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2019年、日々の迷走


■1/30 広葉樹林の保育方法の調査成果を報告

昨年6月に苫東コモンズのオーナーから受託した、広葉樹林の取り扱いに関する調査業務の成果品(100pあまり)を、今日、完了届とともに発注元にお届けしました。これから緑地関係を担当する若い後継者も同席し、色々な意見交換の場となりました。本調査を通じて、個人的にもかなり見えてきた部分や発見も多く、またもや人生冥利に尽きる仕事となりました。
ミズナラ・コナラ林という「雑木林」をどう将来に向けて持続させるのかは、苫東アセスの重要な未解決課題であったと同時に、わたしにとってはライフワークといってもよいものだっただけに、単なるコンサル仕事ではなく、大きな手ごたえもあったのです。しかも、準備段階から、NPOメンバーの精力的な山仕事や電気牧柵の資材調達などに支えられ、かつ、大学の先生などアカデミズムにもサポートしていただくという幸運もありました。オーナーの許可が下りればですが、どこかにリンクを張って公開させていただくのも手かな、と思っています。


■1/26 山仕事色々

たかが里山の山仕事。しかし、やることが一杯だ。それを何とか間に合わせて一歩ずつ進む。今日はスノーモービルが不調で、始動まで2時間もとられた。プラグを交換し、トルク調節。メンバーを巻き沿いにして手伝ってもらう。ずいぶん雪が降ったので、migitaさんはトラクターで林道の除雪。一方、ohsawaさんは午後からアカエゾマツの造林地に着手。帰り際、作業あとに寄ってみると、一帯はぷーんとテレペン油の芳香が漂っていた。

■1/23 これは読まねば「西洋の自死」
「歴史的罪悪感に苦しむ欧州人」
「原罪を背負って生まれてきたと感じているのは現代の欧州人だけではないかもしれない。しかし欧州人は明らかにそのことで最も苦しんでいるように見える。今日の欧州人は―――他人がそのことを持ち出すずっと前から―――自分たちが特定の歴史的罪悪感を背負うべきだと感じている。そこには戦争、とりわけホロコーストの罪悪感だけでなく、過去に関わるあらゆる領域の罪悪感が含まれる。例えば消えやらぬ植民地主義や人種差別主義の罪悪感などだ。・・・」

これは驚きました。昨日の打ち合わせで、ある高名な先生がアイヌ関係の話題を提供されようとしたときに用意されていた4pの資料の冒頭にあった下りです。ヨーロッパ人がドイツのホロコーストはともかく日本を除く世界各地に植民地をつくり搾取してきたことや、有色人種を差別し他国民を拉致し奴隷として売買したことを、現代人が原罪として苦しんでいる、と。そんな話は寡聞にして聞いたことがありません。本当でしょうか。英国のバースに行った折、まちの重厚なインフラが目に入りましたが、近在に棲む住民の方は、この富は奴隷貿易によるものだと説明してくれました。果たして英国人がこのインフラを見て原罪を感じ苦しんできたのでしょうか。信じられません。という訳で、これは読まねばならない。東洋経済新報社から昨年末12/27の発行。著者はダグラス・マレー。

内容紹介にはこうある➡英国で数々の賞を受賞した若きジャーナリストが欧州の移民問題を徹底ルポ。移民受け入れをめぐる「罪悪感」と「疲れ」がもたらした欧州リベラリズムの死に方を克明に描く。BOOKデータベースには➡「欧州リベラリズムの死に方。気鋭のジャーナリストが、今まで誰も書けなかったタブーに挑んだ大問題作。英国『サンデー・タイムズ』紙のナンバーワンブック、『イブニングスタンダード』紙のブックオブザイヤー。」

■1/20 原始が原の新雪ダウンヒルを思い出す


スケッチブックには1981年元旦とあるからなんと38年前である。アカエゾマツの純林が広がる富良野・麓郷の原始が原に夏用のペラペラのテントを張って小屋掛けし、上ホロカメットク山などの新雪ダウンヒルをしていた。わたしは体力に自信があったから、さっとスケッチブックを出してこの風景を納めた。ダウンヒルも素晴らしかった。

