老いは多少無口だが
NO.74
2012/07/076〜


自然とは感性で付き合おう、などといっていながら、
その感性とやらがどんどん閉じて、錆びて、感動すらしない、
見下げたものになった、と驚くことがある。

ひごろ、もっと感性や知覚全般を磨く訓練でもしようか、という気分には
まだ、どうしてもなれない。で、思いがたどり着くのは、
「それが老いというものだ」。

高齢者福祉という部分ももちろん支えのひとつだが、
老いを意識し始めた人びと、ずっとその老いの中にいる人びと、
その多くの人たちの声なき声、つぶやき、
そこになにか、人生を俯瞰する設計図的視点があるような気がする。
老いは多少無口だが、老いは病気ではない、
と胸をはってわたしの60代を生きて見たい。この風土と共に。




暗い林に刈り進む





Tさんは夜勤明けに






キノコが多い。赤、シロ、黄色、灰色、黒、茶色、大小さまざま。














残暑見舞いに恐縮しつつ、刈り払いは一段落
2012/08/25 sat 26℃ 曇りのち晴れのち霧 4人


郷里の母が他界して猛暑のみちのくから昨日帰道、苫小牧は天然エアコンが働いて熟睡できる温度でした。これはどう表現すべきか。昨朝、フェリーのサウナで一緒になった方は、大事にしていたワンちゃんを数日前、東京都内で失ったばかりだ、と言っていました。ペットも大変な本州の夏。近親者も多いのでお悔やみ申し上げたい。

大島山林の入り口看板周辺、シンボルツリー周り、それから歩くスキーコースの3班に分かれて刈り払いを昼過ぎまで。歩くスキーコースは地元を知った人らが高齢者を中心にして、同好会が組織され冬だけ活動していたのですが、昨年、コースの補修ができないとして解散してNPOが今年から刈り払いを引き継ぐことになりました。

山林の刈り払いは今回で一段落しました。U先生前の広場とその奥の草地も土地オーナーが刈ってくれたので、今は見違える光景が広がっています。テーブルとイスは、今日はU先生前にセットされ簡易テントの日よけ付きでした。
 
2回目の刈り払いが終わった広場。
誰かがセットしたらしいテーブルセット。

わたしは小屋に向かう途中に柏原試験地の周辺で撮影。セイタカアワダチソウが満開になって、一段と原野景観が凄みを増した、その光景を撮っておきたい。おお、マイルド!帰化植物などと排斥するムキは多いけれど、わたしはこれも許容したい。
 
アワダチソウが満開。先週刈ってみたフットパス試験。これなら可能かな。

小屋では昼食後に、奥のささみち、ささみちフットパス、小屋前と分担して刈り払い。4時前に散会。


これで今季の刈り払いのメインは終りました。これからの草の伸びは知れています。残るは小屋からつた森山林への裏道、風倒木跡地のエコミュージアムロード。この道、こんな名前で呼んでいるのはわたしだけだが、30年前の台風跡地がこんなふうになる、という実物はもっとお伝えしたい気分。

ビバ!昼食!@小屋 この時間がたまらない。

 
ササミチを刈っていくと一輪のクルマユリ。そして葉っぱに見惚れる。










夏の残りの作業を片付ける
2012/08/18 sat 曇り 22℃ 5名


暑くはない、ちょっとぬるい程度の今日の気温。柏原の試験地に集合して、「沿道多用途地区」の中核部分を刈り払う。このエリアはNPOの、ちょっと変わった仕事で、放置された試験地を中心にして柏原の風景の魅力を格上げさせるもの。野生草花、カシワ、それとドロノキ、アカエゾマツの造林地がミックスした独特の広大な台地をキャンバスにして、修景してみるのが狙いですが、見取り図はなし。なにせ、開拓時代の香りが残る、タイムカプセルのようなところ。是非、土地の魅力を発揮した上手な土地利用、緑地利用を望みたいところ。NPOはその伏線を用意したい。
アワダチソウの中へ刈り込んで見る。

先ずは沿道のゴミを拾い、路肩を丁寧に刈り、カシワ林をすっきりさせ、造林地までのアクセスを確保し、道路向かいの別の試験地も見通しを良くさせ、できれば、柏原フットパスまでフットパスを伸ばしたい。今日はそのすべてを5人で。小学生のタイチ君がゴミ拾いなどを手伝ってくれた。

