10mmのドリルで穴を開け、タップを 差しチューブをセットする↓。 この下に、ペットボトルを取り付ける。 これが今、一番簡単な方法か。 20年にオリジナル生産したメープルシ ロップ。作品名は「勇払原野のspirit」。 右はカナダの市販シロップ。 |
イタヤの樹液、採取始める 2011/02/27 sun 雪 1℃ 金曜日の夜、oyamaさんから携帯に連絡があり、先週の係り木の周りがスズランテープが張り巡らされ、立ち入り禁止の看板がある、との情報。大島山林の作業の帰りによって判明の由。急遽、朝仕事を植苗病院に代えて朝9時半過ぎに3人が立会い。oyamaさんが用意したロープに、力を十分二に載せて、終了。 第2弾の仕事はメープル採取のセット。山の先輩である北大工学部のH先生から頂いたジョイント(昨年までは専用のある実のタップを使用)とチューブでカバーした。H先生は、当方の「落ち枝」を総合的な科学の面白さがある、と高い関心をしめしておられる。土壌凍結で毎年土が軟らかくなることと広葉樹林の腐葉土も関与している。それと枝の落下の態様とスピードなど。どなたか「寺田寅彦」になる方はおいででないか…。(笑い セット後、oyamaさんと緊張するわたし・爆 (撮影;nokoさん) そのまま、大島山林へは15分で移動。早々と昼食を終えて、ちょっと小雪の林へ。来週の薪材の藪だしに備え、nokoさんは大木の倒木を玉切りする。わたしは、作業途中、チェーンが切れるアクシデントあり、頓挫。 現場から帰る道すがら、nokoさんが「随分きれいになりましたね。」とおっしゃる。まさに。 (左)玉切りしたあとに雪降り積む。(右)雪煙りたち、墨絵の世界に。 |
ドイツの林業の現状を聞く 2011/02/26 sat 北の里山の会10周年の講演会に出席。林業と森林は、今、一部ではとてもホットな問題ですが、欧州の林業をじっくり見ている二人の話には刺激されました。特に懇親会で聞いたドイツのフォレスターが語る森林観などの石山さんの話はいずれじっくり聞きたいことばかり。で、10月のNPO総会のフォーラムで講演を頼んでおきました。雑木林だよりに若干メモしておきます。昨夜の案内PDFから下記引用。 <話題提供> 北海道大学農学研究院 教授 柿澤宏昭氏 (株)森林環境リアライズ 専務取締役 石山浩一氏 …「二人はこの2 月に、連れ立ってドイツの林業とフォレスターを視察。大いに受けてきた刺激と体験をいち早く、話題提供してくれます。ドイツと日本では森林環境、環境取組、林業政策などさまざまな違いがありますが、石山さんの、「ドイツは田舎暮らしの林業が成り立ち、フォレスターが誇りを持っている」という言葉は印象的です。お二人の話題をもとに、日本の持続可能な林業&森林づくりに対する「思い」「疑問」「ぼやき」を意見交換的にどんどん解放しましょう!」 石山さんの取って置きの話は、トピックだけメモしておこう。 ○ドイツ人フォレスターに北海道のシカ問題への意見「考える前に先ず撃て」と言われた ○林道の柄ロージョン対策は縦断勾配より横断勾配配慮へ。=かまぼこ型林道 ○萌芽の樹木は捨てろ、他人(親の根っこ)を当てにした木は大木になれない =実生がいいということ ○フューチャー間伐がお薦め(残す木(立て木)を決めて周りを間伐。ただし、不定芽発生を抑えて くれる陰を作る中木は残せ ○新月伐採はほぼ常識、付加価値高い ○馬は一日4立方m運ぶ。 (以下後日) |
この前の事故以来、本気で考えているのがこの看板の増設。床下にも何枚か残っているはず。 nemagariさんのライバルになるかもしれない苫東版アルカサルが少しずつ「アツマサル」。一番新しいのは、浜厚真海岸の拾い物。 |
