再び、生き物多様世界で
NO.80
2013/07/08~

手自然は人の手が創る。

混んでいく木を切り繁茂する草を刈り、

たったそれだけの行為に深い充足が得られる。

そして一殺多生を祈ると、

手自然は好もしい居場所に変わっていく…





皮むきはいい時間が流れる。オススメしたい。

仕上がりは6分ほどにして、焼きをいれ防腐剤を塗る。腐れ対策もあるが、カラマツは特に問題はトゲ。
ひたすら皮を剥き、きのこ採りへ

2013/09/28 sat  晴れ 20℃ 5名


薪小屋のい柱と土台に使うカラマツとトドマツ丸太の皮むきが、進む。メンバー4人に北大農学部のS君が加わり、定刻9時半から着々と。ただひたすら、持参の道具で剥くだけとはいえ、道具と腕、経験でスピードが違う。nakatuさんが、いくつか持参した小道具の中に鐇(ちょうな)に似た草取り鎌みたいなのがあり、これのスピードが一番速かった。残りはナタ、カッター、それとケレン棒改造の皮しき(研磨済み)。道具は思い思い。なかなか喜ばしい空間ができている。手を動かしながら口が自由だからか。

お昼、街路の落ち葉掃きをしていたYさんの奥さんと話す。林の伐採問題がいい方向にむきが変わったことを心底、喜んでおられた。また、広場の重宝さを実感しており、自身も近所では一番(ほぼ毎日)広場や林を歩くと言っていた。蚊がいるので完全防備でいく、というのだから、本格派だ。これはうれしい。子供たちも普段から広場をつかっているらしい。よかった。

おいしい、うれしいニュース。先日、薪3棚をお届けした江別の会員Fさんから、関わった方々へのお礼にと、ボルドーワインが半ダース届いた。分配するために広場に持参して並べてみると壮観である。気持ちを贈ったり贈られたりの関係に見えてくる。GDPには現れないそんなやり取りが、ローカルコモンズの動きの中では多い。さっそく、今日来た人にはその旨伝えて持ち帰ってもらった。

ワインはうれしい贈り物だ。

皮むきのような同じ姿勢の、局部を酷使する作業は長時間は禁物。午後1時45分、申し合わせていたキノコ採りをすべく大島山林を離れ、小屋に移動する。小屋は蚊の大群が待っていた。先発したoyamaさんの車の排気ガスに寄り始めていたのだと思う。5人で、昨年タップリ収穫できたあたりを中心に出向いたが、キノコは全くなく、そもそもほかのキノコの出も悪かった。残念だが仕方がない。
 
軍手やゴムびきの手袋の上からも猛攻。瞬時にやられる。敵も捨て身だ。大島山林はその点少なかったのは、やっと出てきた赤とんぼのせいだろう。毎年、赤とんぼが出ると蚊の猛攻は下火になる。

ちょうど、小屋周りに久々のヘビの抜け殻が見つかり、林の中にひとつ、やがて小屋の1階にひとつ、やがて2階ロフトにも見つかり、合計5体となった。それらを窓の下の薪の上に並べた。蚊をさけて小屋のなかで蚊取線香をたいてみんなで避難している間に、そのミドリちゃんがロフトから顔を出した。「わたしのこと、よんだあ??」といったタイミングだ。やがて全身をあらわにしてログの間にもぐりこんだ。

 
窓の下の薪に並べてみた。きれいな抜け殻のにおいをかいで見ると、やや生臭い。これは初めて。inabaさんがきれいな抜け殻でラッキーチャームを作るみたい。楽しみ。

わずか1、2週間の間に1個体が複数回脱皮することはないだろうから、小屋近在に生息する数は多く、過密ともいえるのではないか。わたしはそこは割り切っている。雑木林に小屋を作ると、それは生物多様性を育む砦になるのだ。平成9年に建設して17年目。小屋は周りを里山にするのである。それほど、人の営為がすき間(ニッチ)が生むからだ。試しに外に積んだ「枝オブジェ」「薪オブジェ」も使われていると思うが、すき間だらけのログハウスにまさることはないようだ。



アスリート姿のkai棟梁





oyama棟梁の設計図





皮むきはまるで奴隷の仕事だあ~~。しかしこれは心身の健康にいい。
薪小屋、見え始める

2013/09/21 sat 晴れ 25℃から20℃へ  oyama ,kai ,inaba ,take 4名

薪小屋の遣り形が見え始めた。すでに掘ってある基礎の穴の界隈に、二人の棟梁が粛々とレベルをとって杭やコマイを打ち、水糸をはっていくと、なにやらそこに1坪(1ユニット)の薪小屋がイメージされてくる。しかし、先の行程が長い。雪が降る前に終るだろうか。冬の作業場の前進キャンプも創らなければならないし。
 
 段々形が見えてくる

棟梁の遣り形作業の脇で、柱と基礎にするカラマツとトドマツの皮むきも開始。そのため丸太ヤードをまず刈り払いし丸太を積み直した。買ってきたケレン棒(恐らくcleanがなまったもの)は刃先が丸くて皮が剥けなかった。サンダーで鋭利にしてから再デビューだ。で、作業はナタで、ということになった。丸太にまたがって、ひたすら剥く。奴隷になったような気分だ。カラマツは渋皮まで剥かないと棘がささるから、特に要注意だ。
 
昼時、急に寒くなってきた。午前は夏、午後、秋。ボリボリは遅すぎたみたい。どうせ、また出る。

午後、わたしは昨年の新設ルートの刈り払いに出た。まだ手入れのしていない一帯は案の定、蚊が多く、無抵抗の顔、首、手を無差別に指す。作業用手袋の上から平気で吸って行く。草は繁茂状態ではないから刈りにくく、ダブルで欲求不満が募った。もう一度、ルート内の樹木を根元から伐採する必要がある。


ps;樹皮を剥く、カワシキらしいものを探したところ、それは壁のペンキなどをはがすケレン棒でした。もちろん、皮を剥くピーリングの専用器具は8000円ほどを用意すれば新潟あたりの会社から手に入ります。それをケチって、まずはナタを使用中。ケレン棒を購入して現物を使ってみたら、刃の部分が実はボンクラで、効果的に使うには鋭利な刃に研ぐ必要があります。で、やって見ました。サンダーで数分、これなら結構、いけそうです。




蚊に阻まれながらやっと積んだカラ
マツ


先週伐ったトドマツと合わせ、柱材
は十分。あとは皮むきがある


せっせと積む。人間一馬力の
コミュニティ林業の真骨頂


荷台から


ちょっと一息

いざ、出陣
また雨のなか、薪を積んで商いへ

2013/09/14 sat 雨のち曇り、午後遅く晴れ  inaba,kai,tsuduki,hekisui,tatibana,tkusakari 6名

本当によく降る。それも週末にかけてタップリと惜しげもなく、かつ苫小牧あたりを狙ったかのように。それにもめげず、薪小屋の穴掘りと、江別まで薪の商いをした。穴掘りはすでに掘った40cmを60cmに。剣先のスコップ1本で難儀した模様。