 

お昼は小屋で。午後、育林コンペ前後の林道の刈り払い、つた森山林へのルートの刈り払いを黙々と。それと看板を一枚新設。
  
写真左=新設のセンター案内看板、写真中=放置された林道の復元。両側は40年前の台風跡地。放置してもこの程度に植生は復元するという見本。天然の植生遷移のエコミュージアムにしたい。右の写真はタイチくんの片付け風景。

小屋にはミドリちゃんらのフンがふたつ。彼らはここをトイレだと勘違いしているのではないか。人間が外でやっているときにどういうことだ。脱糞はしているのに今年は抜け殻がフンの脇にない。






切ると、薪が出た↓
夏休み2日目は汗かいて終わる
2012/08/10 fri 曇り 24℃

夏休みが職場から3日与えられており、その2日目をばらして今日使う。生憎の小雨が振りそうな天気。週末の所用で見通しが利かないので、大島山林のシンボルツリーそばの胡桃の枝折れを片付けに行く。ついでに、シンボルツリーの周りと四阿(アズマヤ)の周りも刈る。最初は高所のこ、次はチェンソー、そして最後に使ったのは刈り払い機。いや、なんとも猛烈な汗だ。腐れかかった枝の上で作業しているとき、今季初めてこめかみを蚊に刺された。さすがに居るところにはいた。
  
あーあ、と着替えてからくつろぐ。眠くなる。薪は購入者を待っている。そろそろ来始めた。

広場で涼んで、柏原試験地周辺の撮影、のち小屋によって帰る。
  
沿道多用途地区(柏原試験地)周辺の野草群落。正直、生え揃っていて美しい。


















美しい夏を支えているもの
2012/08/05 sun 20℃  曇り時々雨  5名
      

降るような降らないような微妙な天気予報でしたが、こういうときはとりあえず現場に行くというのがわたしの習いで、結果的に今回もオーライだった。9時過ぎに、HPの掲示板で告知してあった大島山林の駐車場に行くとabeさんの車がすでにあり、かつ近くに刈り払い機のエンジン音がない。ということは、30分近く前にabeさんはここに来て一足先に一周ルートに単独挑戦のはず。と、かつての活動スタイルを勘案して適当に別の分担イメージを作って、現地に散った。

さみだれ的にやって来るメンバーの後発組みには、入り口から攻めてもらうことに。わたしは入り口の看板周りから、縁石、路肩の雑草を受け持つ。入り口は大事だが、ただ恐らくここに大きなギャップがあるはず。例えば縁石と歩道のすき間に草が一杯生えていても地元はさほど気にならないものだ。が、訪問者はこの状況ひとつで、ここが管理の担い手が充実しているか、一発で見抜く。これを部外者がやってしまっていいものか…?、そんな疑問も湧く。だが、人間の美的感覚は向上も廃れもするもの、その差は、生活感覚やコミュニティの充実度の変化に関わっていく。とりあえず、アズマシイ環境を求めてみよう。
刈り払いさえこまめにすれば、雑草だって芝生のように見える

他方、そうでもない、みんなセンスは持っているんだ、ということがわかるのはUさん宅。作業を追えた頃、ご夫妻は不在だったのでメンバーのよしみで家庭菜園と庭を見せてもらった(下、左2枚)。とてもこぎれいに手入されている。また、Uさんから30mほど離れた方(右)も、野菜とエントランスのガーデニングをしっかりしている。オープンスペースの林側と、宅地側がタッグを組むような形でコミュニティ的な修景をできれば、実はこれが最高だ。不動産的な動機ではなく、コミュニティの環境改善の自然発生的な流れともいえる。あるいは、アイリス団地が全道のガーデンコンペに出る時代が来るかもしれない。そのときは是非、コミュニティの林のガーデニングも視野にいれたものを考えて提案してほしいものだ。
  
こぎれいなカントリーライフを髣髴とさせる庭づくり

縁石の作業の仕上げは、森カフェのテーブル周りで、これは半径10m程度の範囲を刈り込んだ。そんなこんなでエントランスからフットパスまで、かなり大掛かりな刈り払いが済んだことになった。

