きましたが、日陰が欲しいほどの陽気なのでそのまま小屋へ向かい昼食。そしてしばらくして「ささみちフットパス」を一周。
 

約10人のお客さんすべて、3つのフットパスとも始めての経験になりますが、沼ノ端の喫茶店での歓談など総合すると、農業を中心とした地域資源を最大限活用したふらっと南幌のフットパスに比べると、苫東の方は、どこか無目的な、あえて言えば、ただ五感で味わうフットパスではないか、という仮説も出来ます。もともと英国のような長距離の通過型よりもドイツの農村のような、村の中心から出てまた戻れるような、さっと回れる周回型を目指してきたところも影響しているかも。

それときっと、苫東の雑木林の道は、心身、とくに「林とこころ」にスポットをあてて林の手入れから始まっている点が決定的に違っているのでしょう。そうして見ると、一口にフットパスと言っても、それぞれの土地柄、宝をどのように発見し
どのようにいいところを発揮させるのか、思い思いの工夫があって当然であり、だからこそ、相互訪問の意味も出てきます。

もうひとつ、大事なことを思い出しました。というのは林と人の位置関係でいうと、
@林の中
A林の縁(へり)
B林の完全に外(農地や畑や丘の上)
に分けることが出来ますが、苫東は@とA、南幌はほとんどがB一部がAということになります。そこに大きな持ち味の差がでてくるのでしょう。


*石狩市のKさんから寄せられた苫東フットパスの感想

先日は、3コースのフットパスをご案内していただき、ありがとうございました。
歩いていて楽しかったのと、林の中は、なんともいえない気持ちのいい空間でした!
大島山林のコースは、林の中が明るくて、「いいとこだなぁ」と思わず言葉がでました。もう少し中に進んでみたい思いに後ろ髪を引かれつつ戻りました。
柏原コースは、牧草地を流れる風がとても気持ちいい!雑木林の中の木漏れ日も、
清々しい気持ちにさせてくれました。これくらいの距離が自分にはあっているようです。
ささみちコースは適度に起伏があったり、松の林があったりで、楽しむことが出来ました。どれもとてもいいコースですね。
自分は昆虫も好きなので、もう少し暖かくなると、いろいろな虫たちが現れると思いつつ眺めていましたが、セミの声が賑やかでしたね!これからカエルの声も聞こえるとのことですが、益々森は賑やかになるでしょう。



有名な岡山のメーカー

わがサインは小さく大人しい。
歩くスキーのサインに比べると
ないに等しい


杭に作ったサインは存在感が
違う

大島山林を刈り始める
2010/06/05 sat 晴れのち快晴 15℃ほどか

現場に向かう途中に思い立って、田中林業に寄り、ブッシュカッターを一台購入。小屋にある一台に加えて、大島山林にも一台常備させるため。あたふたと社長に調整してもらって持参する。9時過ぎに大島山林の広場から刈り始めていると、10時過ぎ、nokoさんがなんとブッシュカッターを持参で参上。山仕事でわたしと一緒にチェンソーを使い、かつ夏は刈り払いを。頼もしい、思いがけない助っ人参上だ。

山林に出入りするほかのグループのシマを荒らさないようにしながらオオウバユリなどの繁茂するリンドウを制覇。11時前からフットパスのサイン付けに仕事を変更。杭とプレートを使い分けて1時に終わる。そば哲で久々の昼食。