薪の商いは、江別の会員Fさんに薪を積んで運ぶもの。まず幸運にも借りることができた2トントラックのロングをレンタカー屋さんで借り受け、tsudukiさんと雑木林ケアセンターで9時に落ち合い、小屋のそばと、平木沼のはるか北のカラマツ林で、探してすでに玉切りしていた細めの丸太を20本ほど積んだ。雨は降りしきる中だったから雨に煙るはずが、なんと、蚊の猛攻で「蚊に曇る」ような作業だった。雨具を着ての最悪のケースである。「ああ、今日はどうなることか」。しかし、地獄はここまでだった。第一、この日、新車のトラックを借りれたことが奇跡であったのをあとで知ったのである。

降りしきる雨のなか、大島山林を目指すと途中、ゲリラ的な強雨になった。広場では、3人が車の中で待機中だった。お気の毒に、ゲリラ雨にたたかれて濡れたみたいだった。上村先生宅でお茶をご馳走になって、赤ちゃんと初対面などして雨が止むのを待ち、10時45分から1時間、約2.5棚を積み上げた。5枚のコンパネとシートとロープで固定し、1丁上がり。荷台の寸法から約8㎥を積んだことになるが、出荷場所の棚数では2.5棚、約6.8㎥。薪の長さが1尺ではなく35cmだから、その差が出るようだ。正解は7.5㎥弱というところか。

よしみくん。生後3週間。乳歯入れのプレゼントするからね。あ、そうか、それは君が使うものとはちょっと違うね。

江別のFさん宅へは234号、三川国道、北広(きたひろ)交差点から道道46号を北へ、国道12号を南西に戻って到着。所要時間は1時間半。薪は車を横付けしガレージにガンガン投げ込んで30分で終了。80歳を超えるFさんは薪を作れる林のそばにコミュニティのコーポラティブハウスを作れないかと健闘している建築家で、そのモデルのような大島山林に注目された。薪の需要と隣接森林の関係は、大島山林はまさにモデル的なのである。そしてコミュニティ林業は今、静かに滑り出している。
 
無造作に投げ入れただけのガレージ。お宅の向かいは木立の茂る公園。

Fさん宅でまず冷たいタオル、飲み物、手作りのおいしいアップルパイなどいただいて何となく落ち着いた。一応、初の直接商いが終った感がある。そこでペチカとボイラーを拝見した。素晴らしい。30年使ったペチカは堅牢で、近年、燃料をコークスや石油から薪にしてのち、2階の暖房も循環によって可能になったとか。ボイラーはペチカ本体の外にあるので、そこで煮炊きができる。ペチカの壁のこちら側はたたみの和室、反対側は瀟洒な居間になっている。
 
tsudukiさんと、仕掛けの立派さとシンプルさんに唖然とした。住宅は文化だ。

今回はナラ薪2棚と雑薪1/2棚で8万円で買ってもらい、喜んでもらった。ただ、大切な乾燥期間だった6,7月を野ざらしにしてしまったので乾燥が足りないのが気になる。8万円の内訳は次のとおり。

①ナラのみの薪 1棚30,000円×2=60,000円 
②込み薪 0.5棚 (カバ、サクラの混じった込み薪は15,000~20,000円) 今回はサービス
③運搬費 レンタル実費 2tロング 12時間 @15,750円 燃料代3,396円 合計約20,000円

である。NPO会員は人件費を今回タダにした。

帰途は、長沼のマオイの公園から337号に入って千歳空港に抜けた。長沼などの沿道の農村景観は、折りしも、黄昏時の斜め光線で輝いて見えた。それを高い座席の広い視野から眺めるので格別である。初商いの帰りという安堵もあって、かなりハッピーなひと時だった。運転を買って出てくれたtsudukiさんの、堅実な運転のおかげもある。そのせいでずっとくつろいでいることができた。帰途、携帯で穴掘りグループと連絡をとりつつ三々五々の散会とし、万事、上々の仕上がりとあいなった。

トラックを返却した折、ほかがどこでも借りれないときに、駄目もとで電話したここ(トヨタ・レンタカー)だけが何故トラックがあいていたのか、聞いた。すると丁度先日、新車の納入があって空いたのだと。まさにピンスポットにこの商いがはまり込んだようだ。9月以降は例年、農業と漁業関係で完全に抑えられるらしい。ということは、薪の商いは、割って、積む前、つまり6,7月に乾燥前のモノを搬送するのがいい。自分で干してもらうので、その分安くもできよう。

(追伸)翌日の9/15は朝から雨でお昼前後は強い降りだった。同じ雨であるが日曜ははるかに強く、やはり幸運の女神がついていたようだ。感謝。



穴掘り位置にはシルシがある






広場のフットパスはルートが二つに
なった


雨の中の穴掘りなど、そして夜は自治会との対話

2013/09/07 sat 雨 19℃ 昼2名+1、夜2名


明け方から強い雨が降って、雨雲レーダーは苫小牧を直撃するようにつながっていた。とても出かけるような天気ではない。早々に、今日は適当にしましょうと掲示板に一筆おさそい。中止としないのは各自の自由路線を尊重したいから。案の定、kaiさんからは「札幌が悪天ではないのですでに向かっている」という書き込みがあり、途中、千歳からも現在地の天候を書き、遠浅に着いたが誰もいないよ、という発信でレポートは終った。わたしは来週まで終らせべき仕事があったので出かける用意はしていたが、道具の積み込みで濡れるのがいやだから、雨が小ぶりになるのを待って、出発は10時前になった。コンパネ、ロープを買って現地へ。依然、雨の中だ。

大島山林も案の定、雨で、kaiさんは薪小屋の穴掘り中だった。わたしは小屋予定地の裏の林帯でトドマツの小径木(それでも直径20cmあまり)を探し、午後も入れて合計10本以上の柱材を確保し広場に引きずり出した。意外に重く、久々の力仕事にさすが股関節が泣いた。これで、約束した丸太はカラマツとトドマツで準備したことになる。昼は雨だったので上村先生の寒いベランダを使わせてもらい、二人で歓談。午後も雨が降ったり止んだり。oyamaさんが顔を出して棟梁二人が巨頭会談。14日の段取りも必要だ。

散会後、残りの丸太を片付けてからひとり長老宅へ。息子さんと薪切りをしていた。長話をしてもナンなのでややして小屋へ。雨にぬれ静かなフットパスを歩いてみたがボリボリもラクヨウもみつからなかった。その代わり、長さ2m近い超ビッグな落ち枝を見つけた。もう薄暗がりの五時半頃、散策の最中だった。林から出ると8頭のシカの群れに遭遇。
  
