さあ、そろそろ山仕事の準備だなあ
2006/09/03〜 恵みの秋がきた コナラのドングリは先月から大きな音を立てて トタンの屋根に落ちるが、音の割には 小さい小さい粒である ヒグマはこのコナラのドングリを林床から 拾って食べるのは非効率だと思う 出来れば大きな柏、もしくはミズナラを、 林道などのむき出しの地面で食べるか、 木の上で食べたいのでないか
曇天の紅葉は大人の味。はしゃがない 落ち葉もいい風情 ストーブを焚くとこの時期ハエが大発生する。 羽化するのではないか? | コナラの葉が赤い 10月29日(日)くもり 外12℃ 車で苫東に近づくと、今年のコナラの色づきが例年より赤いように思う。林道で数枚の写 真を撮ってから小屋の前で紅葉の林に向かって合掌。ストーブに薪を入れて点火し、ベラ ンダを掃く。パソコンを開いてメモやHPの雑文など書く。 恐らく来週は、半分ほど葉っぱが落ちているだろうから、今年の見納めの紅葉を歩く。フ ットパスを無視して笹の中を漕いでいく。無風、音なし。カラマツの根っこに座って深呼 吸する。肩や首、腕の力を抜いてリラックスする。そこで自分と重なった状態をつくり、 瑣末な相談をする。冥想状態では、意外とバランスの取れた答えを得ることがある。きっ と、自分で用意してきたものをベースにしているのだろうが、一味足して肌触りがいいよ うな気がする。 こういう状態を、試薬などを使ってストレス状態を計ったりする一連の医学調査データに ますます距離を置きたくなっている。この調査を2年ほど継続している、北大のFさんも、 きわめて懐疑的だったが、わたしは、林や風土が人の魂に語りかけるという営みと、身体 の変化を調べていくことには随分とレベル差があり、営みがずっと先行している。そして わたしは既にその営みの中にいる。 林での山仕事や営みを通じて自分の体と向き合ってきた結果、少なくとも自分の身体への 観察の目が養われ、その自然に気づいていく。歩きながそんなことを考えていると、この 一月あまり、ずっと抜けないと思っていた風邪症状というのは、最初バランスを崩して熱 を出してからは、働き出した免疫が、季節の変わり目の温度変化、湿度変化に微妙に対応 してきた鼻水ズルズル、のどの痛み、咳などの症状だったのではないかと気づいた。温度 変化のあと、おびただしい鼻水がでるのだ。少なくとも、晩秋の温度変化に対して、わた しの体は今、ていねいに反応を続けているようだ。 |
ろうそくの存在感! ストーブの存在感!! そして、あさ〜!!! コシアブラの白い紅葉? | 夜、小屋に来て泊まる 10月20、21日(金、土)はれ 星空6℃ せっかくのストーブと付き合った気がまだしない。そして明日からは下川に出かけるので 今週は小屋にいる時間がない。何日も林や小屋との時間がないのは耐えられない。という わけで、金曜日、仕事を終えてすぐ札幌から苫小牧に急行し、食事を済ませてから小屋に 来た。満天の星、無風。折りしも、高規格道路の日高自動車道が不通になっているので、 騒音はまったくない。上空の飛行機騒音もない。とても珍しい。雑木林の静寂をプレゼン トされた気分。宵の明星らしいのとすばるが東の空に見える。来て良かった。 薪ストーブのご機嫌を知るのが今は大切だ。このストーブにはどんな癖があるのか。で、 そそ数回で大体この薪ストーブの燃やし方をマスターしたと思う。そして、炎を十分干渉 するための薪の置き方も理解した。ほぼいっぱいにした薪は3時間から、4時間でわずか なオキになる。もっと長時間保存するには天蓋を移動させる。オキになる直前には,新し い薪を補充するようにすれば、初期作業が軽減され、長時間、一定温度を維持することは 簡単だ。 11時前にはどうもそのまま眠ったらしく、3時前に目がさめた。室温は20℃をやや下回 る程度で、オキがまだ残っていた。ほぼ4時間あまりである。もう一度、小枝と薪をいれ て、ついでに何かの褒美としてビールをあけた。根っからのビール好きだが、こんなこと はめったにないことだ。しばらく、冴えた頭で炎に見入る。 そして次に目が覚めたときには6時半になっていた。3時にくべた3本の薪はほぼ燃え尽 きてまたオキになっていた。外は4℃、室温は19℃だった。鋳物の強みは、長時間部屋を 暖めるには、実によくできている。