一行は、二つに分かれ、一つは柏原試験地のカシワ林のササを途中まで刈り、残りは小屋の周りとアプローチで刈り払い。午後1時近く、4人がやっと一緒になり昼食。そのあとは雨も断続的に降ってきて、作業は諦め、歓談に費やす。歓談は運営委員会となる。4時前に散会。

小屋のベランダでしぶしぶ、しかし楽しそうに歓談する


kaiさん







hekisuiさん
育林コンペの準備始まる
2012/07/28 sat 曇り時々晴れ 28°4人


本格的な夏になりました。蚊のいない猛暑はしかし悪くありません。たっぷり暑い夏を味わうからこそ、寒い冬にもへこたれない、そんなエネルギーもこの猛暑にはありそう。

その猛暑もものかわ、刈払いは進みます。小屋周りはさらに笹刈を拡大した結果、林道から「木になるベンチ」までスコーンと見通せるようになりました。林道も動物検疫所の入り口から連続して平木沼まで、現在9分どおり刈り払いが終わって、お盆に突入。
久々の平木沼

昼食後、kaiさん、hekisuiさん、oyamaさんの3人を育林コンペの担当部分に案内。この秋から、大島山林とは別に個人で一人0.5ヘクタールを預かり、保育するイベントを始める。6ブロック用意して、林道をはさんだ反対側は、手入れのされていない保健保安林が対置される。保育の見本であり、かつ一人でどの程度の林をこなして行けるかのデモでもある。木材を薪として循環させながら、広葉樹林のサイクルにあった保育をして最終的には「仕上がりの美しさ」「エネルギー利用」「エコロジーと多様性への配慮」がどの程度行われたか、などを評価しあうことになる。
 

育林コンペの看板を作った。看板は、ひとつずつ、当NPOの統一された緑色に代えていく予定で、大島山林のマップ、フットパスとハスカップサンクチュアリの看板はすでに終わった。そのシンボリンクなミドリちゃん(アオダイショウ)は、小屋で尾っぽの30cmを脱皮させ、残りはoyamaさんが朽ちた薪置き場に発見した。つなぐと1m以上ありそうだ。ミドリちゃんはそういえば、15年も前からこの古い薪の上に寝そべっていたものだ。大好きなんだろうと思う。

ミドリちゃんの抜け殻

それから、3人が刈り払いに生を出しているころ、看板を一区切りさせてから、懸案だった小屋掃除を断行。何を今頃、というほどずれ込んでしまった。発電機をつけて掃除機をかけていると、昨年縄を置いていたあたりには、つまり、2,3度脱皮されたお好みスポットには、虫の死骸に混じってヘビちゃんの糞のあとが2,3。これらを丁寧に吸い取ったけれどなごりは濃厚。秋に、デッキブラシでこすらねば。人の住処に維持するのは大変だが、負けちゃいけない。


勇払原野の初夏の風物詩「ハスカップ摘み」
2012/07/21 sat am9:30--pm4:00 曇り時々晴れ 19℃
 32人

これといった特典もないNPOですが、ハスカップ摘みと雑木林に関連する作業体験や薪作りはちょっと特別の性格をもっているかもしれません。ハスカップはなにせ、もう原野で採ることは至難で、かつ健康にも抜群、そして美味しい。ちなみに、参加者の間では最近「塩漬け」が注目されています。なにか、口の中をさっぱりさせたいときなど、これに勝るものなし。

ゆるく集まり、自由散会するこの「ハスカップ摘み」、今回は会員関係者30名が参加。ただダラダラと各自の都合に合わせて集まるため、、誰がきているか、どういう関係かをすべて知っている人は事務局のわたし以外おらず、この日も、ゆっくり来られた中條さんと北野さんの奥様のことをご存知の方は皆無状態だったようです。

苫東の立地企業のハスカップ行事は先週300名の参加だったといいますが、実はタップリ、たわわに残っていました。むしろいつもより、収穫はおおかったのではないでしょうか。幸運だったのは、今年、蚊がいないこと。したがって、のんびりした快適なハスカップ摘みになりました。