林道から小屋へ行く30mほどの道の真ん中に、小さな落ち枝がふたつ。そしてそのきたの方に写真中央のビッグ落ち枝。写真右はマズメ時のフットパス。一人の時間をおすすめしたい。

6時半から、遠浅の公民館で自治会幹部との懇談会にNPOの瀧澤理事と出席。NPO設立前後から初めての活動紹介である。実は設立前から、「よそもの」のわたしたちが山林の手入れに入るから顔つなぎをしてくれるよう自治会に申し入れてきたのだが実現せず、この夏ちょっとした事件がおきてそのヒズミが表面化したのだった。また、大変な誤解が生じていることもわかったから、あたらしい自治会長さんに礼を尽くしてご挨拶をし経緯を説明し、ようやく説明の会がもたれたのである。

集まられた自治会の8名の幹部のうち6名は初めてお会いする方であった。冒頭、「何分で?」と会長に聞かれたのでなんとなく「30分ほど」、と答えて始まった説明だが15分ほどしたら会長が「時間は気にしないでどうぞ」とおっしゃる。概要から、遠浅での活動の仔細、その背景まで語り終えたら、なんと、3倍の1時間半になっていた。そのうち10分あまりは瀧澤理事が受け持ってくれたにしても、なんというおしゃべりなんだろう、と我ながらあきれた。換言すれば、遠浅で進めているローカルコモンズの意味は深く、コミュニティ林業は先行モデルであるということにつながっている。
 
公民館での質疑。写真右はわたしの席。ニュースレター、自治会とのやり取り経緯memo、マップなど6種類。手入れ後の雑木林はパソコンでみてもらった。

色々な資料を用意したが、メインのかがみのタイトルはズバリ
『よそのもNPOは遠浅で何をしているのか』。おそらく町内会の方々が抱いてきただろう疑問をそのまま正直にタイトルにしたもの。説明後、質疑がなされた。しきりにうなづきながら聞いてくださったKさんが口火をきって、「町内の連携も悪く段々へんな方向に来てしまっていた」と越し方を総括された。わたしはNPOこそ怠慢だったとお詫びした。会長は、「とてもよくわかった。失われた4年をこれから取り戻せるのではないか」と引き継いだ。また、別の幹部の方からは、NPOの活動エリアの優先順位を代えて池周辺にもっと注力してもらえないか、という提案もなされ、いくつかの意見交換がなされた。小さなコミュニティはしばしば閉塞感を伴うと言われるが、事件も克服しコミュニティの善意がうまく結集するとき、そこにはソーシャル・キャピタルが匂ってくる。

会長はいずれ町内の住民が大勢いるところでも紹介して欲しいとおっしゃるので、喜んで何度でもお邪魔したいと伝えた。理事の瀧澤さんは自らの説明の途中にコミュニティに隣接する林は認知症予防になる、と話されたが、中高年の幹部らはお互いを指差しながら爆笑していたのをみて、とてもすばらしい展開になりそうだと思った。



わたしを撮るKさんをわたしも

小屋の入り口でKさんがシマヘビくん
を発見。よく見ると1m以上あって、
まったく悠々とドアの上部を伝って
丸太の隙間に入り込んだ
森林療法の取材に同行薪小屋位置だしなど着手

2013/08/31 曇りのち雨 20℃ 7名


昨年あたりから植苗病院の森林療法を取材しているNK新聞社のKさんと植苗病院で落ち合い、林の手入れと散策コースの主な3ポイントを案内した。さらにそのあと、小屋周辺のフットパスと大島山林を案内。

病院の裏の皆伐跡地はブッシュになった。皆伐して4年か。もう病院は見えない。
なぜパワースポットのように見えるのかもよくわからなくなった。あと3,4年もすれば
さらにオガッテトンネルになるだろう。


苫東コモンズのoyama、inaba、kai、tsuduki、kurita の5氏は、いよいよ薪小屋の位置だしと、inabaさんを中心に広場にフットパス・トレールを刈り込んで敷設。草苅一行は昼直前に合流、記念すべき瞬間なのに、画像にするのを忘れた。有志で「そば哲」に向かう。昼から予報どおり雨が降ってきて午後そのまま散会。草苅はKさんを空港まで送る。



oyamaさんは、なんとかヤマブキではないかといっていた

小屋の周りは秘められたウシコロシの群落。林道に腕を伸ばしたものを伐った

わたしの出で立ち。これが結構リーゾナブルだが汗はびっしょり

ツタモリ山林から小屋に続くフットパス入り口はこんな風。しかしまだ貫通していない
フィールドを点々とする

2013/08/24 sat 曇り時々雨 21℃  4名


大島山林の団地側皆伐問題は8/20の自治会の協議で、皆伐が回避されることになり、同時に道路と周辺の清掃は団地住民が協力して行うことを住民自らが決めたという。最悪のケースを避けつつ、結果的には最も望ましいところに着地したような気がする。衆議を繰り返すことでの方向性、交歓。そこには必ずのように冷静に状況を見守ってリードする方がいるのが常である。関係者の労を多としたい。

8月下旬ともなるとそろそろ草の伸びも止まる頃だ。しかし今年は間断なくタップリの雨がふって気温も低からず、高すぎることもない。それで総合的にどうなのかといえば、雑木林の樹木たちはいつになく今年の天候を喜んでいるように感じる。人間にとってはやや多湿とも思えるこの水っぽさは、樹木たちにとっては格好の環境に映る。虫による食害がナラなどには見られず、カラマツにコガネムシ(このあたりは通常オオスジコガネ)が部分的に大発生している程度だ。フットパスの一部の雑草はまだ買っていないところがある。来年のために、一度は刈っておきたい。

inaba、nakatuの3人が定刻前に集って二人はもうさっそく刈り払い機の点検中だった。お盆をはさんでの久々の山仕事だし折角だからと、まずコーヒーを飲んだ。ロケットストーブは今日もかなり快調に熱量を上げ、nakatuさんはビックリしている。森カフェでくつろいでから10時に仕事についた。ふたりは小屋周り、わたしと、後に合流したoyamaさんはつたもりルートへ。
  
1枚目=昼の風景 2枚目=かしわばらフットパスにて 3枚目=立て直した杭とサイン

午後から、かしわばらフットパスのサインを修理した。どうも、立ち木にサインを取り付けるとしばしば見えにくい場合があり、杭に取り付けると、土壌凍結と融解などで浮き上がって倒れることが多々あることがわかってきて、そのケアは絶えずこうしてしなくてはいけない。今日は4人で、杭の新設、雑草の刈り払いなど数箇所施した。特に沢から上がったT字路の正面に、左折の杭を立てた(下左写真)。農家の方に、一度断っておきたいところだ。コモンズ的な土地利用では、この辺の気遣いがもっとも大切なところなのだが、これは牧草の刈り取りの頃に顔を出して、一言オコトワリしておこう。
 