その点、鉄板ストーブは、急速暖房には誠に便利だっ たが、薪はまったくもたず、すぐ部屋の温度が下がった。ごーっという轟音とともに熱エ ネルギーは煙突から消えていったのだ。これはおのおのの長短。鉄板もよくやってくれた 。 このストーブの交代を機会に、小屋へのさらなる長時間滞在に切り替えようかと思い始め た。 朝日が紅葉に当たって実に美しい。ベランダで深呼吸をする。7時前にフットパスを一周 する。コシアブラの白葉が幻想的である。紅葉はまだ6割程度か。先週のヤマモミジはほ とんど葉を落としており、目立つ紅葉はなくなったが、雑木林全体が茶を帯びた黄色の世 界に変ってきた。 これから家に戻って、昼前に下川へ出発。森林療法のフォーラムがあるから。なかなか、 楽しみな企画だ。この雑木林の画像数枚も用意した。 |
林道の紅葉はまだこんなレベル でも、中にはこんなのも カナヘビ親子 | カナヘビ親子の登場 10月14日(土曜日)晴れ 14℃ 晴れ渡った秋らしい好天、小屋の前のヤマモミジが真っ赤に色づき、遅れてクリタケがで てきた。赤とんぼはブロックの日向に群れている。わたしはエノキタケはまだかな、とピ ザ釜の前を通るとなにか、小さな動くもの。お、カナヘビである。デジカメを向けるとチ ラチラと子供のカナヘビが2匹が現れ、そしてもうひとつ大人が草むらに。4匹の親子だ。 暖かいブロックにへばりついて、子供が歩行演習しているみたい。これは当分、ピザを焼 くのは遠慮しなければいけない。以前はピザのために薪をくべたら、ここからコウモリが (ゴホゴホとは聞こえなかったが)出てきた。いろいろ、穴や隙間は小動物の住処に拝借 される。 フットパスはまだ紅葉していない。やたらとホオノキの茶色の葉っぱがフットパスを埋め ており、そこにミヤコザサの多くが倒れ掛かっている。突然、鳥の声がにぎやかなエリア に入った。シジュウカラ、ハシブトガラ、それにコゲラが混じっている。シマエナガはい ない。10羽あまりが周りの枝、幹を飛び回る。わたしはしばし、ホーミーを唸って遊ぶ。 平木沼のそばまで行って、田園地帯への林道をフットパス代わりに下ってみると、麦と大 豆の収穫のあとで、南東側から冷たい風が吹いていた。これは冬の前触れとも思える風当 たりだった。慌てて今度は送電線の下の刈分け道を戻った。ヒグマの気配はないが、ぬか るみにはエゾシカの足跡がいっぱい。 大好きな擂鉢状のカラマツ林「まほろば」に寄って、深呼吸する。落ち着くいい場所だが、 風倒木がまだ随分あって風景の邪魔になる。できればこの冬の着手時にでも、片付けるこ とにしたいのだが。 おとといの12日に、札幌から原口さんがきて「坪庭」を整頓された模様。以下、小屋ノー トから。 『晴れ、無風、18℃ 坪庭の手入れする。途中、きのこ採りの車が入ってくる。蚊はまっ たくいない(ほっとする)。トンボがきてくれたからか。新しいストーブ拝見しました。 立派。 …原口』 左はクリタケ。右はチャナメツムタケ。ついでにカラマツの焚き付けを拾ってくる |
葉っぱの大きいホオノキは、すで に葉を落として道を埋めた サクラの風倒木にナメコを発見 カラマツが濡れて雄雄しい ボリボリ(ならたけ)、ラクヨウ(ハナ イグチ)、ナメコが今日のちょっと した収穫 | 暴風のなか「ボリボリ」をとる 10月8日(日)大風、雨のち止む 10℃ 昨日から引き続きの大荒れの朝、薪ストーブがどうも恋しく、PCと数冊の本を持って家人 が寝ている間に出てきた。林道には大枝が落ちて、風にもまれた様子がしのばれた。木々 は葉の裏を見せるので、林は時折白いきらきらのように光るが、揉まれて疲れており、そ れをじっと流れに任せて凌いでいるように見える。 薪ストーブは、室温10℃から20℃にあげるまで1時間ほどかかった。これでは先が思いや られる。厳冬期の室温はマイナス20℃になるのだから、この冬からわたしはマイナス20℃ で裸になり着替え、マイナス20℃のまま作業に出て、やっと昼ころプラス20℃近くになっ た小屋に戻るということになりそうだ。40度の上昇を外で待つことになる。それがやや気 がかり。 しかし、ゆっくり燃えて灰になる絵はやはり美しく見飽きない。小さな数本の薪をくべた のだが、それがまだ半分ほど残ったまま燃えている。考えてみると燃焼室を見るガラス窓 は画像をみるディスプレィと似ている。じっと薪しか写さないTVである。