 
デザインがいいと思う


広場にポニーがつないであった。山仕事を手伝ってもらおうか、という
下心もあったが、なにか可愛そうな気がしてきた


昼食後、もう一度、山林に戻り駐車場から降りたところのサインをつけた。合同作業はそこで終了し、わたしは小屋と山林の刈り払い機を交換すべく小屋を往復。

 
新緑の見ごろも今年は見事にずれ込んだ



田村さんと

薪の山と新緑

荒木夫妻と
幹線林道整備打ち合わせ&片付けはかどる
2010/05/30 快晴 16℃

昨年秋、GPSを利用して既存の林道や小径の履歴をチェック。そのうち、これからの山仕事でも使う幹線を土地所有者の鞄マ東がやってくれることになり、10時に担当の田村さんと自治会関係者、そしてNPO事務局が落ち合い、現場で細部を打ち合わせた。自治会からは歩くスキー同好会の川端さんがこられ、秋には、このほかの林道網を地図化すること、次年度以降も必要なら継続して苫東に実施してもらうようガンバルことで了解。

1時間で打ち合わせを終えてから、薪の扱いを薪組合の会長と意見交換。そのあと、当方は、林道をふさいでいる倒木とブッシュを片付けるべくチェンソーをもって林に入る。フットパスのサインもひとつ新設し、作業のブルオペレーターのために、道案内のための黄色のテープを増設した。

新緑が美しい。薪組合長ご夫妻と、フキをとって帰る。

 
新緑とフキ


実は小屋の新緑が一番だと常々
思う


コシアブラ。おいしいのは基部の
固めのところ


何を大げさな、と笑われそうだが、
用心深くなったのだろうか


いつものことながら春はすごい。

極楽といえばいいのか、理想郷という
のか、カムイミンタラか
新緑に見惚れつつ里山仕事
2010/05/29 晴れ 16℃


28日夜、NPOの設立と早々の活動でお世話になった方々とキックオフの集まりをした。苫小牧グループは青森行き急行「はまなす」で帰還、修学旅行の中学生よろしく、4人崖のボックスを占領し歓談。いや、童心に返る気分でした。

午前中、防腐剤を買ったりして時間がたつ。庭のスギナや雑草、物置の片付けなど気になる。午後小屋へ工具箱などを取りにいきながら、実は新緑を見に行く。5月末は、コナラの雑木林の芽吹きのピーク。ピーカンの天気のせいでコントラストがきつい感じだが、浮き立つような芽生えの様子はやはりググッとくる。写真も映える

里山の小屋の周りはいつもいっぱいやることがある。それを愚直にこなすことで、和みの手自然が現出するのだろう。今日は、先週は最終が気後れするほど小さかったコシアブラが今度は随分大きくなっていたので、醤油炒めように多少大きくなったスマートな芽をいただく。枯れて倒れそうな10m以上のホオノキは、ザイルで小屋に倒れないように安全策をとって伐倒した。気になっていたもの。根元と枝先は樹皮がはがれているが、幹からは芽吹きも見える。一応見立てでは屋根と反対側に倒れると踏んだうえでの策だったが、結局、安全策は不要でちゃんと目測どおり東に倒れた。

作業を終えて小屋から大島山林に向かう際の社台ファーム周辺の道道は雑木林の新緑の回廊だった。牧野は、芝の緑とコナラのウグイス色の新緑の対照が美しい。うっとりする光景に、車を逆戻りさせて撮影を数枚。

大島山林の入り口は驚くような新緑に見えなかったのは拍子抜けした。俯瞰する場所にちょっとかけるのか。今日は入り口に看板をかけるべく工作をした。先日oyamaさんに皮をむいてもらったコブシの杭、防腐剤、フットパスのスタートサインなどを用意。看板の内容は「この山林は、所有者鞄マ東との協定に基づいて、アイリス公園を自治会が、山林全体を当NPOが管理を受け持っています。 NPO法人苫東環境コモンズ」というもの。明日、自治会と立ち会うので、そこで了解を得てから埋め込むつもり。一周コースにもフットパスのサインを設置した。あとは来週だ。
 
左は入り口の看板。公園看板の隣におかせてもらおう。右は町内の歩く
スキー同好会の看板。多少ルートが違うので並立。


一人で作業をしていると家庭菜園で作業をしていたメンバーの増沢さんと手伝いのTさんが寄ってしばし歓談。Tさんはこの4月から団地の住民で、当NPOにも関心がありそうなのでパンフをお渡しした。