セラピストに会いに行く 2011/02/20 sun 曇り トップの「日々の迷走」にも書いたのですが、あるフィールドでじっくり山仕事をすると、別のところはとんとご無沙汰になってしまう。そうして、場所の神様はちょっと嫉妬する、とわたしは思っています。なぜなら、小屋や林にお客さんがくると、喜んでいるような感じがするから。そんなわけで、小屋(雑木林のケアセンター)に1ヶ月ぶりに顔を出してきました。本音は、春が来る前に、じっくり「薪スト−ブする」必要がある、と直感したから。そして、薪ストーブと雑木林は、わたしのセラピストみたいなものですから。事実、このところ何とな〜く閉塞感がありました。 小屋では最初に薪ストーブに火をつけてしまえば、あとは何をするわけでなく、ただ、ネズミの糞を拾ったり、ストーブの灰を捨てたり、小屋日誌を書いたり。ただ、春の陽射しになるこの時期、妙にやりたくなるのがリコーダー。ベランダをバックにして、前の雑木林へ反響があるのです。思い出して今日は、リコーダーを出してみました。 しかし、む、メープルのソプラノリコーダーが高温のFの音が出ない。しばらくして、分解して穴を覗くと、なにやら詰まっている。チェンソーの丸やすりでゴシゴシ、削り落としたらようやくちゃんとした音色になりました。では、とアルトもゴシゴシ。 これは意外といい音です。2,3本でハモれたら最高でした。 そんな2月の日和でした。さすがマイ・セラピスト。 |
冬もフットパスはしっかり踏まれ ている 病院の林の隣接地は3年前に 皆伐された。それが今、こんな 風に再生。これが里山のサステ ナビリティだとわかっている人は あまりいない 持続可能な原因は、この再生力だ Mさんが手伝いに来てくれたので、 山仕事がはかどる |
今季2回目の植苗の保育 2011/0219 sat 晴れ 1℃ 今年は暦どおりに季節が巡るような気がする。24節気の小寒で急に寒さが屋ってl来て大寒の頃に本格化したから。札幌の雪祭りの直前から気温が緩んできたのはいつもどおりで、雪がない苫小牧はなんと雪かきは今季3回、そして昨夜はミゾレだった。 おかげで今朝は晴れ上がり、9時過ぎ、植苗病院へ。今日は午後、NPOの瀧澤理事が事務局長をする日本森林保健学会の北海道セミナーが開かれるので、大島山林の作業をこちらに変更して、作業終了後、みんなでそのままセミナーに参加しようということにしたもの。 今日の仕事の段取りは「掲示板」に「やまご通信」として一応記してあるので、わたしは予定通り、病院裏の若い林で間伐のテープ付けを始めた。10時頃にチェンソーの音が一台、2台と増えて、お、メンバーが着始めた、と知る。 思えば、このシステムは悪くない。自分が都合がよく好きな時刻に行き、作業ができる。里山というエリアの山仕事はこれができる。車で30分圏内だ。朝、早々に来るのはわたしだが、わたしは平日パソコンの前に座っていたり打ち合わせだったりで行動は固定している、というストレスがそうさせる。週末は、だから勇んで現場に来てしまう。それを40代からやってきたから、生活のリズムとしてパターン化してしまった。 他のスタッフは、他の用事がかさなったり、主婦の仕事を片付けてからだったり、遠方から駆けつけたりと、事情がまちまちである。そこを気兼ねなく、好きな時間に作業に入る。「いい加減」という言葉どおり、いいなあ、と心底思う。 思えば数年前に個人的に始めた植苗病院の「森林療法」の支援だった。先ず、間伐をひととおり進めてから、療法の集いの場を設け、さらに散策できるフットパスを創った。その小径は患者さんが毎日歩いてくれるから、次第にフットパスらしいものに変わっていった。昨年、ノーザントレイルという共通ロゴのサインを付けて、コモンズとも連動する取り組みになった。この数年にわたる取り組みは、森林療法の国内第一人者の上原巌東京農大准教授が総合的なプログラムのデザインをして学会などで発表、病院の瀧澤医師は直接、毎週のように療法を担当し継続している。今回のセミナーは、特に子供たちとの関係を「バルトキンダーガルテン(森の幼稚園)」に焦点をあてたもの。3時間はあっという間だった。 日高のF先生が症外区政の森の学校のプログラムを紹介 ============column================== ホームページのトップに書いた私見 ■2/19 日本森林保健学会の北海道フォーラムが植苗病院であったので、苫東ウッディーズの山仕事は午前中、植苗病院の保育支援に振り替えて、午後、フォーラム参加。テーマは「森で子供が花開くために」。予想以上の盛況で30名。森林が心身の健康、特にこころの情操にとても欠かせない、ということを新たに発見された報告を聞く。