外の焚き火に 比べると、ちょっと劇場風と言えるか。 小雨が混じってごーっと唸る林に入り、独りフットパスを歩く。まさに轟音である。唸る 林は迫力がある。唸った分だけ風が減殺されているから、林の中の空気の動きは予想以上 にない。フットパスには大小の枝が落ちているので片付けながら進む。不思議なことだが 枝はしばしば歩道に突き刺さっている。枝が樹木本体から離れて落ちるまでのほんのわず かな時間に、どういう加速や回転のせいでこうなるのかわからないが、意外としっかり突 き刺さっているのだ。不思議でしょうがない。今日はそれが4本もあった。時折、ライフ ルのような音がする。シカ猟は解禁になったのだろうか。まだ早いような気がするので、 とすれば密猟か。 ボリボリは小屋の周り100m以内でだけ取れた。踏みあとがたくさんあるからかなりの 人が来ているのに、随分残っている。溶けかかっているものも少なくない。大荒れの天気 でだれもとっていないせいもある。今日はだれもいない。もっともこの大荒れだから。し かし、嵐の日にも林には歩く意味がしっかりとある。 ←刺さった枝の怪 ストーブの炎→ |
これは横に当たる。丸太に背を 持たせて、見る。 炎はこんな風に見える。 たき口はこちら。 | 鋳物のストーブを据え付ける 9月30日(土) 雨 17℃ 山仕事関係で余裕が出たので薪ストーブを新調した。中国製で約3万円。伊達のホーマッ クでみつけ、こちらのホーマックに取り寄せた。おもえば鉄板のストーブは9年も元気に もってくれてまだ使える状態ではある。しかし、鋳物のストーブは大きな窓付きで、薪が 燃える炎をパソコンの画像ほどの大きさで見つめられることの嬉しさに負けた。新旧交代 で古い方は長老に進呈だ。 ホーマックで60kgあまりのストーブを受け取ろうとしたが、重すぎかつがさばって、セダ ンに乗らない。配達なら数日後だとか。困ったなあ、と腕組みしていると、無料の貸し軽 トラがあるのだという。なぜそれを早く言ってくれないの?迷わずそれにしましょう!30 分待って軽トラが戻ってきたので早速、この幌付き軽トラで雑木林へ。 長老がすでに待ってくれていた。古いストーブをはずし、鋳物を組み立てる。30分ほどか かった。そそくさと新聞、カラマツの枝、薪の順に入れ込んで点火。じわーと燃え始め、 やがてめらめらと。ゴーッと唸るような燃え方ではないので拍子抜けがする。二人で静か にコーヒーで乾杯。長老が発電機を持って来てくれたので、持参した掃除機をかけて冬に 備えた大掃除をする。また、林班図を出して、今年の間伐箇所の打ち合わせも済ました。 もう1時過ぎ。車も返しに行かねばならず長老とはここで別れた。 わたしはしばし、ストーブの炎を見ていた。薪はぜんぜん減らないで、熱が鋳物に蓄えら れてじわじわとやってくる。小窓から見える炎はめちゃくちゃ優しい。やっぱり薪ストー ブセラピーだ。熱が柔らかい。空気がやさしい。明日、白老に釣りに行くか、もう一度小 屋に来るか、迷ってしまう。ちょうど、広場にボリボリが出ており、今晩のお味噌汁に。 |
出始めとはこんなものさ。といい つついささか寂しい収穫だったなあ。 クマスプレーも忘れず。真ん中の大 きいのはカラカサタケ。食用。 小屋の北のコナラのおじさんに 挨拶。直径60cm。大好きだなあ。 | すべてが繋がる感覚 9月23日(土)快晴22℃ すべてがうまくつながっている。人にとって、こんな充実は願ってもないものでこの上な い喜びでもある。わたしは、恐らくこの雑木林がきっかけでこの状態をちょうど50歳を迎 えたころから特に、しだい次第に色濃く感じてきた。その延長戦で「林はセラピストだ」 という実感にたどりつきそんな意味のメッセージを発してきたが、それは林への恩返しで もあり、人があまり入り込まないこの世界をストレスを感じやすい現代を生きる周りの人 へ伝えるということが、わたしという個人のささやかなミッションともなった。いわば余 計なお世話、である。 今から、このことを隠さず正直に表現していこうという気持ちになってきた。自分が平安 な状況になって周りもそうなっていく。まず己が変らないと自分の周囲や社会も変りよう がない。五里霧中の世界からやっと視界のある場へ出てきた実感。個人の体やこころの世 界は、卑小なものだけれども、残念ながら世界は卑小な個人とローカルから始まる。 陽だまりには蚊が少なくなった、と思ったがフットパスの中は、いやいや、まだまだ大群 がいた。鎌をもち籠をさげて一周したが、ほお、首、唇といわず、むき出しのところは所 かまわず攻撃され、そしてなすがままにやられた。蚊とはいえ、できるだけ殺生はしない という誓いが、払いのける手つきも緩慢になっていて、蚊たちはそこのところ実によく読 んで甘く見られるいるかのようだ。 ボリボリ(ならたけ)が出始めた。どんぐりよりちょっと大きい程度のサイズ。手を伸ば して動きが止まると蚊がやってくる。 |