   

   

   

わたしは家内がハスカップを摘んでくれるので、10時前に会場を離れて柏原のフットパスへ。前回の刈り残しが結構あったのでその片付けに出かけました。折りしも、酪農家が牧草ロールの収穫運搬の最中で、きれいな2番草もフィールドを覆い始めていました。
   

汗のついた作業服を脱ぎ再び着替えて昼前にはもどって昼食。そのあと若干だけ実を採ったあと、ザリガニの沢できれいなフキを見つけたので、それを夕食1回分採取。入り口を一周して散策するうち、この一帯の風景、林道景観の基礎は、昭和51年から25年ばかりの自分の執務期間に概ね出来上がって、現在も維持されていることが手ごたえのあるものとして嬉しく感じられた。あまり知られていないが、ここ、つた森山林は所有者を代えつつ約100年以上の間、SATOYAMA的に使われてきた手自然である。その起源といえば、入植した蔦森百一氏や息子の春明氏でであり、さらに現在の基礎は賛否両論の渦巻く中、将来の北海道の経済を見通して生産性の低い農地を2次産業用にチェンジしようという決断、その関係者に負うところが大きい。長期プロジェクトの成否の評価は短期の眼だけではむずかしいと痛感する。しかし、北海道全体では、その総括がされているようにみえないのは少し手抜かりではないかと思うことがある。原発の議論とも通底している。
   

ふたたび、つた森山林の一帯の話しに戻れば、わたしの上司でもあったMさん(写真2段目、左から2つ目が記念碑)のリーダーシップだったといえる。ハスカップのこの移植にしても、いずれ現地からの移植が迫られることが想定されたので、先行して毎年500本前後ずつ移植してきたものだった。その成果が積もりつもって数万本のストックになったもので、経費にしても実は莫大になる。地域の農協や全道の希望者にも配布したので、その手間たるやこれまた膨大だった。わたしの20台後半は柏原などの数箇所の植栽試験とハスカップの世話が中心に過ぎたと思う。ハスカップでこんなことを思い出したのも久しぶりだった。
今日のわたしの収穫=フキと、ハスカップ200g


うごめく小鳥の骸






久々顔を出したシマヘビくん






切れた尻尾が痛々しいミドリちゃん、
あるいは親戚







oyamaさんが拾ってきた新しい巣。
シマエナガのものかという
おお、いろいろな生き物とともにいる実感  〜あなたはこれに耐えられるか〜
2012/07/15 sun 19℃ 曇り時々晴れ 6名


この頃、土曜日の所用がぶつかる。どこも平日確保が難しく、まさにノンプロフィットの催しは休日になるのだ。かかわりの手の数が増えれば増えるほど、土日はきつくなるなあ、というのは近年の実感。と、abeさんは、掲示板など告知をご覧にならずに昨日の土曜日、みんなと会うのを楽しみにして作業にきて、不発だったとメールをくれた。その代わりといってはナンだけど、悔しさを跳ね返すように、フットパス全部と小屋周りのササ刈りを一杯していってもらった。おかげで風景は、ますます、グングン変わってきた。

さて、その風景の方は現在進化中で、去年よりは少し広めにSATOYAMA的な光景を創りたい。ミヤコザサのように丈の低いものでも、刈って見ると、開けっぴろげないい感じは比べ物にならない。どこにでも踏み込んでいける開放感覚は格別だ。

着いてから、段取りをしていると、何となく周辺というか林全体のテンションが高いと直感した。夏特有の盛りあがり感だ。今、花鳥風月のもろもろが活性化しているのではないか。鳥の声が多種で、かつ大きい。イカル、ツツドリ、アカハラ、キビタキ、キツツキなど。と、感心している間に、まず、ベランダで鳥の死骸とヘビの抜け殻を発見した。ゆうべ、そろそろミドリちゃんたちの脱皮が始まるかな、と予想していたところだった。