冒頭には、いち早く取り組んだというドイツなどの事例を上原巌さんから基調報告。 日本文化が森や里山の恵みに気づかなかったわけではなく、自然や林と付き合う精神風土があるところで寸断されているのだ。そのなにか。教育の舵きり、教育へのバイアスだと思う。それは「尊厳」というものの軽視と、言葉の自然保護への過度の傾斜が原因ではないか。身近な自然の場に光りをあて子供を連れて行き、大木や神社や高い山を経験させ、祖父母ともよく付き合い、手仕事の気持ちよさを繰り返し体験する。雑木林をプレイパークにしていくコモンズのささやかな営みは、その一部に関与するというミッションを秘めている。 ==================================== |
今日もドロノキを拝む こんな風に整理している 係り木に挑むoyamaさん 昼の憩い 木口がきれいだ ソリは今やすっかり必需品。 いざ、家路へ |
危うく足指を切断するところだった 2011/02/12 sat 晴れのちやや曇り -2度c 本州は大荒れの天候と予報があった今朝、苫小牧は快晴無風だった。これはありがたい。稼げるときに稼いでおこう。といいながら、雨の嵐と違い風雪は山仕事の妨げにならないから、予定の組み方は冬の方が確実になる。ありがたい。inabaさん、anさんは休みの予定、abeさんは鼻風邪で大事をとるとの連絡。 山林は昨年に比べ雪は少ないのではないか。この一週間、まるで降雪がないかのような踏み跡を、ドロノキ経由で現場へ。しかし、すごいことだと思う。多くの人が、わたしたちの踏み跡以外にも随分歩いている。冬だというのに、しっかりした雪の踏み分け道ができている。ほとんどかた雪状態かと思ったが、そうでもなかった。 10時半ころ、oyamaさんが来た。お互い、なんとなくエリアを決めてそこの藪や傾斜木、係り木をノルマとしているので、遠くで「やあ」と手を振って朝の挨拶。こちらが一段落したときに若干段取りをし、また黙々と仕事に戻った。整理すべき対象はウンザリするほどある。ツルや係り木を切っているので、なかなか進まない。それに積雪は40cmくらいある。しかし仕事がタップリ待っている嬉しさというのを、継続して経験したことのない人にはわかってもらえないかもしれない。その面積と量たるや、あと10年以上かかるのは明白だ。それも妙に嬉しい。社会の何の役に立つかもわからないのに、と思うと噴き出したくなる。 よく燃える焚き火を囲んだ昼食を終えてから、シラカバに押さえられているナラを倒して枝を整理しているときだった。大きな玉切りも終わってバーの上刃を使って太さわずか10cmほどのコブのある枝をやや力を込めて切っていると、急に抵抗がなくなってバーがすーっと左に進んで、安全長靴のつま先にあたった。一瞬だった。その軽いタッチで、鉄が入った長靴のオレンジの皮膜が破れた。 忘れないように、安全靴の傷を撮影。家でじっくりみたらぞっとした。2層のラバーが めくれて金属のようなものが見える。 もし、昨年買ったSTIHL社の安全靴でなく、ただのゴム靴だったら、左足の親指の付け根あたりを直撃していただろう。そこは、4年ほど前の山仕事で足指の靭帯を痛めて外反母趾になってしまったところだった。わたしは、自分の幸運に心から感謝した。そうして、しばし、後悔、反省と感謝を行ったり来たりして、そこに立ったままでいた。と、間もなく、意図的に気持ちを切り替えた。 oyamaさんはナラの係り木を上手く倒すことができた。太目の係り木はやはり工夫も手間もかかる。時には勇気も要る。わたしは歩くスキーコースをはさんでoyamaさんと反対側を修景しているが、こうして道の両側を攻めていくと風景はぐんぐん変わる。丸太も随分あちこちに積まれてきた。 こうしてみると、今現在、最も気になるのは、50mほど奥の倒木の藪ということになる。今日はじめてそこにいってみると、その正体は直径50cmの堂々としたナラの木だった。枝振りがあまりにいいので黒々とした藪にみえていたのだ。色々な木にもたれかかっているので、各々の枝に複雑なテンションがかかっている。こういうのは慎重を要する。半分までは順調だったが、ある瞬間にチェンソーがはさまれて、これは即断念してoyamaさんの応援を求めた。 ものすごい存在感だ。さすがの大木。左中央の赤い点は、 挟まったわたしのチェンソー 3時過ぎに上がってオキに火を戻して、チェンソーの掃除。そしてあるだけの焼けぼっくいを組み直してもう一度炎を上げる。つい、釣れた頃のルアーやフライフィッシングの話に花が咲く。「釣れた頃」というのがおかしい。少し、風が出てきて寒い。 |