道に迷うところに新設したサイン。右は、展望台に向かう緑のトンネル。車道の不陸が整正され、樹林地も間伐、林床は潔癖に刈られて気持ちがいい。

最後は大島山林の、ミニ看板。山林を自治会とNPOが管理している、と書いたものが杭が腐れて倒れたのである。緑の防腐剤を塗った垂木を立てて打ち直した。雨降って、地固まるのような団地と山林の微妙な頃合に、再度「宣言看板」を立て直すという不思議な巡り合わせに内心少しだけ驚く。来週からの薪小屋つくりの段取りもした。4時に散会後、豪雨に遭遇。一日降ったり止んだりだったが、こんな雨に当たっていたらとんでもないことになっていた。この雨で室蘭本線が不通になってしまった。

乱立状態になってしまった看板。いずれ改善せねば



雨をタップリ含んだ雑木林は靄で
曇っていた







夕方、雨のフットパスをめぐる

10年近く前に切り捨てたカラマツ。
朽ちて苔むしていた
雨の谷間にロケットストーブを完成&試運転

2013/08/13 sun 雨のち曇り、再び雨 24℃


(やや、ふてくされぎみに)…いい雨が続く。骨休めだと思えば腹も立たない。本当にいい休日で、昨日土曜日は夕方家内と近くのスーパー銭湯でくつろいだ。(^_^)v

さて、今日。昼ころ、雨模様に谷間が見えたので小屋へ出向いてロケットストーブを完成させ、試運転をしてみた。初炊き、初釜とでもいうのか。先日、このストーブを完成させるためにinabaさんから別のペール缶をもらったのだが、こちらは錆びていない重厚なもの。それで、すでに作ってあったものを上部の継ぎ足しに役割変換しして、新しいほうを本体に仕立てた。そのため、グラインダーで煙突の穴あけからやり直す。鉄板が厚いのでなかなか難儀した。しかし上手くつながった。めでたし。
  
左=円筒からこんな炎が。まだ炊きつけのカラマツの枝に火がついて間もなく。中=火力はこんな塩梅 右=レンガと濡れた薪を間に合わせの台座にしてお湯を沸かした。そして瞬く間に湧いた

試運転して驚いた。とってあったわずかなカラマツの枝を燃やしただけで猛烈な火力になったのである。薪の板の木っ端をつぎこんだら、炎が円筒を突き抜けて猛烈な火炎となり、中華なべをかざしたくなるほどだった。そこでわたしは改めて実感した。「カーボンと空気でこんなに熱量が生まれる。木は宝のエネルギーだ。これを使わない手はない」。



雨の日の夕方は暗いほど。そこを喜びに胸を膨らませて傘を差してフットパスを歩く。林床が雨を吸っていつも以上にフワフワ状態。ほとんど虫もおらず、林にいる幸せを覚える。ベランダで小屋日誌を書いていると、若そうなゴジュウカラがアカシヤの柱にやってきた。家族連れで飛行訓練のようだ。親鳥が見守っている。今年2度目の孵化だろうか。



運営委員会

2013/08/10 sat 晴れのち曇り 25℃  7名


天候が落ち着かない。朝、曇りから晴れていって、午後また曇り空へ。ささみちフットパス、からまつコース、そして「奥のささみち」全線刈り終わった。kai、tuduki、oyama、inabaの各氏。今日は、北大農学部森林科学科のS青年がヒアリングにきたので、わたしはブッシュカッターを持たずにテーブルで話込む。11時から、大島山林と展望台を案内。展望台ではTさんとKさんらが刈り払いの最中で挨拶。小屋に着くと昼を過ぎたのに、inaba、tudukiの両氏が小屋周りを刈っていた。

1時半から、運営委員会。NPOは、総会の決定事項をできるだけ少なくし、理事会以下でことが進める仕掛けにしている。さらに現場の具体的なことは現地の運営委員会で衆議し、方向を決めて、あとは突っ走ることもあるし、よたよたとためらいつつ行くこともある。今日は、①NPO総会の件、②薪小屋の基本設計について、③大島山林の伐採問題経過、 ④チェンソーのスキルアップ講習、⑤ハスカップ・プロジェクトについて、⑥スノーモービルについて、⑦薪の取り扱いについて、の7件が議題。特に9月から薪小屋に着手するので、基本的な構想をねった。棟梁は今回、oyama、kaiの2名だが、これに顧問として長老の斉藤さんが参加してくれた。

土地の問題はもめやすい。コモンズは地域の課題解決のひとつの方法だが、一般的にコモンズ解決の特徴はきっと話し合いだろう。今日も、目の前の現状とその進め方を丁寧に話し合った。学生のS青年はビックリしたかもしれないが、コモンズ運営の実像が見えたかもしれない。カッコよくはない、目の前の壁を愚直に越えていくことの意味を知るには実は結構年数がかかる。一生これを知らずに人生を終ることも珍しくないと、わたしは思っている。


コミュニティ・フォレストの町内の合意形成について

2013/08/08 thu くもり 


大島山林の入り口の、区画道路沿い林帯の伐採が取りざたされています。先月初めにことの発端を聞いてから、なんと瞬く間に、最初にクレームを告げた方の意向に沿った形で伐採計画が進み、明日明日伐採しようという数日前に、全く別の考えの町民意見が提出され、林に隣接する方々みんなの合意形成の場が改めてもたれることになったようです。

換言し具体的に言い直せば、町内で解決の芽をさがし、自ら解決に向かうことになりそうです。本当によかったです。これが、もし、予定通り早々に伐採が行われ、異を唱える方々の怒りが湧き出して、これを新聞各社が記事にして動き出す逆回転を想像するならば、どんなにマイナスのエネルギーを費やすことになったか。どんなに今回の流れが自然で省エネだったか。わたしはシミジミよかったと思います。調整に当たられたN自治会長の労は大変だったと思います。まだ終っていませんが、果敢に調整される姿に当方は感動もしました。

(追記)

ここ4年余り、不幸にも、わたしたちNPOから町内の方々への事前の説明の道が途絶えており、不幸な誤解がこれまでも続きました。そのために、「ヨソモノが勝手にわたしたちの森に来てなんかやっている」という見方は払拭されなかったようでした。これはNPOの努力もむなしい非常に残念なことでしたが、今回の事件で改めて住民の方々のお話を聞いて回られた方の話によると、「NPOは実によくやってくれている」と評価しておられる人も少なくないことを漏れ聞いて、少し胸が熱くなりました。