ベランダで死んでいた小鳥は、頭のないゲレイとブルーが混じったような羽で、腰に茶色が入っている。羽をつまんで起こすと、案の定、ウジが湧いている。そのウジの動きが伝わって骸(むくろ)全体がうごめいている。蠢くという漢字にすると、ウジがうごめく様子がよりリアルにイメージできるだろうか。鳥に詳しいoyamaさんは、ヤマガラではないかと言う。ヤマガラの肩辺りの茶色が見えないのでナントモいえない。ノビタキかなとも思ったが色のバランスは違うし、林の中に普通ノビタキはいない。羽のブルーからやはりカラ類か。茶色にこだわれば、付近によくいるゴジュウカラか。身体はもうちょっと大きいような気もするし、羽に模様が薄かったからハシブトガラあたりか。タカにでも追われて、ベランダの丸太かガラスに直撃したか。時々、こういうことはあったが、15年ほど前、ここでヨタカの骸をみたときは、ちょっと生き物多様社会の真ん中にいる、と感動すらした。生物多様社会の魑魅魍魎。

それで、今度はヘビの抜け殻だ。これはまたもやベランダの天井の桁にぶら下がってするりと脱皮したようだ。4mほど落下することなどなんでもないらしい。tudukiさんが来ていたので、この抜け殻を見せてから、もっと抜け殻がないかと小屋を一周してみた。薪のそばに来たとき、右手50cmあたりに異様な気配。「ぎょー」。小柄な茶色のヘビが薪に身体を一巡りさせ、しかし、顔はしっかりこちらを凝視している。驚いて声を出したわたしにwelcomeを言っている様だ。tudukiさんのもといた愛知は、ヘビといえばマムシだったようだ。今眼前にいるヘビはシマヘビである。

小屋の出入りをしている何回目かに、玄関ドアの下においてあったサイン用の円盤が入った袋のところになにか先端のキレた尻尾が見えた。ぎゃー、もひとついた〜。今度は黒っぽい緑色。きっとアオダイショウだろう。どうも皮がガサガサしているように見える。脱皮直前のヘビの皮というのはこんなものなのだろうか。思えば半年以上、着っぱなしだ、冬眠していたとはいえ、荒れるのは道理だ。来週あたり、三脚の下あたりに抜け殻が見つかるかも知れない。

作業は小屋周りのササ刈りを中心に、これはinabaさんとtudukiさんが、oyamaさんは林道の入り口からこちらを、わたしは先週来、昨日のabeさんまでの作業エリアで刈り残したササと、樹木の周りに生えて刈り残された草本をナイロンのブッシュカッターで仕上げ刈りをしたあと、豊川へ続く近道林道を一人小一時間で刈った。ささみちフットパスにモトクロスが入っていないか、確認もした。今のところ、新しいわだちはないかわりに、エゾシカが闊歩した生々しい偶蹄目の爪あとが一杯だ。干上がった水溜りに残された足跡を数箇所観察してみたが、ヒグマの足跡はなかった。シカとアライグマ(あるいはタヌキ)のようなものだけだった。

また、この秋始める育林コンペの予定地を下見しておいた。15年前の跡地でも、手入れしたところとしていない放置箇所の差は一目瞭然だった。15年で、もう抜き切りしなければならないということは、林が成長していることの証だ。

 
コンペの看板が消えかかっていた。右の写真の右側が放置された雑木林。

もうひつ、今日は小屋の向かいの保安林に半折れになった枝が気になっていて、それとアプローチのカラマツの枝打ちも懸案だった。先日、なぎなたのような枝切り鋸を購入したので、これは瀧澤さんと初めてのHさんに任せた。簡単にデモしてから、若いHさんに預けた。
  
Hさんの枝落としを瀧澤先生がサポートする。右の写真はこの日見つけた落ち枝ふたつ。

昼休みに三々五々みんなが「森カフェ」に集まって昼食。ややすると、oyamaさんだったか誰かが、あ、タヌキだ、という。15mほど林道よりのササの刈りあとでタヌキがナニカを食べていた。まったくこちらを見向きもしないで、ナニカを漁っている。それにしても何と言うことだ、蚊が全くいないで、しかしカミキリやゾウムシ、アマガエルからヘビ、鳥たち、タヌキとシカなどが、この小屋周辺にいて、あるものはここを根城にしている。きっと、ピザ窯や薪や枝のオブジェには、コウモリや数種のネズミが住んでるか住み始めるだろう。しかし不思議なことに小屋の中に蛾の死骸が全くない。蛾が発生しなかったのだ。ということは、ミドリちゃんらの重要な餌がない。だから今年、脱皮の回数は減るのではないか。