スキーのスペースと歩く部分の 調整は何となくこんな風になった。 真ん中がスキー、ソリなどは両 端 カラマツの処理は一応こんな風に 昼の憩い 帰りの光景 |
シカ猟の惨事を語る 2011/02/05 sat 晴れ 0℃ 4person(+2/3&4 abe) 2日前から暖気となって今朝は0℃。8時頃から晴れ間が見え始め、まず修理に出したチェンソーを受け取りに田中林業へ。チェーンオイルが目詰まりのように出なくなったのだが、隔壁のような黒いプレートに穴が開きおがくずが固まってオイルを止めていたようだ。部品二つを交換して約1万円。ドッヒャー、予想外の出費だ。 わたしは焚き火コーナー脇の二股のナラは伐採せざるを得ないと考えていたので、誰も来る前にその作業を手がける。メンバーが三々五々集まり始めて、まず話題になったのが昨日のシカ猟の流れ弾によると見られる山の作業員の死亡事故だ。わたしたちには、実は他人事でなく、平坦な広葉樹林の作業者と、シカ猟が交錯するフィールドは常に事故の可能性がある。昨年は小屋のそばでグループが追い込みをしていた。この秋、「このエリア発砲禁止」の看板を立てることを土地所有者に交渉して実現させよう、と相成った。 4人は各々ばらばらの持ち場へ。わたしは件のナラを片付けてから幹周り240cmのコナラの周りを下見して、テープを付けておいた除伐木を倒してみた。しかし、このコナラを長持ちさせるためには、側面からジワジワと攻め込んでコナラの枝を枯らしているバッコヤナギやハンノキやカラマツを切らなければいけないことに気づいた。残すべきものを決めた後、被圧する樹木を伐採すること、これは多様で、複層の二次林を作っていくために必要となる作業と言える。 (左)オキをしっかり作ればこんな風に何でも燃える。 (右)コナラの周りの樹木を来週も透かしてあげよう 3日から続けて作業しているabeさんは、今、周回コース最後のところで作業している。oyamaさんは、下の三叉路のツル場、inabaさんは、チェンソーの不調で今日は藪だし。昼はいつもよりはやや盛大な焚き火をして、inabaさんのカップめんを今日もご馳走になった。 ============column================== ●[枝片付けのめやす] について 苫東でやってきた雑木林の保育の、業者の仕上がりとの違いは、伐採木の枝(うら木と呼びます)を細かく切ってササ丈より低くすることと、時々、小さくまとめる、ということです。これは、なかなか上手く言い表せませんが、無理して書けばこんな風になります。 @枝がササに埋もれるようにふた股の付け根を切るなどして細かくする Aときどき、小さくまとめる。大きくまとめるとネズミの巣になる可能性あり Bそのめやすは、春になって、枝に足をとられないで歩けて、かつ、遠く まで見透かすことができるように 私見ですが、いつもめやすを聞かれるのでここにコラム風にメモしておきます。 もひとつ、追加すると、 C枝や丸太の木口(こぐち)をそろえると、「人が手入れした」においがよく 出る。その以心伝心も心に映る風景をかえるみたい ==================================== |
nokoさんのヘルメットを拾って くれた人へのお礼メモ シンボルツリーに参拝して現場へ 人の足跡をシカがトレース |