瑛の丘のようには行かないが、一応シートの色は統一している

5名、ルートを分担して

ランなどを見つけると、すばやく寸止めして残すやりがい

お昼は日陰を求めて「来たの森カフェ」を移動
薪にシートをかける

2013/08/03 sat 曇りのち晴れ 24℃  5名


今年、薪が野ざらしになっているのが気になっていたので、朝一番、昨年用意したグリーンシートをプレハブから持ってきて架けた。ロープで控えをとるような面倒なことはせず、ただ雨を防ぐためのものと割り切り、シートの押さえはシンプルに薪。だから大風では飛ばされる心配がある。そこで、その辺にあった太い枝も利用して重石にし、飛ばないためのアンカーは、ビニールのロープで出っ張った薪に縛り付けた。こうすれば、飛ばされたシートが町内や林を狼藉することはない。

フットパスのめぼしいところの刈り払いはすべて終了。歩くスキーコースの風倒木も午後から整理した。フューチャー間伐モデルとしたコナラの広場も、完了。唯一残るのは昨年秋の新設ルート。これは夏のうちに1回刈り込む必要あり。

先週来、団地に接する林を一定の幅で伐採する話が持ち上がっているが、現実化しそうな勢い。ゴミ放棄などが原因で、まず車両の休息の日陰をなくすことで解決するというのであれば、それは本末転倒だとわたしは思う。緑は関係するみんなのものであり、もしたった一人の訴えから林の大木の帯が伐採に至るのであれば、コンセンサスというのがなさ過ぎる。100年近い樹齢の樹木をそうあっさり切るようでは、近隣の将来に関わるのではないかと憂うる。

たとえ、路線に面した数軒が「切って欲しい」と要望しているのであっても、隣接、それまた隣接住民はどうなのか。新住民と旧住民という対置はないかもしれないけれども、町内会有志などが中心になってコミュニティの合意を取り付けて欲しいところ。NPOはお手伝いできることがあればするつもりでいる。しかし、もう遅いかもしれない。








作業後、小屋にいって、chibaさんが補修してくれた「木になるベンチ」に防腐剤を塗る






エコストーブを作ってみる

2013/07/31 wed 曇り 23℃


早々に夏休みを一日とりましたので、雑事を数件こなしました。

うちひとつは、エコストーブ。かつて、NHKの朝のラジオ「ビジネス展望」で関満弘教授が紹介し、一昨日読了した「里山資本主義」でも出てきたものですが、昨今は、ロケットストーブと呼ばれて市販もされているものです。

わたしは原型のエコストーブの写真を見て、作り始めました。オイルのペール缶をグラインダーを使って煙突をくぐらす穴をあけ、用意した煙突を突っ込み、充填のためにパーライトという石を焼いた軽量材をを入れて完成。五徳はガーデニングのコンテナホルダーを利用。

所要時間は30分、材料費3,500円ほどでした。効果は来週小屋かどこかで試してみます。これで、コールマンやイワタニの煮炊きのツールが不要になれば革命的&楽チン、そしてエコ。



●今日のエピソード

①小屋に行って、2階においてある道具を下に下そうとしたら、そこに、「ミドリちゃん」が鎮座。入室の際に、振動や音をジャンジャンならして、主(あるじ)関係者であることをデモンストレーションしたつもりが、全く効果がなかった。もちろん、側で、「エヘン」とか「もしもし」などと声をかけても全く動じることはなかった。鎮座の場所は、2階ロフトの荷物(タープ)のてっぺん。理論的には、あの一帯(半径数キロ以内)でもっとも高温といえる。結局、予定任務は執行、達成できずに無惨にも敗退(トホホ

②これもひさびさに、勇払にて、われわれの隠語「ネコラーメン」を食す。長老と小屋に寄った帰りでもう1時前だった。わたしの2人後で売り切れで暖簾を片付けていましたが、わたしのラーメンのスープが激辛。しょっぱすぎ!たまあにあるのだ。しかし隣の客はスープを全部飲んでいたから、まさに匙で入れる塩加減が間違ったのだろう。店の対応はもうマンネリ化しているのか、味のチェックはしている気配がない。これは昔からだ。通って古いけど、現場にはクレームを言わせない雰囲気がある。くやしい(-_-;)


 
広場を縦断中の一行。右手の暗い林は手入前として説明。写真右
との対照を話す。質問は随時飛び交う。

 
折りしもオオウバユリの饗宴の時期。入り口側に来てからカラス
ヘビに遭遇。わたしは2度目。


入り口で記念撮影。


 
萌芽林の見立てと手入の方向について考えを述べる山本さん。
右は萌芽の具体的な手入れを実技で示す森林整備公社の
倉下さん。林はかなり暗いが赤外線写真のために明るく写って
いる。

 
札幌の斉藤さんや旭川の山本さんが珍しがったサンショウ(左)と
ムラサキシキブ(右)。胆振は違うのだ、とわたしは少し誇らしく思う。
自宅の裏山はサンショウの丘と呼ばれるほどサンショウが多いのを
思い出した。ムラサキシキブは育林コンペのあたりにも出てくる。

 
わたしも珍しかったミツバカエデ(左)。アオダモ(右)の萌芽が
随所に。これで杖を一本作った。


やはり札幌以北のみなさんが知らないのはこれ、スドキ。40人中、
知っているのは一人だけだった。味を知らなければ興味のもち
ようもない。わたしは、この葉柄のみを摘んで持ち帰りおひたしに
してみた。十分食に適していることが判明。

コープさっぽろの森づくりワークショップで

2013/07/27 sat 曇り時々小雨 夕方土砂降り 20℃
 40名

NPOは25年度、コープさっぽろの「あすもり基金」の助成を受けていることは以前にもご紹介していますが、この一環で、40名がバス一台で大島山林に。「あすもり基金」はコープさっぽろの社会貢献事業で、毎年複数の団体の環境保全活動に助成を行っており、当NPOはそのうちの高額助成をいただく幸運を得たのでありました。

今回のワークショップは、掲示板の7月25日の書き込みにリンクさせましたチラシのとおり、「Fの森&むかわ回復の森」第3回森づくりワークショップというのがタイトル。これはコープさんが取り組んでいる道民の森の「Fの森」事業を市民の手で遂行していく一環で、同じくコープさんの鵡川の町有林における植樹と保育事業で研修しようというもの。大島山林の視察は、若い鵡川の萌芽林の将来の姿をイメージするために、ひとつの手入の事例を見ようというものでした。先方の事務局との下見は1ヶ月前の6月29日にしました。

10時、薪ヤードのテーブル前で、まず現在の場所、遠浅や室蘭本線の時代変遷のなかの意味、さらに苫小牧一帯が日本のエネルギーと北海道の流通の要衝として重要な役割を負ってきたこと、そのために市民は自然保護と開発という社会課題にいつも触れざるを得なかったことなどをざっとお話した後に、NPOのミッションである、自然環境はみんなのもの、だからWIN-WINで保育の担い手になろう、というあたりを、これもさらりとお話しました。