これはさらに前、農学部で研究生をしていたころ。メンバー10人ほどで原始が原から標高1000mをトラバースし、トムラウシ温泉に向かった時のスケッチ。ラッセルしながら1週間の山旅だった。森林限界付近のアカエゾマツはこんな風である。黒い森に見える。

■1/19 切株でわかる伐倒の履歴


昼前、掛かり木処理のSOSがきたので行ってみました。切り株に乗っかったままの樹幹をまずトビで地面に落として見えたのがこの切り株。クサビもちゃんと使ったといい、受け口もいい形に仕上がっているのですが、なんと、伐倒方向をコントロールするツルがありません。これだと制御が全く効かなくなり、重心の掛かっている方向に自然に倒れてしまいます。その方向は、作業者が意図したのとは90度違ったのです。これでは、技術を駆使したことになりません。現場で反省会、テントでももう一度皆でおさらい。切株は行為の履歴を残します。

■1/16 苫東の雑木林の保育サイクル


月末が締め切りの受託調査のため、レポートづくりは最後の段階に差し掛かっています。どん詰まりのまとめをどうしようかと考えた末、今日(中日の休日)は、森林調査簿にもとづいて、わたしの関わった作業の履歴を加え、保育サイクルの図を作ってみました。その結果、なんだか、面白い苫東コモンズらしい展開になってきました。

■1/14 シュバルツ・バルトの試み

週刊の英字新聞を見ていると、ドイツのシュバルツ・バルトの針葉樹の風倒木をそのままにして自然に返す、という国立公園の研究プログラムが目に入りました。シュバルツ・バルトは、いわゆる黒い森と言われるところで、カジノのある温泉リゾート・バーデンバーデンを含む一帯ですが、確かに冬の針葉樹林というのはフィンランドもドイツも、そして北海道でも、黒い印象があります。あれは樹木の耐凍性に関係していると思うのですが、それはさておき、今、NPO苫東環境コモンズでは針葉樹ではない広葉樹の風倒木の、終わりの見えない処理に追われています。が、これも里山の資源を無駄にしたくないという気持ちからです。確かに北大の構内や苫小牧の研究林などでは、倒れた後、どのように植生や環境が変化していくのか研究するという目的で、エコミュージアムのようなテーマを持って積極的に放置するという考えも聞きます。そこは割り切りでしょう。また、省力化という理由もありそうです。あの危険で困難で赤字になる整理なんか誰もしたくない、B/Cでも無駄だという本音もちらつきます。しかし、ここはやはり、里山は違うよ、と言い切っておきましょう。

■1/13  歴史を学んで

百田尚樹著「日本国紀」505ページを、ほぼ通勤時に読み終えました。twitterなどではリベラル系と呼ばれる方々から種々難癖をつけられていますが、わたしは心底読んでよかったと思います。今年の半ば、勤め人生活を卒業したら歴史の世界にもっと踏み込もうと思いますが、天皇が「御代替わり」(みよがわり)される今年、いいステップにもなりました。「私たちは何者なのか」、そして、日本とはどういう国なのか。普段、歴史家が素通りしてきた事柄に突っ込み、様々な学説を公正に披瀝し、そのうえで百田氏自らの仮説を仮説としたうえで史実と呼ばれるものをコラムという特別枠でつないでみせる。あるリベラル派に見える方に、読むおつもりですか、とお聞きしたら、間違った歴史観に染まるのがいやだから、と敬遠していましたが、そもそもわたしたちが学んだ歴史が、近年かなりゆがんだものであったことがわかってきました。肝心の近現代史を教育が省略してきた(避けてきた)節もあります。大東亜戦争の是々非々を赤裸々に、かつ断片をつないで明白に描いて見せたのも特筆ものでした。情けなさと正道に向かおうとするその反動。不勉強だった私にとってはかけがえのない教科書でした。