山仕事のレッスン 2011/01/29 sat -3℃ 晴れ 9person 今週の25と26日の両日、abeさんが一周コース最後の支障木片付けをフィニッシュし、余力で先週の係り木と目だっていた藪を征伐してくれたので、今週からは前進あるのみだ。フットパスの両側50mを目途に面積をかせぎたいところ。あと3ヶ月あまり、やはり今季も全部で3haくらいこなせればスゴイ。 しかし、入り口部分のカラマツも枯れているものも多く、雪に埋もれた丸太もある。ここに保育モデルを創っておく作業は、まだまだ先がある。幸い今日は9時半前にファンクラブのchibaさんが応援にきて、10時過ぎには植苗病院の瀧澤先生グループが視察兼応援に。chibaさんには、藪ダシを、植苗病院のお二人にはカラマツの枝打ちをお願いした。 昼は例によって焚き火を囲む。新聞紙を忘れたので、文化炊きつけ2ピースだけで炎を上げた。nokoさんがお湯とヌードルを差し入れしてくれたので、今日も美味しく頂いた。つい、より便利な道具の話になるが、いやいや、このまま、不便な焚き火に頼ったままでいこう、見たいな所に落ち着く。 午後も、チェンソーの不具合、作業の方法、片付け方のあれこれなど、教えられたり教えたり、という学習の中で、しかも着々と仕上がっていった。 abeプロの突っ込み切りと3時過ぎのミーティング 昼前、Aさんが来られて、スキーのトレースが作業や散歩の足跡で踏み乱されていることに愛好者から今年もクレームが出ているという話を聞く。できるだけ踏まないようにしているが、狭い林道ではソリや長靴の跡はどうしてもつく。これは丁寧に調整しなければならないから、誠意をもって付き合いたい、とお話しした。当方としては、林道を作業用にソリと徒歩の足跡は付けざるを得ないし、それはスキーだけの道ではないから折り合いは付けられるはず。問題はスキー関係者が自ら開設した道のことのようだが、快適な歩く環境作りのためのソリの乗り入れや足跡は認めていかないと山林の利用は上手くいかない。話し合いは町内会長にしわ寄せが行ってしまうが、近いうち、NPOも出向いた関係者全体の話し合いも必要だ。 |
nokoさんの先導でドロノキへ 4人の道具 お互いに緊張する新人のレッスン 3時の憩い 陽は傾く |
新人のデビュー 2011/01/22 sat 晴れ マイナス4℃ 朝は-14℃とのこと 5person 朝8時、注文していた新しいSTIHLのチェンソーなどを購入のため田中林業機械に寄る。NPOとして、男女一組のセットを、マイ・チェンソー購入までの期間、貸し出すために用意しておくのである。これは実は新人Anさんのやる気満々の入れ込み様にもよっている。 9時過ぎ、現場駐車場前のプレハブで混合油とチェーンオイルを入れていると、だれかの気配がする。nokoさんだ。聞くと、燃料入れに来ることをHPで知って、事前に雪踏みをしてあげようと思ってきたとのこと。足元はスノーシューである。感謝。こういう気遣い、気働きには頭が下がる。それに、小屋にあった焚き火様のドラム缶が腐ってしまった後釜の相談をしたのを覚えておいてくれて、知人の鉄工所に声をかけボランティアで制作してくれることになった模様で、その設計図を持ってきてくれた。 この半割りドラム缶には足、ロストル、通気孔付きの本格的なもので、ベランダ用と外用の二つが別デザインで描いてある。ヤッホー!これはすごい。このNPOは、こんな風にして、善意の、ボラタリーなお金が巡るという運命を感じて、ちょっと胸が熱くなる。 nokoさんには、カラマツ林に点在するブッシュを払ってもらう。わたしは、ツルのブッシュのフィニッシュに取り掛かる。10時半過ぎ、oyama、anの両人がソリをひいてやってきた。abeさんも同時刻にフットパス沿線の現場に入った。 わたしは、新しいメンバーのanさんに、チェンソーのイロハを一通り教え、侮らず恐れず気を抜かず、のことどもをちょっと気後れしながら(得意でないから)伝授後、玉切りのレッスンに入る。数本の教本木を与えて(エヘン)、ようやくわたしはわたしの仕事に戻る。 昼、焚き火がやや不調。出だしの材料がちょっと生過ぎた模様。それでも、後半はしっかりサツマイモを投入。nokoさんは熱湯入りのポットをふたつ、ソリで運んでくれて、暖かいヌードルと最後にココアを振舞ってもらった。 3時前、abeさんが離れた作業現場から合流したので、焚き火を再開。そう、焚き火は消防に届出を行ったので、3月一杯、わたしたちの昼の焚き火は合法とあいなったのだ。これは結構すばらしい朗報だ。といっても実につましい、ほほえましい焚き火である。どういうわけか、いつも歓談は尽きない。 帰り際、4月に予定のシイタケほだ木のコマの話しとなる。oyamaさんが担当するのだが、シイタケ、エノキタケ、ヒラタケを各々1000コマ注文することにした。これは植苗病院の作業療法に向いている。 |