恐らく、住宅地に隣接してちゃんとした林があり、そこへ誰でも入っていいと環境や、薪がたくさん運び出されていることなど、ぴんと来ない方も多かったはず。当方は、パンフ、ニュースレター、マップ、それとレジメを用意して手短に、ていねいにお話したつもりでも、この背景と森づくりをすとんと瞬時に理解してもらうのはむずかしいでしょう。でも、みなさん、熱心に耳を傾けてくれました。歩き出す頃に小雨になり、林の中が丁度雨よけになり、誰も傘を差さないうちに1時間半の説明を終えました。コースは青テントからコナラの大木へ右折し、ドロノキと池を経て入り口へバック。800m程度でしょうか。

鵡川の四季の館で昼食をとってから向かったのは、むかわ町(2006年、鵡川町と穂別町の合併で誕生)有林で、コープさっぽろさんが社会貢献事業で無償借り受けした林、名づけて「回復の森」。近くには「イオンの森」なども。10年前と30年前の皆伐跡地の萌芽再生林と、若干のカラマツ造林地が含まれます。森林の長いステージから言えば、林になる前の、一番見苦しい段階の「藪」ではないでしょうか。普通なら入りたくもないブッシュですが、みんなで入れば「なんとか意味が見つかる」、そんな林。

しかし、所変われば植生が変わる。苫東から恐らく直線距離で20km程度しか離れていないのに樹種が大分違ってくるのです。「もりネット」の山本牧さん、道庁の齋藤さんらと、植生や林の取り扱いについて意見交換しながら、よその森を訪れる幸せをまたまた味わいました。個人的なことを言えば、こうやって森づくりの目利きが少しずつ幅をもち向上してきたような気もします。

わたしは午後4時から、大島山林のある遠浅の新しい自治会長にご挨拶とNPOの説明に伺う予定があったので一足先にこの藪をひとり離れて、ほぼ予定通り、遠浅に戻りました。約1時間半、密度の濃い説明ができ、町内会とのパイプができたという実感を持ちました。自治会はこの春から、とても丁寧に池周辺を管理し、これからは本当の意味でコミュニティの森として大事にして、当然NPOと協力していきたいという考えもお持ちのようでした。準備に動き出してから6年あまり、NPOとして関わって4年目。いよいよ第2ステージに入ったという感じがします。これはまた静かな喜びであります。
























大きなミズナラで気を感じる。
  

イグチが出始めた。

ヤマシャクヤクの実生。

柏原の採草地の真ん中に座る。
ささみちフットパスを歩く

2013/07/21 sun 晴れのち曇り(霧) 22℃


投票をしてからフィールドへ。週に一回はなにか作業じみた運動をしないとどうも気がすまない。小屋の日誌「雑記帳」を開くと、原口代表夫妻と大野さんが昨日のハスカップ摘みのあと、ここへ見えた足取りがわかる。「懐かしい」と記されていて、奥様はミニ野草園の手入れをされたようだ。見てみると、ヤマシャクヤクの回りにはたくさんの実生の苗が育っており、なかなかの繁殖力を伺わせる。今年のNPO総会は小屋にしよう、と決めた。

コナラの小径、いわゆる「ささみちフットパス」を歩いてみる。久々だ。作業のウォーミングアップがてらで、手製の杖を持って入る。わたしの特製の杖は落ち枝をかがまないで径からポイするのに欠かせないツール。「ささみち」は快適な、和みの空間であり、歩きながら、小さな気づきがやってくる、不思議な場所だ。

昼過ぎ、まず林道の刈り払いをする。先週inabaさんが終了した後から育林コンペのabeさんゾーン手前まで。このあと、薪小屋土台のカラマツを伐倒、玉切り。今日もたった2本倒して玉切りしただけで音をあげた。猛烈に汗だく。

大島山林に回る。入り口から池周辺は今年2回目の刈り払いがきれいに進められている。会長が交代してから、手入れのグレードは激変した。NPOとは完全に棲み分けるという意思表示も見えている。すでに連絡済であるが、NPOと遠浅自治会は新しい段階を迎えそうである。

柏原試験地に寄ってから、柏原フットパスへ。牧草はきれいに搬出されたあとで、刈り跡が茶色で生々しい。3ヘクタールほどの採草地の真ん中に座ってしばし佇んだ。帰途、湿地に顔をだすと、サギスゲ、ヒメワタスゲの白い穂が盛りだった。ツルコケモモの実が青い。
 

コモンズのフィールドは広い。





 
週の始めに寄ったときは、熟した実の数は昨年よりずっとすくなかったが、やはり数日でリカバー。oyamaさんも涼しげに摘む。
 
inabaさんは行くつめの収穫か。Sさんは日々の激務の谷間に、近年は連続参加。
 
アンさんととアオタンのツーショット。
 
懸命に採取に専念したのは午前のみ。午後は約半数が食事の延長でお茶。hunakiさんは砂訓年のハスカップでつくった塩漬けのおにぎり持参。

来年、また。面々の健康を祈って。
ハスカップ摘みに集う

2013/07/20 sat 晴れ 23℃  28名


(トップページから)…薪は人をつなぐ。これは本格的な林の手入れを始めて薪作りをホームページに描くようになってからの、偽らない実感。昨日のハスカップは、その魅力と美味しさがやはり人を呼ぶ、という感じかな。みんなが手に入れたい特別の自然資源。ナチュラル・リソーシズ。昨日はそれをNPOが独占しました。また、どちらかというと社交はほどほどで、多少シャイだったり、自然から感化を受け本音は純朴な方々の方が多い集いだったかもしれません。地味で落ち着いた感じがよかったです。ハスカップ畑の藪に入ったきり、ほとんど顔を出さなかった人もいました。ひきこもり、それもよし、です。


思えば、地味な作業が多くあまりレクレーションらしいものがない当グループですが、ハスカップ摘みはその点別格です。ハスカップのために入会されたメンバーもおいでですし、誰とは明確に申し上げませんが(笑い)、友人知人の分もまとめて採取して、勇払原野の恵みを少しずつお裾分けしようとされる奇特な方もおいでになります。これはハスカップをはさんだ美しい光景のひとつでしょう。

昨日の朝のある新聞の特集は、わたしが昨今特に興味を持つ国、フィンランドの、かつ好みの映画『かもめ食堂』が扱われていました。あの不思議な映画の映し出したかったことはなんだったのか。まず、原作者の群ようこさんはフィンランドのなかで立ち居振る舞いをする日本人女性の「たたずまい」だったといいます。たたずまいとはそこはかとないしぐさ、か。涙を拭く人に、どうしたの?と聞くのではなく、そっとティッシュを差し出すような、あるいは、新しいお店が誕生したら、毎日そっと通りすがりに目を留めてみまもっていくような、でしょうか。