朝の大島山林

スドキの小さな群落

start here

明るい日差しが輝く5月

取り付け

二本のドロノキの新緑
柏原フットパスのサインも
2010/05/22 sat 霧のち晴れ


先週、小屋の周りのささみちフットパスにサインを付け始めたばかりですが、今週はついに本命「柏原フットパス」に設置。もともとある防風林沿いの作業道の要所にサインを取り付けて地図を用意するだけなのだけれど、そこは「開設」と呼びたくなるムードがあります。わたしが見るところ、北海道に数あるフットパスのなかで、ロケーションはトップクラス。

サインは、Northern Trail という活字と矢印の入ったものをエコネットワークから植苗分も合わせて160セット購入し、チバグリーンさんに借りたラミネーターで加工し、北海道産カラマツを使ったコンパネの板にとりつけるもの。デザインは建築デザイナーの中井和子さん。しゃしゃり出ず、シンプルで、それでいて視認性は高い…。自然の中に地味な人工があると、風景が俄然引き立つ。


この日わたしは、昼食にコシアブラの天ぷらとスドキの八戸方式を用意すべく、まず大島山林によってスドキを採りながら芽吹き前の雑木林をタップリ堪能したあと、小屋によって防腐剤を車に積み、まだ開ききらない小さなコシアブラの木の芽をそそくさと摘んで柏原の現場へ。

10時、増沢さん、立花さん、oyamaさんでスタート地点の杭設置から開始。折りしも、霧が晴れて、「柏原フットパス」のオープンを祝うような天候になってきた。それにしても、芽吹きの頃の柏原は美しい…。この時期に、テスト・ウォーキングを開始できるのは本当にラッキーでした。3人は初めてのコースでしたが、各々、役割分担ができて、どこが最も適切な設置場所か、なども実に無難な線が提案される。なるほど、と思うのであります。しかし、この光景をしまっておくのはもったいない。世に出す意味はある。まず、写真だけでも。

10時前の開始で一周して終了したのは1時。そそくさと小屋に向かい昼食の準備。先ず、お湯を沸かして熱湯をスドキにかけ、うちわで扇ぎながら塩をふる。アクダシをして一晩おくものと決め込んでいたところへ、青森の畏友TANAKAさんから、八戸ではこうして食べると聞き昨年から実践している。「うまい!」と声がでる。
 
熱湯をかけたスドキ           コシアブラ

続いてコシアブラの天ぷらへ。面々は初めての山菜。もう数日たった方がコシアブラらしい形になるのだけど、それでもなにか、季節が濃厚に詰まっているようなフリである。それなりにいいのではないか。片っ端から揚げていく。「うーん、うまい!」

ウドとタラノメも一緒に揚げてしまおう…。確かにお腹もすいていましたが、結構あった天ぷらはぺろりと平らげた。フーッといったところでコーヒー。そして3時に散会。わたしはそのあと、ささみちのサインの残り10枚ほどを設置して、途中コシアブラを少々ゲット。帰宅して後、コシアブラご飯の素材を作る。炒めたコシアブラを炊き立てのご飯にまぶすとえらくうまいのでありました。

コシアブラご飯


今年一番の張るの陽気。静内の
サクラが満開の日に、わたしたち
は花のない雑木林で作業する


スタート地点の杭の皮をむくoyamaさん。
材料は大島山林で除伐したコブシ。
ちょっと贅沢な代物


ささみフットパスのスタートポイント。
防腐処理もバッチリ

あと1週間でウグイス色の新緑になる
コナラの雑木林。一年で一番美しい
ひと時


大島山林ではサクラとコブシが
随所で一緒に咲き…


勇払の自然海岸も厳しさは
もうなかった

フットパスの準備はじめる
2010/05/15sat 快晴 - 16sun 晴れ


いよいよ、フットパスの準備が本格化。チバグリーンの千葉さんにお世話になって、サインを張るプレートをたくさん用意してもらっており、サインのラミネートも2日前の夜に終え、15日午前中にこまごました資材を買いこんで、小屋に着いたのはもう2時近く。oyamaさんとnokoさんは林の中をあちこち散策して待っていてくれた。仕事は盛りだくさんで、