昨年の手入れは左側、右は 放置した林 作業経過を説明してくれるAさん 細めのほだ木が揃う |
持続可能な雑木林のために 2011/01/18 tue 晴れ 0℃ 苫小牧市内の用務後、苫東の会社でで環境コモンズ関係の打ち合わせをする。長年の雑木林の扱いの中で、間伐では保全対象の「ミズナラ・コナラ林」が再生されないことがわかったのだが、それを、保育の方法でどうやって常に再生していくか、で達したひとつのメソッドは「モザイク間伐」だった。モザイク間伐とは市松模様(グリッド状)で皆伐をする方法を、苫東と当NPOで付けた名前である。その心は、「小さい面積で皆伐を繰り返しながら、未来永劫、雑木林を再生させる」。 これは、具体的に言えば、十分な光りをあてて萌芽枝を枯れさせない方法で、全体として雑木林という広葉樹二次林状態を継続していく方法だ。苫東では今、ある企業とのタイアップで、この方法を試行している。この仕組みは、平成2年から、平木沼緑地で旧会社がほだ木生産をしながら雑木林の修景をしてきた手法の再開であり、意欲的な試みといえる。 一方、当NPOは経済ベースに乗らない保全緑地を対象に、「除伐」で修景→→「間伐」で本格収穫と修景、という段取りを想定している。 要は工夫。関心のある主体と所有者がどうつながるか。その仕組みが所有者の相手が企業なのかNPOなのか町内会なのか、その違いであり、そう思えば地域の工夫の余地は無限大だと思う。今回の作業の印象では、現場はつらいが、段取りの工夫が要ると感じた。 里山が荒れている、とか、生物多様性を呪文のように唱えるだけでなく、自ら環境にコミットメントしていくこと。そのひとつの現実的方法は、自分が各々の身の回りの保育の担い手になる、と名乗りを上げることである。 ほだ木生産では皆伐は間伐より難しい |
小屋に向かう林道はシカ猟の わだちがある グランパ・ドロノキに挨拶して 現場へ 昼、焚き火が数分で完成 新人anさん、雪の中から先週分 を掘り出す |
昼は焚き火で 2011/01/15 sat マイナス10℃ 快晴 4person 札幌、小樽、岩見沢あたりでは連日の豪雪だけど、苫小牧は今週はじめから晴れ続きで、わたしは通勤時、ほぼ毎日朝日を拝んでおります。贅沢な、といえば贅沢な。寒の入りのころはいつもそう。 今朝は先ず小屋に寄ってみました。不安を抱えつつ車で林道に入るのはいつもながら小さな賭け。小屋の前の切り替えしでは、安全策をとって事前に雪をはねたせいで大したトラブルなしで用務達成。小屋の室内はマイナス16度。 大島山林でのここ2回は、大物のツルのブッシュの片付けをしています。難航していたのが前回、糸口が見え始め、今日は、コツコツとツルを刻んだ。徒労感、焦燥感が漂う作業ですが、荒れた風景は確実に改善される。その達成感はやった者のみが知る。チェンソーを断続的に上にかざしたりもするし、足元はツルと枝なので、見た目よりもずっとつらい作業だ。昼前、oyamaさん、ANさんが加わり、各々の持ち場に入る。 ようやく片付いたツルの山。背中にも終えた現場がある 昼前、わたしは焚き火の準備をはじめ、マッチ一本、新聞紙2枚でちょっとした焚き火を作る。離れて仕事をしていたabeさんを携帯で呼んだが不通。やむなく3人、そこで昼食をとったが、焚き火付きの山仕事は楽しい。 左:昼 右:作業後のミーティング。午後3時。床が下がって広がる 3時前、所用で3人が現場を離れる必要があったので、後片付けとともにもういちど、オキから焚き火をおこし、上がってきたabeさんと4人、歓談。ついつい3時半ころまでだべってしまう。薪が、この林のコミュニティをくっつけているのと同様、焚き火は作業パーティをあらためてしっかりとつなぐ。 *1/18 町内会長と相談し、揚煙行為を消防に届出。1/22〜3/末までの毎週土曜日、作業と昼食の暖をとるための焚き火を合法的に可能になった。メデタシ |