確かに、テンポというものが全く違うようなフィンランド人と、急いでやることが素晴らしい、と思い込んできた日本人の落差が、あの、小林聡美のテキパキさが映していましたし、夜、彼女が習慣的にこなす合気道の膝行(しっこう)のエクセサイズも、東洋の摩訶不思議さみたいなものを漂わしていました。で、なにを読み取れいいんだ?みたいな疑問は、何回か見たあとでも頭に浮かんできます。

監督の荻上(おぎがみ)直子さんによれば、のんびりのように見える彼らフィンランド人は「仕事に入ると集中し、国民性でもある粘り強く妥協しない精神を示す」のだという。そして微妙な光線の色加減ひとつにも、とてもこだわった仕事をするのだとか。確かに、あの映画は不思議な作品であると同時に、人はどう生きればいいのだろう、というみんなが持つ淡い未明部分に、ちょっと異質な価値観を投げつけられる。


そんな記事と対照的に、ドイツから苫小牧に住んで20年のアン・畠山さんが今回は顔を出してくれた。アンさんは瀧澤先生のドイツ語の個人教師で、わたしと同じく苫小牧高専で非常勤講師を務めるという同僚でもあります。彼女は、ハスカップのメインテーブルでいろいろなお国事情と、「びっくりニッポン」を語ってくれました。

北ドイツのあのブーメランの近くの人口6万人のマチに生まれたアンさんは、小都市苫小牧にきて本当によかったとシミジミ言うのです。ドイツではコンビにもスーパーもなく、ゲームセンター代わりに森や自然と遊ぶ世界をとても楽しんできており、今もそれが人間にとって本来不可欠なんだ、という確信を持っています。そして、東京はおろか札幌にもあまり行きたくないとおっしゃる。さらに、「子供たちには悪いけど、うちの子供たちは東京デズニーランドを知らない」。


たまたま行ったことがないわたしも「それでいいのだ」とうなずきます。これだけは譲れないという一線はゼロに近くなったわたしたちのニッポンですが、なに、世間は移ろいです、思った方向に動いていきます。



この日最後に行った薪ヤードの絶景。芝とテーブルと薪と林の
コンビネーションの美しさはさすが。
シンプルでこころが洗われる気がする。

 
入り口の看板の足元を刈り払う(左)。
トラクターが刈った林道の仕上がり(右)。

 
午前後半のnakatuさん、inabaさん(左)。inabaさんが駐車用に
刈ったところは実は雑草ではなくてチモシーという立派な牧草。
農家もときに立派なクレイマーになるのを何度もみてきたから、
これからは避けたほうがいいかもしれない、と思いました。
左は昼過ぎに最後の片付けをするabeさん。

 
農家は林道までタネを蒔いている(左)。
林道も畑だと誤解されるのはいけないし、フットパスの刈り払い
によってここが公道だという意思表示にもなる。
右は、草むらに忘れられたサイン。雑草を刈ってからサインを
立て直す。
フットパス一斉刈り払い進む
   ~「北の森カフェⅡ」の美しい光景、輝く~

2013/07/13 sat 快晴 24℃ 7名

いよいよ、青草の茂るシーズンになって、除草モードにシフトしてきました。今日は柏原フットパス以南の各所を手がけました。

まず、柏原フットパス周辺は、農家が一番草の刈り払いをはじめ、フットパスに利用する農道もラフだけど刈った形跡があって(ありがたい、改善だ!)、再度刈るべきか微妙なところ。結局、二つの農家グループがいつも手がけない沢の中の道を優先しながら、フットパスサインのまわりを刈ることに、inabaさんと申し合わせ、漸次あつまるメンバーにはinabaさんから告げてもらうことにした。わたしは、フットパスから工業用水を経由して苫東中央インターチェンジに向かう近道を刈りに向かった。

昼前、最終確認でルートを回ってみたら、刈り払うサインを見落としたり、サインの向きがちがっていたり、サインそのものがなかったりで、アレッと思ったのでした。考えてみると、今回は初めての人も数人加わったのでこれは仕方がない連絡不行き届きでした。その上、ルートを誤認して刈り進んだところも発生してしまいました。地図くらい用意し、サインの場所を告げておくべきだったか、と反省。一部、無駄骨になってしまいましたが、農家は濡れ手に粟か。(笑い

昼は、四方山話に混じって、運営委員会と作業打ち合わせ、および情報交換の時間になります。主要な作業メンバーみんなが顔をあわすのは珍しいから。薪小屋のイメージも言葉で色々話され、わたしはそれをメンバー共有の絵にすべくペンを走らせましたが、今回は不発に終った。薪小屋はグループ作業になることは間違いないから、簡単なものであっても図は不可欠ですが、さて、どうなるでしょうか。

蚊がいない。心身がくつろぐ昼

作業は、①小屋から育林コンペに向かう林道のセンター部分 ②豊川に抜けるショートカット林道400m ③自然復元モデルルート 600m ④薪小屋用カラマツ伐採、が残っており、手分けして分担。昼が遅かったので着手は2時だった。それにしてもフィールドは広いから、刈り払い作業に追われるのが恒例になってきました。フットパスは8月末か9月上旬にもう一度刈る必要がでるでしょう。4時半に散会。

わたしはそれから遠浅に寄って、薪ヤードを確認。刈り払われた広場あまりに美しいので、薪に登って撮影。今年は特にオペレーターが良かったのか、刈り払い機種のせいか、仕上がりがきれいだ。とても美味しいサラダを目にしたような気分。以前はアワダチソウやスイバなど雑草畑だったが、刈り込んでいるうちにやや牧草が半分程度になってきたようだ。さらに刈っていけば牧草が優先する広場になる、というのが個人的な経験によるわたしの読みだった。

それでなんとか土地所有者に土地所有者にトラクターによる年2回の刈り払いをお願いした経緯がある。2haほどのひろばだから、合計4ha、そして刈った草を集めて除去してこの仕上がりである。経緯を知らない人は当然だと思うかもしれないが、これは大変な手間、即ち経費である。結果的に、実におかげさまで大体思ったとおりの光景になってきた。もとは畑だったため残念ながら牧草の種がもともと少ないけれど、時間をかければ牧草地のような状況になるはず。とりあえず、とてもいい。今を楽しまないでどうするんだ、という感じ。「北の森カフェ」の第2号は、有難い幸運の上に出来上がっている。

さて、araki薪組合長と薪をめぐる話。業者が来てこんな薪なら要らない、と率直に感想を述べ、一応会社に戻って検討してみると言って帰ったらしい。

わたしは率直にarakiさんに繰り返した。「昨年の事例の反省から、そうならないように、①売り物専用のナラ薪を用意し ②それらは先方が嫌がる細い丸太を混ぜないで ③35cmにそろえ、これを昨年よりやや高い価格で業者に買ってもらう予定だった。棚数は8棚と去年の半分だが、売り上げはあまり遜色ないはずだった」と。ところがなぜか、arakiさんは身内のメンバーにいい薪(ナラ)をあげようよ、と言い出したのだった。