■1/12 凛とした冬の雑木林

少しまとまった雪が降って、大島山林の積雪は20cm少々になりました。地元でトラクターも操る migita さんがさっそく公道からテントまでの除雪をしてくれました。除雪がなくても車もなんとか入っていける状態ですが、除雪なしならこの程度が限界でしょう。
高村光太郎の詩に、凛とした冬が来る、という意味の一節がありますが、晴天の雑木林は、まさにこの言葉を思い起こさせます。冬の雑木林こそ、森林セラピーや散策にむいています。冬は暗いというイメージを持つ人は多いのですが、日本の太平洋側はむしろ胸膨らむ光景が展開するのです。今日はそんな一日。しみじみ、幸せを感じます。


■1/9 薪が底をつきそうだ

我が家の薪小屋の薪があと一列になりました(左はシーズン前、右が現在)。ほかにもちまちまと軒先などに積んではありますが、乾燥が足りません。怠けていたわけではなく、今年の分を昨シーズンに先食いしていたためです。このモノ余りの時代に、何とも奇特な窮乏感、飢餓感。灯油に頼らないということは、実に大変なことです。

■1/5 山の初仕事

2019年の山仕事が始まりました。一番乗りは地元の長老・migitaさん。昭和8年熊本生まれだから86歳のはず。今日も、大島山林の現場の薪ストーブには早々に火がつき、9時半過ぎにはチェンソーのエンジン音が響き渡っていました。町内では神社の世話役などいろいろな公務を持ち、とにかく何事にも労を惜しまない方。NPOでもトラクターを駆使して駐車場や林道の除雪を受け持ってくれます。NPO苫東環境コモンズにとって、地元一番の理解者。migita さんがいなくては山仕事の効率は大幅にダウンすること間違いなしです。今年も作業の安全第一を誓い、三々五々風倒木の処理に精を出しました。

■1/3 日の出前の早朝の発見など



2日の未明、いつもの夜明けの明星・金星がお月様に急接近しています。こんなこともあるのかと不思議に思って今朝3日も同じころに南の空を眺めると、三日月はまだ向いの家の屋根に隠れていて、やがてグングン金星に追いついて来るのです。なるほど、そうなっているのか。天体は別々の原理(軌道)で意外に早く動くことを知りました。この未明の天体ショーがあまりに美しいのでソファに枕を置いてしばらく横になってみていました。初日の出は見ることができませんでしたので、比較的晴れた2日の8時前、のどかな太平洋を見に行ってみました。どこへ向かうのか大きなフェリーが出港するところでした。樽前山神社は2日昼、結構な人出。家内と娘と三人、好天の初詣です。その足で久々の北大研究林へ小鳥の手載せに。どうしたのか小鳥が少なくとても静か。2日になってやっと外に出ましたが、今年の年末年始は、家にこもって受託調査のレポートを毎日コツコツ書いて過ごしていたのです。それはそれで思いがけずとても充実した時間でした。おかげで今月末の期限まで成果品の提出ができそうでホッとしました。

■2019/1/1 春風献上
穏やかな元日を迎えました。今年もどうぞよろしくお付き合いのほどをお願いします。一年の抱負をなにか言葉にしようと紙に向かってみましたが、勤め人人生最後の半年をスルスルと潜り抜けて悠々自適の日々に憧れる気持ちと、いやいやもっと自律的に生涯現役の心がけで前進、と強引に背中を押す自分が一緒にいます。そして結局はいつもの随流去(ずいりゅうこ)、流れに任せよう、です。
今年は何回目かの伊勢神宮に参拝したいし念願の熊野古道もまだだし、アジアならベトナムに出かけたい。歴史の勉強にも励み、初めて源氏物語にも挑戦したい。古事記も読みなおしたい。ハスカップの出版ももうすぐだし、育林コンペで薪作りも本格化したい。一年途絶えたフライフィッシングも再開し、料理の腕も上げたい。よおし、煮詰まってきた、今年も頑張っていこう!