積もった雪は綿のよう 小屋 小屋をあとにフットパスへ おじさん |
スキーで巡る林 2011/01/08 sat 朝マイナス6℃ 晴れ 2person 山仕事の前に小屋に寄ってみた。鹿猟のハンターが出入りしているので林道は轍(わだち)があるが、どうもぬかってハマるのが怖い。で、車は置いて林道入り口から歩いた。考えてみれば、ダレとも約束などしていないから別に急ぐ必要はないわけで、そう思いなおしてから、雪の雑木林をただただ楽しむ構えになる。帰途、愛用のスキー「ヘッド・レーシング」にオレンジのシールを張ってフットパスを歩いて戻った。スキーのラッセル運動こそ、弱った股関節に与えたい刺激だ。悲鳴をあげている。 実はこのスキーで、大島山林の採草地を闊歩して現場に行ってみたいと思っていた。地元のスキー愛好会は、この平原を使わずに、律儀に林道をトレースするのだが、わたしはそのルート選びはどうかと思う。この胸膨らむ雪原を横断しない手はないのだ。案の定、快哉を叫びたいフィールドだった。そこはU先生の居間から丸見えの雪原だが、U先生、気づいてくれたかどうか。 雪原から雑木林 林の方から団地 山仕事は前回から、しつこいツルがらみの藪に挑んでいる。今日は、絡んだツルはもちろん、関連する?つまり枝先をツルに絡めとられている樹木のほとんどを切ったのだが、その時点ではまだ倒れないで緊張の糸(ツル)が張ったままだった。最後に、倒れない木々を結んでいたツルをまとめて牽引していたカラマツにチェンソーを入れて、いわば「一網打尽」状態ですべてが倒れた。それでも、3時過ぎにまだボサ片づけを完了はできなかった。ツル伐りはへとへとになる。そして、不測の割れ方や動きするので気を抜けず緊張もする。 最後のカラマツとともにほぼすべてが倒れた 昼過ぎ、oyamaさんがやってきて、カラマツを調子よく伐倒。三叉路一帯の道路わきは、これでみちがえるようになる。3時過ぎ、一緒に帰る。 oyamaさん、カラマツの玉切り |
ミラクル枝の雪バージョン 初デビューの荷物運び用ソリ 散歩の町民とワンコ。犬ははしゃ いでいる Anさんが精力的に動く ツルに梢をとられて呻いていた キハダ。思い通りに伐倒 |
初仕事、3人衆に散歩ふたり 2011/01/03 mon 晴れ 朝マイナス6℃ 2person 元旦から続いて今日も晴れ。今日も誰にも声をかけない個人作業日。8時前に家を出て、まずつた森山林の山の神に参拝する。 その足で大島山林へ。今日はプラスチックの大型ソリを用意したので、現場への移動がとてもラクチンになった。ソリを持ち上げてみると、その重さがわかるが、かなりなもの。チェンソー、燃料、その他で20kgちょっとあろうか。鉄のフェリングバーや液体が少なくないから。 今日も間伐モデルを創る。まだまだ抜くべきものがあるし、それが延々どこまでも続くというエンドレス感覚。しかし、ひとつずつやるしかない。作業開始して小一時間して、abeさん登場。新年の挨拶と立ち話。今日のabeさんはフットパス沿道の支障木整理の後半を。 11時前、新しくNPOに入会した女性のAnさんが訪問。先日、活動は春からでどうでしょう、とお薦めしたのだけど実はすぐにでも身体を動かしたかったのだとか。この山林のこと、仕事の中身、準備するもの、チェンソー講習会のことなどをざっくりお話しして、丸太の片づけを12時まで手伝ってもらう。 abeさんとはお昼は別々にすることにしたので、わたしはそそくさと持参したおにぎり一個と今朝のパイの残りを立ちながら食べて、午後の仕事へ。どうも、右手の傾斜木とツルに絡まれた藪の一帯が気になるのだ。これさえ片付ければ先にいける。意を決して取り組む。案の定、関連するほとんどを伐らなければならない。30cm以上ある雪に枝などが埋まっているから、躓きながらの作業だ。2時半頃、へとへとになって終えた。週末、玉切りしなければ。 鉉(つる)が厚すぎたのか、俗に言う「ヤリ」が残った 3時前、駐車場でabeさんと一緒になって、立ち話に花咲く。 |
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