お詫び。 研修の画像を紛失してしま いました。 m(__)m 代わりでご容赦を。 小屋の前に、つたもりでコナラ の大木にあいさつ。 歩くのをやめ、浜で今朝拾っ た枝を削ってクラフトの棒を つくった 原野は秋。ススキや林道も咲き 始めた。 | 蚊の猛攻やまず 9月16日(土) はれ 22℃ 天気が良いのにちょっと林を歩くのが億劫だ。手と言わず顔といわず、皮膚がむき出しの ところにあまたの蚊が寄ってくるから。げんなりだ。 昨日は、北海道森と緑の会が募集したグリーンボランティア研修・4日目の講師として呼 ばれ、朝9時から夕方5時まで、20代から70代までの受講生とお付き合いし、10時 過ぎから2時頃まではこのフィールドで森づくりやフットパスなどの話をした。すでに森 に関わっておられる人もいて、いつもながら、こちらも勉強になる。 十勝千年の森のスタッフの方がお二人みえて、向こうとの比較をされた。明るい、ササの ない、ゆるやかな風情が独特なものに映ったようだ。2時過ぎから訪れた北大の演習林の 方がむしろ見慣れた森林風景だという。たしかに、人工林が細切れに入り込んだり、施設 があったりというように、里山的な位置にある山はひと気があるものだが、苫東のこのフ ィールドは、ログハウスがあるだけで、ほとんどひと気のにおいがしない。あと唯一、林 道やフットパスの刈り込みが人の作業の痕跡があるけれど、これも実にかぼそい。好印象 を持ってもらえるのはうれしい。 樹木と直に付き合っていくチャンスとして樹林気功のような動作をしたり、リラックスを 助けるスワイショウという気功の準備運動をわたしが始めると、みなさんも自然と手を動 かし始める。「鳥が逃げない、よって来る」とホーミーをしてみると誰かが早速うなる。こ の反応が微笑ましくて、ついのってしまう。 林とこころの話をやや多めにするので、ストレスを計る簡便な器具「ココロメーター」を 持参し、研修室と林の散策後に各々測定した。唾液中のアミラーゼの量を測定するものだ が、林とリラックスの関係を自ら感じ取るきっかけとして便利で、時に主役になる。全く ない人から、200以上の数値の人、散策後にどっと上がった人などさまざま。蚊のスト レスもある、という結論になった。 |
coppice in summer animal's dropping working style | 不可解なフン 9月3日(日)雨のちはれ 25℃ 夜半から強い雨が降り、雷もなった。夜が明けてからも雨足はかわらないので、残念なが ら山仕事はずぶぬれだなあと、悲壮な覚悟をして布団の中にいた。ところが、みるみる雲 が晴れて9時前には青空になった。 小屋には今週も同じ場所に、不可解なフンが落ちており、量も多い。ねずみのフンを大き くしたものと一緒に、白い粉状のものがある。その上の2回の床を見ると梁にもこびりつ いている。鳥だろうか。鳥、はて、こんな獣のようなフンをする鳥、しかし、こうもりと は違う。鳴き声はしないし、2階にその気配もない。じゅうたんが汚れるので新聞をしい ていこう。それにしても何なんだ。 来週の週末は出張なので、再来週のグリーンボランティア研修のために、今週せめて小屋 の周りだけでも刈り込んでおくことにした。かなり丁寧に刈って来たから、オオバコなど も大きくならない自然対応、適応をはじめ、思いのほか刈りにくい。 木立を吹き抜ける風が涼しい。小屋のあたりでは、赤とんぼが飛んでいる。赤とんぼは蚊 を食べてくれると聞くので、心なしか小さな広場では蚊に刺されなかったようだ。ところ がいったんフットパスに入ると、蚊の猛攻が始まった。シャツのすそ、めがねの中、ツル のあたりなど、油断しやすいところに集中してやってくる。着地した瞬間に刺す。小屋に 戻ると頭、顔、腕のあちこちがでこぼこだった。 |