WELCOME タヌキ。

午後の作業後、三々五々散会。わたしは歓迎会で札幌に行くため、oyamaさん、inabaさんより一足先に3時過ぎ現場を離れた。




訪問された技術士会の面々

このテーブルで、炎天下、資料
説明

ハスカップ・サンクチュアリの看板デビュー
2012/07/07 sat 曇り時々晴れ 20℃くらいか 4人


6日金曜日は、道央技術士会の面々を大島山林、かしわばらフットパス、小屋の雑木林に案内した。NPOのことももちろん紹介したのだけど、話し手側の話の核心になるものは、土地の新しい管理方法。なんのこっちゃ?と思われたかもしれない。で、テーマは『これからの用地管理とコモンズ展開』。今回訪問された技術士のかたがたで、このような内容に直接関係した方はおいでにならなかったようだが、地域の片隅の細々とした営みは紹介できたと思う。そして質問された。「地域の人たちのこの取り組みへの関心はどうですか」。わたし、「特にほとんどないようです」。フォーラムの開催などを通じて感じてきたことである。とりわけ、行政の方はほとんど誰もこなかった。

さて、7日は、いよいよ、そのかしわばらフットパスの刈り払いを開始。酪農家が1番草を刈り始めるのと一緒になって、あわよくば農家の方が、歩く道も刈ってくれれば大助かりなのだけど、人によって違うから、NPOメンバーは、サインの周りと酪農家が刈らない道を刈る格好になる。先行してinabaさん、hekisuiさんが刈り払いに行き、わたしは「かしわばらフットパス」の看板を書いて立てかけてから、サイン周りの草集め、修正、見通しを作るための調整としての刈り払いをして追いつこうとしたら、12時半になっていた。電波が届かず、携帯の連絡が途絶える。スタート地点で合流して、小屋へ。
  
看板の向こうは採草地。一番草の取り入れ開始。2週間後あたりはきれいな緑になる。防風林に囲まれた採草地を縫ってフットパスは続く(左)。木陰と炎天下が断続的に続く(中)。今回はサインを丸太の輪切りに切り替える予定だったが、まだ使えるのでヒモをビニールの縄に代えて様子を見ることに。

モミジの木陰で昼食後、4人で小屋周りの笹刈り。あっという間に新しい景観になったが、あと1日くらいかかる。

そそくさとハスカップ・サンクチュアリに向かって、現場事務所にことわってから現場に入る。わたしとoyamaさんはサンクチュアリの看板を立て、inabaさんとhekisuiさんはさっとハスカップ採取を始めた。看板は、足に当たる垂木を忘れてしまったので、ハンノキの立ち木で代用する。その曲がりがいい。仮止めのつもりだが、当分はこのままで行こう。

ハスカップサンクチュアリはハスカップの苗畑のようにハスカップがびっしりの自生地だ。たわわな実を見ながらエゾセンニュウとウグイスなどの声を身近で聞く幸せは、なつかしい。現場に入るとき、歩いて戻る数人のグループがいたのだが、トップを歩いていたのは白人の外人だった。そう、欧米人はベリーの採取が好きで、30年以上も前にも、柏原で野いちごを積んでいた西洋人家族がいた。原野でベリーを摘むのは、風土に引き寄せられる季節の祭りなんだと思う。サンクチュアリはすでに踏みあとで一杯だったが、残されている実も一杯。さすが、サンクチュアリだ。ほとんどの市民に忘れ去られたサンクチュアリ。考えてみると、サンクチュアリというのは、新しい誕生のデビューでなくて「退場」「衰退」のシンボルなんだと思う。わたしはこのサンクチュアリをタップリ、感傷的に見ていきたい。

注)そのたわわのハスカップを随分デジカメに収めたのだが、なんと、メモリーカードは入っていないことに、家に戻って編集しようとして気づいた。しかし、機能として何枚かは本体に記憶されるらしく看板などの画像だけは手にすることができた。これで満足しなければ、と自らに言い聞かせた。しかし残念なことをした。

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