@サインや看板を立てる杭(コブシの木)の皮むきと防腐処理
Aエントランスのカラマツの枝落とし
B「ささみち」フットパスのサイン試作、設置
C小屋周辺の風倒木処理

これらをテキパキとこないしている間にまずめ時になった。風倒木を片付けていると、オリエンテーリングの宮川さんがきてNPOの会費を渡してくれた。皆さんとお別れする5時頃、今度は瀧澤先生がきて、植苗のラミネートしたサインと、千葉さんが用意してくれたプレートをまず忘れないうちに手渡す。

その後、わたしたち二人は焚き火を囲みながら歓談。偶然二人とも広井良典著「コミュニティを問いなおす」を読んだばかりでその話も結構時間を割いた。広井さんは、スピリチャルな土地のつながりにも言及しているが、そこはわたしたちは素通りできない箇所だ。わたしは明日も早いうちに札幌から来るNPOの方に、ほだ木を若干渡す約束があるので、小屋に泊まりだ。そのため、焚き火の燃え盛る頃に、わたしだけビールの栓をあけた。軽い食事をしつつさすがに寒くなってストーブのある小屋に入り、暖のありがたさを知る。
 
久々の焚き火。そしてロウソクの火

ややして、月の見えない真っ暗闇の中、瀧澤さんを送ると、もう寝るだけだが室内が随分暖かくなっていてなかなか眠れなかった。ウツラウツラしているまに朝になったような気がする。何となくけだるい朝だった。しかし、5時前外に出てみると、冷気が気持ちよい。その静寂で最初に聞こえてきたのはセンダイムシクイの声だった。そのほか、アオジ、イカル、アカゲラ、ツツドリ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイス、など。こうしてけだるさが飛んでいく。ああ、早起きしてよかった…。
 
冥想テラスにて。目を上げればシラカバだけが開葉している

折角だから、焚き火のオキに数本の薪をくべてから、冥想テラスで身体をほぐし始める。風のない朝の空気を深い呼吸で身体に吸い込む。30分ほどでヨガ・アサナを終えて日の出の方向に向かって冥想へ。それもほぼ終わる頃、シジュウカラと思しき羽ばたきの音が耳元でした。鳥の手載せの経験で言えば鳥はわたしの1m以内までやってきて、石に化したわたしの頭かどこかに止まろうとしたに違いない。わたしは不覚にもその瞬間を目撃すべく身を構えてしまった。小鳥は乗らず、飛んでいく後姿を、わたしはとっさに冥想をやめてみやった。シジュウカラだった。冥想の継続と、小鳥の確認のどちらをとるか。わたしは小鳥の方をとったが、それでよかった。人と小鳥のつきあの歴史がないここは、餌付けよりも「石」になるほうが載せるには早い。とても残念だった。

ゆっくりお茶を飲み、フットパスのサイン設置を8時まで。

大島山林で、ほだ木を用立ててのち、勇払の海岸に寄り、「鳥よし」のラーメンを食べて帰宅。









 
林では準備体操をしていました

道具を出して伐倒のデモ

シラカバの樹液の現場で

樹皮をはいで時間をかけて枯らす
エコな方法も随所で
石狩市のトドマツ林で
2010/05/08 sat 小雨時々曇り 10℃前後


石狩市の市民カレッジで人の健康と森林をテーマにした集まりがあり、こじんまりした基調講演をさせてもらいました。まず参加者30名とともに石狩市の森林ボランティア「クマゲラ」(今回の催しの主催者)の管理する市有林へ案内され、メンバーの活動の内容が種々紹介されました。50年生ほどのトドマツの造林地で、今はその間伐を進めているさなかでした。資源の森のオーソドックスな林業的管理が丁寧になされていました。