冬の間、現場で働いてきた薪ストーブのメンバーは、薪が持続的に入手できることでまずはオンの字であり、シラカバやアズキナシ、もしもそれにカラマツが混じっても使い道はある、といっていることを何度も説明してきたのだった。色々な木が混じったいわゆる「雑薪」と「ナラだけの優良薪」のどっちがいい?と聞かれれば、もらえるんならナラがいい、というのは当然。そうかもしれないけれど、メンバーはみんな、そこはとても良識があるから、そんなことを言うはずがない。事実、Mさんは最初から「雑薪」を希望されたようだし、Uさんも質は二の次にしても継続性を優先するだろうとわたしは思う。しかし、最後まで身内に優良ナラを、という意見なので、わたしは先輩をたて一応折れたのでした。

人生の先輩に失礼とは思いつつ、ここは大事なところなので、昨日、なおも問いただすと、大きな行き違いがあったことがやっとわかった。

お互い、人に思いを伝えるということは本当に難しい。ギリギリの現場に関わることが多くなるとこんなことが随分増える。NPOでは、今のところ、怪我や事故や大損害に至らないからいいが、リスクはいつも転がっており、それを回避するために、お互いのコミュニケーションは欠かせないと改めて痛感。facre to faceでも電話でも、よく話もするarakiさんとわたしですらこうなのである。

以上、薪案件は、せめて主たるメンバーだけでもあるべき考え方を理解し共有しておくために敢えてやや細部まで書いた次第。

「長く」「穏やかに」「上手に」、コミュニティの林と付き合い、利用していくためには、人間関係も丁寧な声掛けやコミュニケーションが必要だということでしょう。これを上手くこなしていくところにソーシャル・キャピタルが積み上がると言うことではないかと思います。しかも、実は、こうして物事を進めていくこと、これって人生の醍醐味であり、人生最大の道楽でもあります。



inabaさん寄贈のイス、3脚

ここはおしゃれなロケーションだから、おしゃれなイスがよく似合う。北の森カフェⅡ。絞り優先にしてみたが、被写界深度はパッとしなかった。
 
フタリシズカは随分増えた。オシダは存在感あるから残そう。
 
ナラの根元のコナラの実生。消えるのか、生き延びるか興味津々。1㎡あたり10本もある。ベンチで記念撮影する。
 
育林コンペのわたしのビフォーアフター。
選択的な刈り払いとミドリチャンの登場

2013/07/07 sun 晴れ 26℃ 


7月6日の土曜日は、わたしは札幌で仕事。NPOのスタッフはoyamaさん、inabaさん、shunkenさんの3氏が酷暑の中、思い思いの現場を制覇された模様。大島山林の薪周りも整頓され、一方、小屋へ行く静川の林道の中央部分も全線ていねいに刈り払われていました。また、育林コンペのkai/tuduki両氏がオーナーの一角も刈り払いが進行。恐らく、一番寂しい作業ゾーンはつた森山林に抜ける「自然復元モデル」のフットパス。これはoyamaさんが途中まで刈り込んでくれた様子。今までは主にわたしの担当できましたが、ここは林の見通しが非常に悪く、逆にシカなどの隠れ家には最適な場所ですが、なんとなく独りの時はクマスプレーでも持ちたい気分の場所。いずれにしても、土曜日の作業、お疲れ様でした。

7日の日曜日は大島山林を経由して、まず柏原試験地。今年はセイタカアワダチソウの入浴剤を作ろうかという話があったのでつぼみの状態を確認したのですが、まだつぼみは見えませんでした。国道235号に出ると、さすがに奥の林道にはハスカップ採りと思われる車列。そうか、ハスカップか、と風物詩を思い出す。

小屋では、まずベランダで音を立て振動も響かせて、小屋内外の緑ちゃんらをいったん穴などへお引取り願って、ドアを開ける。混合油などを出し入れしつつ小屋内部を見回したが姿は見えず。今日の仕事はまず、小屋周りの刈り払い。大体次のことに気づき、選択的な刈り払いを目指すことにしました。

①2,3年前からの林床刈り払いで、ミヤコザサは確実に減衰
②その代わり目立ってきたのは、チョウセンゴミシ、フタリシズカ、フキ。チョウセンゴミシは今は匍匐性なので、このまま這わせたい。
 フタリシズカは点景になるので残したり刈ったり。コウライテンナンショウやランなども、刈り払いの際に寸止めして、残した。
③気になるのはフキ。フキは大型化し、雑木林の雰囲気にちょっとそぐわない感じで、繁茂されるのは避けたいので、ラインカッターで全部刈ったほうがよし、と判断。
④オシダも増えてきつつあるが、これも残した。存在感有り、深山をイメージさせるから。

そんな風にして、選択的刈り払いをしてみました。つい林床に入ってみようか、という程度に草本が敷き詰められ、わざとらしさもない風。ただ、面積はやってもやってもきりがないし、現在の広さで十分なような気がしました。草本を「タクバツ」するなんて、風流だなあ、暇だなあ、とあきれつつ。

独りの昼ごはん後、保安林の係り木を一本倒して玉切り。この暑さのせいか、少し気が遠くなりそう。7月にチェンソーをもったのは数年ぶりかも。2mと2.5mを計6本確保。育林コンペの自分のゾーンでは林道の中央線とのり面、林床の一部を刈る。こうやって毎週のように通うことで何かが変わっていくはず。当面、通うことにしたい。

さらにその北のカラマツの造林地で、薪小屋用の数本を物色、そうして小屋に戻ると4時前だった。木になるベンチで佇んでいると長老のご子息Y君がやってきた。立ち話をしていると、軽トラックの1m脇に緑色のミドリちゃんが居た。小屋から遠征に来たのか。薪の上にもどこにも姿が見えず、どうしたのだろうと思っていたのが、こんなところに。
 
ミドリちゃんは肉眼で見るとまさに緑。実に悠々と、真っ直ぐ小屋を目指した。小屋を棲みか、隠れ家と認識している風である。

ミドリちゃんはおもむろにinabaさんが片付けてくれた腐れた丸太へ入り、そこから全身もあらわに見せて小屋の薪へ。薪を器用にくぐりログハウスの「ログエンド」にとっかかった。そのまま、グングンと上に進んで、2階の当たりに到達して丸太の重なりを探していた。このログハウスは重なるノッチ部分の技術的フォローが未熟で、外から何でも入り込める仕組みなのだが、ミドリちゃんはそこから出入りしていたようだ。抜け目ない。道理で、わたしは2階のロフトで何回かミドリちゃんを見たし、2階に糞もあった訳だ。夏、ロフトに上がってみるとわかるが、酷熱の地獄。ミドリちゃんらは、あの酷暑が御所望だったのかも知れない。


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