昼前に現場近くの研修センターへ行き、今度はわたしの番。わたしのテーマは「里山の手入れと林の中のリラクゼーション」で、手入れを待っている林の手入れの基本は、「クマゲラ」さんらがやっている林業的なものが基本を支える、と前提を述べました。その上で、現今、身近な場所の林に美しい快適な場を作ること、それがNPO的な市民のステージであること、かつその場が人々の心身にとても力がありそうなことなどを、わたしのフィールドや国内外の画像を交えて駆け足でお話しました。

講演が終わると、市役所の方々を中心に数名がわたしの席においでになり、内容について質疑やら共感やらを交換。昨今、正式な質問の時間に挙手して質すというより、このように終了後に1対1でじっくり語り合う、ということが圧倒的に多くなりました。

役所の課長さんが、「まさかこんな話になるとは(思わず)…」と微妙な話をされたのが実に面白かった(笑い)。そう、こんな話はほとんどしないのですね、普通は。そんなこともあろうと、わたしはパワーポイントを使ってしゃべりはじめの部分、つまりマクラで、このページの上にあるリード部分を話しました。それで気を使ってくれたのでしょうか(笑い)。

このごろ、このマクラの部分がとても楽しみ。本論は、仕事みたいにテーマに沿ったノルマですから、マクラ部分こそ生きた今の気分を出せる、まあ、気を落ち着かせる一種のマジナイみたいなものでしょうか。ともかく、これが楽しくてマクラをしゃべっているうちに、持ち時間の3分の1が過ぎていたなんてことも何度かありました。(-_-;)







トラックのタイヤがちょっと可哀想な
重さだったかも


早い昼食が差し入れされた

林道沿いはこんなにすっきり

へとへとの面々。このほかに
Oさんとわたし
この冬の材を9人で片付ける
2010/05/02 sun 快晴 15℃
 

「雑木林だより」でずっと記録してきたとおり、この冬は、思いがけない人数の応援団が現れたおかげで仕事がはかどり、それがNPOの立ち上げたばかりの仕事に重なって、材の片づけをどうするか、が当面の課題でした。

その成否を分ける作業日が今日、5月2日でした。集まった町内会関係者が6名、いつものNPO関係者が3名の合計9名。トラックハイエースは新設の「薪組合」が用意してくれました。町内関係者もほとんど近日中に会員登録されるはずですから、まあ、実質、会の作業ということになります。

NPOはすでに山林所有者と協定を結び、保育作業と、除伐等による発生材の処分の了承を得ているので、林の中から林道へ材を出すという最もつらい作業を4月一杯で終え、後は町内会の有志(いずれNPO会員)が林の外へ運搬するのを待つばかりでした。

で、作業は、今年一番の陽気の中で、ズバリ、はかどりました。材は、地域通貨のように1m立法を1コモンと呼ぶことにし、1〜数コモンを会員の作業者に譲渡できるのではないか、と予想していますが、12月の作業も含めると、わたしのメノコ勘定ではざっと25コモンほどになりました。これらはいずれ「薪組合」とともに対応していくことになります。

それにしてもキツイ仕事です。女性4人も目一杯動いてくれました。まさに老いも若きも、地力に応じてトラックで何往復もして事実上へとへとになるほどですが、ピクニックのような陽気と楽しい野外の昼食に救われました。

この作業と前後して、ウッディーズの安部さんらが昨日から太い枯れ枝を高所作業で処理してくれています。林内散策で危なくないような手立てとして、これから随分注目されるべき取り組みだといえます。

 
高所作業の面々。コクワのツルが除かれ刻印のような凹みがドロノキに残った

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